日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 8 号
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  • 豊島 弘行
    1990 年 100 巻 8 号 p. 827-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    種々の組織学的悪性度の有棘細胞癌及びBowen病の腫瘍細胞の核DNA量を測定した.また,術後の再発の有無と核DNA量,および原発巣と再発巣における核DNA量の比較をおこなった.核DNA量の定量は,パラフィンブロックより単離した腫瘍細胞にFeulgen染色を施行し,顕微蛍光測光により測定した.そのヒストグラムを作製して検討した.有棘細胞癌のgrade1から3(Leverの組織学的悪性度分類)の腫瘍細胞では4C以上のpolypoid cell出現率に差がみられなかったが,grade4ではそれらより高い出現率が認められた.Bowen病におけるpolyploid cell出現率は有棘細胞癌より低かった.そして,再発例の原発巣は非再発例よりも6C以上のpolyploid cell出現率が高かった.また,再発例においては再発後の腫瘍巣の方が再発病巣よりも4C以上,6C以上ともにpolyploid cell出現率が高かった.
  • 豊島 弘行
    1990 年 100 巻 8 号 p. 835-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    皮膚有棘細胞癌の深部浸潤と核DNA量パターンの関係について検討した.方法としては,azocarmin G前処置による非特異蛍光を除去後,Feulgen染色をすることで組織切片上の核のみの蛍光をとらえて顕微蛍光測光法を施行した.組織学的悪性度が同程度(Leverの分類grade3)の有棘細胞癌5例のうち,真皮上層までの浅い部に存在する腫瘍細胞巣と,皮下脂肪織より深い部分に存在する腫瘍細胞巣について核DNA量を比較検討した.その結果4C以上がおよび6C以上のpolyploid cell出現率はともに,深部の腫瘍巣が浅部のより高率であった.
  • 高橋 美千代
    1990 年 100 巻 8 号 p. 839-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    抗毛ケラチン単クローン抗体を用い,ラットの毛発生過程における毛組織のケラチン発現を免疫組織化学的に検討した.HKN-2および4は表皮や成長期毛組織に反応し,とくに外毛根鞘最内層細胞(IMC)に強陽性を示す.毛芽はHNK-2および4に陽性で,IMCの陽性反応は生直後の成長期初期に出現した.成長期の毛幹および内毛根鞘に反応するHKN-5および6は毛芽および毛杭とは反応せず,また,毛髄,毛皮質および内毛根鞘を僅かに形成しつつある早期成長期毛組織にも反応せず,ケラチン発現が形態的変化に比べ遅れを示した.以上より,毛芽は表皮基底細胞と異なった分化を示すこと,毛組織に特異なケラチンは,各層の分化が形態学的に明瞭化した後に産生されること,IMCのケラチン発現は種により相違するが,他の外毛根鞘細胞とは異なる一層である点は普遍的で,その違いは発生段階から認められることなどが示された.
  • 斉藤 範夫, 森嶋 隆文
    1990 年 100 巻 8 号 p. 853-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    全身性白皮症頭毛4検体(チロジナーゼ陽性型3例,陰性型1例)と健常日本人頭毛100検体を被験材料とし,頭毛中eumelanin・pheomelaninをIto&Fujitaのメラニン微量定量法をもって測定し,全身性白皮症症例では尿中5-s-cysteinyldopa,尿中5-hydroxy-6-methoxyindole-2-carboxylic acidを測定し,次の興味ある結果を得た.1.健常日本人頭毛中eumelanin・pheomelanin含有量1)年代を問わず,黒色頭毛中にpheomelaninが含有され,総メラニン量に対するpheomelaninの比率はほぼ一定で,約5%であった.2)2~5歳群の頭毛中総メラニン量は他の年代群に比して有意に低く,総メラニンに対するpheomelaninの比率は他の年代層に比して有意に高値であった.2.全身性白皮症患者頭毛中eumelanin・pheomelanin含有量,尿中5-s-cysteinyldopa値及び尿中5-hydroxy-6-methoxyindole-2-carboxylic acid値1)チロジナーゼ陰性型では毛色は白で,頭毛中eumelanin・pheomelaninはいずれも検出不能で,尿中5-s-cysteinyldopaも極めて低値であった.2)チロジナーゼ陽性型では毛色は淡黄色で,頭毛中にpheomelaninのみが検出され,尿中5-s-cysteinyldopa値は同年代のそれと有意の差はなかった.3)eumelanin生成の指標の一つである尿中5-hydroxy-6-methoxyindole-2-carboxylic acidはチロジナーゼ陽性型,陰性型ともに検出不能であった.以上,チロジナーゼ陽性型全身性白皮症頭毛の黄色調はpheomelanin生成によることが示唆され,尿中5-s-cysteinyldopa値は必ずしもメラニン産生能を反映していないものと考えられた.
  • 神保 徹也, 市橋 正光, 藤原 美定
    1990 年 100 巻 8 号 p. 863-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    表皮に存在するLangerhans細胞(LC)は抗原提示細胞であり,免疫監視機構の初期段階の役割を担っており,紫外線誘発皮膚癌に対し,抑制的に働いていると考えられる.我々は,紫外線高発癌性色素性乾皮症(XP)に注目し,XPの表皮LCに対する紫外線(UVB)照射の影響をOKT6モノクローナル抗体を用いて追求し,UV発癌とLCの関連について考察した.最少紅斑量(MED)および3倍量のMEDを照射した場合,XPと正常人のOKT6陽性LCの分布密度はUVB照射6時間後より減少し始め,3MED照射後,XPでは2日後,正常人では3日後に最少となり,どちらも2週間後には照射前値まで回復した.1MEDでは,どちらも減少度は軽度で,2週間後には照射前値に戻った.また,XPバリアントおよび正常人のいずれにおいても,慢性日光曝露皮膚のLCは被覆部LCに比べ有意に減少していた.とくにXP9KOでは34歳までに5個の基底細胞上皮腫が発生しているが,慢性日光曝露部LC数減少およびUVB照射後のLCの減少と回復動態は正常人と同じパターンであった.従って,本実験からは,LCのUV発癌に対する免疫監視機構への積極的関与を支持する結果は得られなかった.
  • 小泉 洋子, 松村 哲理, 熊切 正信, 大河原 章
    1990 年 100 巻 8 号 p. 871-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    原発性胆汁性肝硬変(PBC)は胆汁性肝硬変をきたす原因不明の疾患である.血中に高率に抗糸粒体抗体(AMA)が出現するため自己免疫機序の関与が示唆されている.著者らは本症の56歳女性例で上肢,躯幹に汎発性環状肉芽腫を合併した症例を経験した.浸潤細胞は免疫組織学的にマクロファージとsuppressor/cytotoxic T cellが主であり,さらに電顕で小胞体が発達した大型の形質細胞様のマクロファージとファゴソームを多数貪食したマクロファージの二種類が区別された.蛍光抗体法直接法で表皮基底層と血管に免疫グロプリンの沈着が認められた.PBCと皮膚にみられた肉芽腫の関連性について考察した.
  • 荒瀬 誠治, 定本 靖司, 加藤 昭二, 藤江 建志, 中西 秀樹, 武田 克之
    1990 年 100 巻 8 号 p. 879-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    肉眼的に外毛根鞘を付着するヒト抜去毛包をⅠ型コラーゲンゲル内で培養した.培養3~4日目より毛包が肥大し,また外毛根鞘部よりゲル内に上皮系の細胞も出現し,以後4週間にわたり突起を形成しながら3次元に増殖した.毛球部を取り除いた細切毛包の培養でも同様の細胞増殖がみられた事より,増殖した上皮細胞は外毛根鞘由来と考えた.突起の数,径,性状は個々の毛包で異なっていた.肥大毛包部では最外層にDNA合成細胞が局在し,突起部でも外側縁にDNA合成細胞がみられた.本実験系は各種条件下での外毛根鞘細胞の3次元増殖を観察するのに適した系と思われる.また外毛根鞘細胞と他器官の細胞との相互作用の探究にも役立つであろう.
  • 桧垣 修一, 長谷川 義典, 諸橋 正昭, 坂本 憲市, 山岸 高由
    1990 年 100 巻 8 号 p. 883-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    漢方生薬の一つである黄連のPropionibacterium acnesに対する抗菌および抗リパーゼ活性について検討した.各種濃度の黄連を添加したPYG-トリブチリン培地にP. acnesを接種し,産生される酪酸およびプロピオン酸をガスクロマトグラフィーで経時的に測定した.また,P. acnes菌数も同時に測定した.黄連の作用によって,P. acnesの発育量を示すプロピオン酸は,リパーゼ活性量を示す酪酸より多く減少した.さらに岸下らの考案したリパーゼ検査用培地に黄連を添加し検討したが,リパーゼ陰性集落を検出できなかった.これらの成績から,黄連のP. acnesに対する抗リパーゼ作用は,抗菌作用により菌の発育が抑制されるために起こるものと考えられた.
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