日本皮膚科学会雑誌
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85 巻, 9 号
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  • 森嶋 隆文, 遠藤 幹夫, 今川 一郎, 森岡 貞男
    1975 年 85 巻 9 号 p. 509-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    点状集簇性母斑16例の臨床所見と病理組織学的所見とを対比しつつ検討し,そのえられた成績から本母斑は少くとも3病型に分類しうることを知った.I 型とは,臨床的には楕円形の褐色々素斑上に,硬毛を有するところの,同大の毛包性黒色丘疹が等間隔に多発集族し,病理組織学的には毛包中心性の母斑細胞巣と網状層中層から下層にかけての帯状に配列する浸潤性母斑細胞巣とからなる.II 型とは,臨床的には楕円形の褐色々素斑上に,同大の黒色小色素斑が集族し,中央部では融合して漠漫性黒色々素斑を形成し,病理組織学的には母斑細胞が真皮浅層では集塊状に,その下方ではエクリン汗管,ときに毛包周囲に限局性に認められる.Ⅲ型とは,臨床的には不整形の褐色々素斑上に,大小不同を示す暗褐色ないし黒褐色の小色素斑が不規則に多発し,病理組織学的には表皮突起部あるいは真皮内の母斑細胞が主としてエクリン汗管周囲に限局してみられる.I 型およびⅡ型の皮膚剥削術後の再発機序に関する研究結果から,これら病型においても母斑細胞の増殖が毛包やエクリン汗管と病理発生的に密接な関係をもっているものと憶測される.以上の記載から明らかなように,三島が言うエクリン中心性母斑,す・なわち母斑細胞がエクリン汗管周囲に増殖する病型は著者らの分類に従うと Ⅲ 型ということになる.かかる病理組織学的特徴は播種状色素細胞母斑を併発した巨大色素細胞母斑例にみちれた黒色小色素斑にあっても観察しうることを見出した.なお,発生病理に関し,エクリン汗管周囲にみられる母斑細胞は汗管壁に存した nevoblast に由来するものと考えたい.
  • 高橋 久, 石井 富夫, 田辺 和子, 池田 平介, 山本 勝義
    1975 年 85 巻 9 号 p. 517-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    外用された抗生物質が皮膚内にどのように分布するかを検討するために Benzylpenicillin (以下 PC と略記),Chloraraphenicol (CP), Tetracycline (TC), Dihydros・treptoraycin (SM), Neomycin (NM) および Siccanin(Sice・)にisotope を標識したものをブタの皮膚に貼布して,経皮吸収の状況を autoradiography および液体 scin・tillation counter で検討した.液体 scintillation counter の測定の結果では,PC が最も高濃度に吸収されると予測され,次で Sice・, TC,CP, NM の順で,SM は殆んど吸収されなかった. PC,Sice..CP, TC では皮脂腺部位に薬剤が高濃度に分布する状況が窺えた.又 PC では毛球部附近にも濃度の高い部位があり,薬剤はおそらくこれ等の部位に入りこんでのも真皮内に吸収されるものと思われる. 一方 autoradiography の結果から, TC, SM は長時間貼布するも角層を通過する状況は認められなかったが,PC, Sice.では明らかに薬剤が角層を通過して渉透して行く状況を観察した.
  • 増谷 衛, 庄司 道子, 種田 明生, 小川 秀興, 宮崎 寛明
    1975 年 85 巻 9 号 p. 525-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    52歳,男子.約20年前より前頭部,耳前部,下口唇に DLE 皮疹発生.約2年前より両前腕,両下腿,躯幹等に瘙痒を伴う紅斑及び白斑を生じた症例について報告した. 本症例血清中には,蛍光抗体法間接法及び免疫電顕法間接法によって上皮細胞,メラノサイト或はこれ以外の細胞に於ても抗核抗体のみが証明された. 更に蛍光抗体法直接法では DLE 皮疹部,炎症を伴った白斑部で上皮細胞の核に lgG の沈着が証明された.このことから推して,本症例の白斑の発症には血清中の抗核抗体が関与していると考えたい.
  • 1975 年 85 巻 9 号 p. 533-
    発行日: 1975年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
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