日本皮膚科学会雑誌
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102 巻 , 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 朝田 真木, 赤松 浩彦, Frank M. Schaart, Constantin E. Orfanos
    1992 年 102 巻 11 号 p. 1405-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞上皮腫(Basal cell epithelioma,以下BCEと略す)の特徴である緩徐な発育の機序を明らかにするために,細胞培養法を用いて,BCE細胞の増殖を正常表皮ケラチノサイト(normal epidermal keratinocyte,以下nKと略す)と比較検討した.BCE細胞は,3T3細胞による支持細胞層を用いたBCEの組織片培養により得られ,試みた組織片培養の74%において細胞増殖を認めた.光顕的観察では,BCE細胞はnKと比較して,培養シャーレに飽和状態に達するまでに約2倍の日数を要し,多形性に富む細胞が見られた.一方,細胞増殖のマーカーの1つとなるモノクローナル抗体Ki67による免疫組織化学反応では,BCE細胞では,nKと比較して陽性率が有意に高かった(BCE;14.7%,nK;3.1%).従来BCEでは,細胞周期のうちS期が延長していることが報告されているが,BCE培養細胞を用いた今回の実験により得られた結果は,これらの報告を支持しBCEの臨床における特徴をよく反映したものであった.今回我々は,マイトマイシンCで処理した3T3細胞による支持細胞層を用い,また,培地にヒト血清を添加することにより,従来困難とされてきたBCEの細胞培養を容易にした.この細胞培養法は,BCEの分化,増殖を知る上で有用な手段であると考えられた.
  • 河合 敬一, 細谷 敏博, 伊藤 隆一, 河合 淳, 北村 恵之助, 近藤 智吏, 武内 伯文, 手島 馨, 徳永 元次, 中川 幹雄, 奈 ...
    1992 年 102 巻 11 号 p. 1411-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    近年,合成繊維の発達とともに合成染料の需要が増加してきている.これに伴い,合成染料による皮膚障害の報告が数多くなされるようになったが,それらのほとんどはアレルギー性皮膚障害についてのものであり,染料の一次刺激による皮膚障害の報告は少ない.今回我々は,ポリエステル織物に対し,過去にアレルギー性皮膚障害の報告のあった分散染料と,現在大量に使用されておりかつ皮膚障害の報告がなかった分散染料を用いて,種々の濃度で同一の条件にて染色を行い,それぞれの染色布の皮膚刺激性を,河合法を応用して検討した.皮膚刺激値は,染色濃度の増加に伴って高くなる傾向を示した.また,過去にアレルギー性皮膚障害のあった染料の方が,皮膚障害の報告のなかった染料に比べて刺激値は高い傾向にあった.また,還元洗浄を行うと刺激値は低下する傾向が認められた.還元洗浄は,染色工程において未染着の染料を除去する効果があり,還元洗浄を行うことは染色布の皮膚刺激性を低くするために重要であると考えられた.
  • 西本 一栄, 西本 正賢, 沼原 利彦, 高岩 堯
    1992 年 102 巻 11 号 p. 1421-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    1984年から90年の7年間に香川医大皮膚科で日光角化症と診断したのは65例,89病巣.男39例(単発27,多発12),女26例(単発16,多発10).初診時年齢は40~91歳(平均69.4歳).多発例が7.7歳高齢.86年以降は年10人前後とやや増加の傾向.顔面63個(うち頬部32個),頭部13個,手背7個,耳介3個,躯幹2個,下腿1個.組織型では肥大型24,萎縮型20,類ボーエン型19,棘融解型26,色素沈着型0.悪性化の過程と考えられる付属器表皮への異型表皮細胞の置換は41/89(46%).多い順に棘融解型18/26(69%),類ボーエン型12/19(63%),肥大型7/24(29%),萎縮型4/20(20%).有棘細胞癌(SCC)の合併は棘融解型4/26(15%),類ボーエン型2/19(11%)で,顔面4個,頭部2個.下口唇の1例以外はすべて付属器表皮への異型表皮細胞の置換あり.転移なし.Solar elastosisの強さはSCCの合併しやすさと関連せず,日光曝露時間を反映か.
  • 松岡 芳隆, 西川 律子, 斉藤 隆三
    1992 年 102 巻 11 号 p. 1427-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    小腸穿孔をきたしたアレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)の1例を報告した.患者は初診時35歳の男性で,初診の約3ヵ月前に喘息様咳嗽発作が出現し,続いて発熱,関節痛,筋炎,多発性単神経炎,紫斑・血疱などの症状が発現した.皮疹部は細小血管の壊死性血管炎を示し,全身性血管炎を疑い,プレドニソロン60mg連日投与を開始した.諸症状と検査値は軽快した為,50mgに減量3週間後に急激な腹痛が出現し開腹手術にて小腸穿孔を認め,組織学的に腸間膜の動脈に壊死性血管炎とpalisading granulomaを確認した.本邦におけるAGAの報告は近年増加しているが,調べ得た限り消化管穿孔の併発例は主に内科領域より12例あるに過ぎなかった.自験例を含めた13例の統計的観察では,男性に多く,小腸に好発し,発症より穿孔までの期間は2年以内が過半数を占め,予後は不良で死亡例が53%に達した.数症例でステロイド剤の減量との関連が推測され,これらの結果と自験例の経験よりAGAのステロイド剤投与および減量に際しては他の臓器症状が安定していても,特に消化器症状に十分な注意が必要であると考えられた.
  • 相川 洋介, 古池 高志, 小川 秀興
    1992 年 102 巻 11 号 p. 1435-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
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    伴性遺伝性魚鱗癬であるか否かを判定するために酵素活性測定を中心に据えた出生前診断を試みた.診断結果は正常女児妊娠で,その後無事健常児を出産しえたが,この経験を機に手技の実際とその考え方について紹介する.29歳の保因者を短期入院の上,羊水穿刺を施行,培養羊水細胞の染色体分析・steroid sulfatase(STS)活性と同時に尿中estriol,DHEAS負荷後の血中estradiolを測定した.その結果,胎児はXX染色体すなわち女児であることが判明し,STS陽性,estriol・DHEAS負荷試験正常と,胎児が伴性遺伝性魚鱗癬でないことを確実に裏付けた.
  • 1992 年 102 巻 11 号 p. 1439-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
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