日本皮膚科学会雑誌
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90 巻, 4 号
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  • 水野 信行
    1980 年 90 巻 4 号 p. 313-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
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    本邦25施設の共同研究として, Nummular psoriasi 111例について, 〔8MOP (M')外用+UVA〕(Mと略)の効果を〔8MOPを含まない基剤(P')外用+UVA〕(Pと略)を対照としての二重盲検テスト法によって検討した.併せて,オープンスタディによるドレニゾンテープ(Dと略)と M との効果の比較検討も行なった.これらの3テストは同一対象患者に同時に行なった.効果の評価のため,新たに積算有効率,積算治癒率,積算再発率および積算実質治癒率の考えを導入した.これにより,治療の実態がより具体的に把握できるようになった.その結果をまとめると (1)治療効果,再発の起こりにくさおよび有用性の点について,M は P に有意に勝った. (2) M と D では,治療効果は D が M に勝り,再発の起こりにくさおよび実質治癒率では M が D に勝ったが,有用性の点では M と D との間に有意の差はなかった. (3) 15週以内の治療を行なった場合の M の結果は,治癒 50.47%, 著効 12,15%,有効 14.95%, やや有効 14.95%, 無効 4.67% および悪化 2.80% であった. この場合,治癒群の治療回数は 10.24 ± 5.12回,照射総線量は 61.64 ± 72.91 J/黴€3であった. (4) M による治癒56例中治癒後8週間以内の再発率は 19.6% であった.また,最高29週までが再発率は 26.8% で.その寛解期間は 12.6 ± 7.9 週であった.非再発例の観察期間は 11.3 ± 5.3 週であった. (5)副作用は,M 群に刺激感,潮紅,腫脹,水疱,ビランおよび瘙痒などが初期に少数認められた.色素沈着は,治療15週が最高で,  67.57% に認められた. (6)色素沈着の起こりやすい例は治りやすい傾向があった.
  • 中嶋 弘, 黒澤 伝枝, 高梨 雄蔵, 片倉 仁志
    1980 年 90 巻 4 号 p. 333-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    Mycobacterium (M.) marinum 皮膚感染症の3例に Minocycline hydrochloride(MINO)を1日200mg内服させ,3例共6週間で治癒させ得た. Rifampicin(RFP)による治療期間は3~7ヵ月であったのでMINO では RFP より短期間で全治が可能であった. MINO の MIC はデュボス培地では1.6~3.1μg/ml.小川培地では25~50μg/mlであった.なお Tetracycline hydrochloride(TC)の MIC はデュボス培地では3.1~6.3μg/ml,小川培地では25~50μg/mlであった. 以上の成績から,また抗結核剤より問題となる副作用が少ないこと,安価であることなどからテトラサイクリン系薬剤,特にMINOはM. marinum 皮膚感染の一次選択剤であると考えられる.しかし MIC の測定法の問題,効果発現機序の問題など未解決のことも多く,これら問題についても若干の考察を行った.
  • 吉永 花子, 早川 実, 佐々木 正道, 山田 瑞穂
    1980 年 90 巻 4 号 p. 341-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    尋常性狼瘡に合併したリンパ腫の皮膚腫瘍から腫瘍細胞を回収し,免疫形態学的検索を行なった.腫瘍細胞の 60% に E ロゼット形成がみられ EAC および Smigは5~6%であった.電顕的に観察すると腫瘍の初斯には核は類円形で比較的成熟した細胞が多く,拡大した腫瘍では核の切れ込みを有する大聖未分化な細胞が多く認められた.本例は Lukes-Collinsの 分類に従いconvoluted lymphocytic T-cell type と考えられた.
  • 千葉 雅史, 上杉 孝, 神保 孝一
    1980 年 90 巻 4 号 p. 347-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    皮膚,後腹膜腔,肺に多発性に腫瘍の発生(総数約40個)をみた悪性神経鞘腫と思われる1例を経験した.自験例における腫瘍は,結合縁性被膜により被われており,光顕下で大型,異形性を示す楕円形の核と核小体,及び,紡錘形の細胞質を有する細胞よりなる.これら腫瘍細胞は索状,あるいは,うず巻状配列を呈する・腫瘍中央部では,出皿,壊死像が存在し,microcyst を形成している.多数の細胞分裂像が認められた.又,電顕下でこれら細胞は,多数の樹枝状突起を有し,neurofilament と類似の細胞内繊維(10nm intermediate filament)の集積が認められた.これら組織所見及び,臨床的に,多発性に,しかも,進行性増殖をきたす腫瘍の性格より悪性神経鞘腫と診断した.本症例に対し,化学療法(DTIC,ACNU, VCR)及び,免疫療法(OK 432)を試みたところ,皮膚腫瘍の著明な寛解をみた.1年後に皮膚腫瘍の再発が認められたが,初回入院時と同一の化学免疫療法を試み,再び腫瘍の消失及び著明な退縮をみた. 本邦における過去5年問の本症の統計的観察を行ない,1)発生病理,2)発生頻度及び臨床像,3)組織像,4)電顕像,5)治療法について,自験例と比較,考察した.
  • 吉野 和廣, 松尾 聿朗, 安部 隆, 大城戸 宗男
    1980 年 90 巻 4 号 p. 359-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
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    癜風発症に関する生体側条件を知るため,14症例の患者と11名の健康者を選び,患者の病変部と非病変部および健康者の皮脂の定量的解析を行なった.その結果,患者の病変部は非病変部に比べ,平常皮脂の総脂質量,スクワレン量,遊離コレステロール量が有意に多かった.健康人と患者の非病変部との平常皮脂の総脂質量は変化なかった.また患者の病変部は非病変部に比べ,回復皮脂の総脂質量,スクワレン量が有意に多かった.即ち,患者の病変部での皮表には,皮脂腺由来の脂質の増量が認められた.
  • 平井 玲子
    1980 年 90 巻 4 号 p. 363-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
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    生後3日目の Sprague-Dawley 系ラット新生仔を用いて Freezing-Thawing 法,テトラフェニールボロン法,Bee-Wax-Rosin 法により予め抜毛後,NH4Cl法で表皮を剥離する方法及びNH4Cl 法の4方法を用いて表皮を剥離し,毛根毛嚢の付着した毛の根人について検討した.テトラフェニールボロン法では毛の混入は全くな,Freezing-Thawing 法でも毛の混入はみとめられなかった. Bee-Wax-Rosin 法で予め抜毛し NH4Cl 法で表皮を剥離した場合は極く少数の毛の混入がみとめられたが,更に撹拌を続けることによって混入した毛を除くことができた. NH4Cl 法のみでは多数の毛根毛嚢の付着した毛が混入した.
  • 1980 年 90 巻 4 号 p. 367-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
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