日本皮膚科学会雑誌
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68 巻 , 9 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 倉田 喜一郎
    1958 年 68 巻 9 号 p. 549-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    「同種植皮片は生着するか否か」,この問題は19世紀末より盛んに論議せられて来た.たしかに同種植皮に成功したという発表もあるが,本格的な実驗的研究においてはいづれも同種植皮片の生着は認められず,現在では,一卵性双生兒を除いては同種植皮片は生着しないというのが定説である.我國においては今までに相当数の同種植皮に関する発表がある.古くは,鈴木,亀谷,篠井の実驗的研究,戰後では,濱等の綜説,須﨑の研究がありいづれも同種植皮片は生着しないものと論じている.大森等は今次大戰直後,多くの廣範囲の火傷例に同種植皮を行い,かなり長期間の着床を認めたが,結局はいづれの皮片も脱落したので,その結果から本法は1種の生体繃帯法と考えてよいと述べている.同種植皮不成功の原因については種々の論議があるが,現在のところ抗原抗体反應説が有力である.Medawarは1943年第2次同種植皮現象を発見して,Acquired immunity hypothesisを唱え,近代的な同種植皮についての研究の端を開いた.以後,この問題は再び重視され,1953年,1954年には,International Conferencesで論議せられるに至つた.ここにおいて,著者は同種植皮不成功の原因を,抗原抗体反應説を中心として,近年進歩の著しい新しい檢査方法や,独自の考案になる檢査方法を驅使し,動物実驗を主としてこれを究明せんと試みたのである.
  • 植田 亮
    1958 年 68 巻 9 号 p. 578-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹ウイルスの培養に関する研究は,1944年Goodpusture等にはじまり,Weller等,Blank等は人体組織の組織培養において,帯状疱疹ウイルスを増殖させることに成功し,かつ帯状疱疹患者の恢復期血清との補体結合反應に陽性成績を得たと報じている.一方このウイルスの発育鷄卵内培養に関する報告は極めて少い.即ちCastro-Teixeria,金は夫々このウイルスは発育鷄卵の漿尿膜に特異的病変を起すと述べているが追試に成功されておらず,又Goodpusture and Andersonの本ウイルス感染人皮膚組織を発育鷄卵漿尿膜におく培養法を試み,一定の病変を作つたが,漿尿膜自体は感受性がなかつたと述べ,從つて帯状疱疹ウイルスの発育鷄卵内培養は未だ確立されていない状態である.さて我教室においては,辻本(1954)の報告によると,発育鷄卵内ウイルス増殖の判定法として,或るウイルスにおいて最初に接種したウイルスと一定時間後に接種する他のウイルスとの間に現われる干渉現象を利用し,後接種のウイルスの増殖如何を檢べることにより,最初に接種したウイルスの増殖如何を判定出来ること,即ちウイルス培養において干渉実驗による診断法が可能であることを認めた.例えば日本脳炎ウイルス,ポリオ・ウイルス,リフトバレー・フエバー・ウイルスの発育鷄卵内培養において,上記ウイルス接種後一定時間に各種の赤血球凝集性ウイルスを攻撃接種した場合,最初に接種され増殖したウイルスが攻撃ウイルスの増殖を抑制し,H.I. Test(赤血球凝集試驗)の凝集價が陰性か若しくは対照,即ち攻撃ウイルスである赤血球凝集性ウイルスのみを同時間に接種せしものより低い値となり,攻撃ウイルスの増殖発現時に,夫々の卵の漿尿液のH.I.Testを檢べることにより,最初に接種されたウイルスの増殖を間接的に判定出来ることを実驗確認した.今回私は帯状疱疹ウイルスの発育鷄卵内培養を行い,その増殖判定にこの干渉診断法が利用出来るか否か,又その時の條件を檢討するため実驗を試みた.
  • 鈴木 淑允
    1958 年 68 巻 9 号 p. 585-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    三浦及び楠はCandida albicansの耐熱性を檢して,病竃又は病的材料から分離した菌株は健康者糞便から分離した菌株に比して耐熱性が強いことを見出し,本菌の病原性判定法として用い得ることを主張した.然しその理由については何等触れるところがないので私はこのことの究明を企て,Friedmann and Henryが細菌の耐熱性は水分含量に関係すると記している報告を基き,三浦及び楠が実驗に供したC. albicansの菌株を用い,その水分含量の測定を試みた.以下にその実驗の結果を記したい.
  • 本多 龍雄
    1958 年 68 巻 9 号 p. 589-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    後天的色素脱失症たる尋常性白斑に対する治療法としては,内外の学者により,幾多の研究業績が発表されている.伊藤の分類によりその主要なものを次に列擧する.
  • 岡本 久
    1958 年 68 巻 9 号 p. 621-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    1942年Klemperer,Boehr and Pollackが病理解剖学的に結合織に起る廣範囲の病変特に細胞外成分の異常を特徴とする急性或は慢性の1群の疾患に対して「汎発性膠原病」と云う名稱のもとに一括したが,この概念はKlemperer等の以前に既ににRossle等によつて発表された類リウマチ性疾患群(rheumatishe Formenkreis),或はパテルギー性疾患群(pathergishe Krankheiten)の概念に近似しているものとされている.Klingeが既にリウマチ熱および類リウマチ性関節炎の特異な臓器および組織像は全身の結合織の汎発性病変であることを初めて紹介し,現在でも膠原病を全身の結合織の疾患(Systemic disease of the connective tissue)と簡單に表現している学者もある.現在このカテゴリーに屬する疾患として,リウマチ熱,関節リウマチ,全身性急性エリテマトーデス,汎発性鞏皮症,皮膚筋炎,ウエーバー・クリスチヤン氏病,結節性動脈周囲炎,血清病等が擧げられ,更に全身性類澱粉症,閉鎖性血栓性血管炎,惡性腎硬化症,亞急性細菌性心内膜炎もこれに屬するものではないかと云われている.Klempererが膠原病の概念を系統だてゝ以来,多数の研究者により形態学的,免疫学的,生化学的方面より膠原病の原因を発見すべくあらゆる努力が拂われているにもかゝわらず,なお膠原病の共通的な病因が発見されず,從つて根本的な治療法も発見されておらず依然謎の疾患として多数の患者が不治の病に苦しんでいる現状である.
  • 久木田 良子
    1958 年 68 巻 9 号 p. 651-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
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    尋常性痤瘡は膿皮症の1種として化膿菌に因るとされているが,又その他生体内外に存する幾多の因子がこれの発症に関與すると考えられている.斯かる因子として,病巣感染,内分泌平衡失調,新陳代謝障碍,ビタミン欠乏症,精神的因子,外用及び内容藥剤等を擧げることが出来るが,そのうち内分泌平衡失調には今日,特に大きな意味が與えられている.痤瘡は通例第2次性徴発現の前後,男女共12~15才に生じ,30才前後に自然に治癒するが,稀に男子新生兒,閉経期婦人に生ずる報告あり,蓋し新生兒期,閉経期は第2次性徴発現期とともに夫々内分泌腺機能の大きく変動する時期で,その際の内分泌平衡失調が痤瘡の1因をなすことが考えられる半面,痤瘡を見ることの少い幼少年期,中年期及老年期は内分泌の安定している時期と云える.内分泌のうちでは特にステロイド系性ホルモンの内分泌が痤瘡の発症に大きく関與することは次の諸知見から窺われる.即ち,宦官症,類宦官症には痤瘡を見ないのが通例であるが,これに男性ホルモンを投與すると発生する.又男性ホルモンが実驗的に表皮の発育,毛嚢口の角化を促進するとともに皮脂分泌を増加させることはそれが痤瘡の発症に意義を持つことを考えさせる.女性ホルモンのエストロゲン(Estrogen)或はプロゲステロン(Porgesteron)はこれを投與すると痤瘡の軽快することあり,逆にその増惡することあり,又は他の疾患に対してこれを投與して痤瘡の発生することがある.更に痤瘡患者には尿中にアンドロゲン(Androgen)又は17ケトステロイド(17-ketosteroid)の過剰に,エストロゲンの寡少に排泄される事実がある.又Lawrence and Werthessenは痤瘡女子患者では尿中排泄量のアンドロゲン/エストロゲンの比が健常者より大きいことを認め,Aron Brunetiereはプロゲステロンにも皮脂腺刺戟作用があることから(Lasher,Haskin),女子ではアンドロゲン+プロゲステロン/エストロゲンの比の大きいことが痤瘡の発生,増惡に原因的意義を持つと述べている.痤瘡の原因としては新陳代謝障碍,ビタミン欠乏症も亦考えられているが,性ホルモンとこれらとの関係としてエストロゲンは肝細胞内でその過剰部分が非活性化されるが,ビタミンB複合体が欠乏し,或は肝障碍が存するとこの非活性化が行われないか或は遲延する.然るにアンドロゲンの非活性化はかゝる状態に於ても行われ,これに依つてアンドロゲンエストロゲン比は大きく変化するといわれている.痤瘡の発症及び症状により直接的に関與するものが皮脂腺の分泌であることは言を俟たないが,毛嚢皮脂腺系は青少年期に比較的小さく,青春期,第2次性徴の発現と共に急速に発達し,生理的脂漏が増強する.その皮脂腺の機能及び容積が性ホルモン投與によつて左右されることは,組織学的に或は生化学的に証明されており,去勢が皮脂腺の萎縮を来し(Ebling,Lasher),その分泌を減少させることも知られている(Emanuel).エストロゲンは毛嚢表皮を刺戟して(Andrews),皮脂腺細胞を増殖させるが,長期のエストロゲン投與は逆に表皮の菲薄化,皮脂腺萎縮を結果すると,更にテストステロンは人,家兎,ラッテの皮脂腺を増大させると云われている.これに対してプロゲステロンには皮脂腺に直接影響せずとする説と,皮脂腺刺戟効果ありとする説とがある.
  • 1958 年 68 巻 9 号 p. 139e-
    発行日: 1958年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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