日本皮膚科学会雑誌
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83 巻, 5 号
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  • 相模 成一郎
    1973 年 83 巻 5 号 p. 205-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    In vitroでの基底細胞癌の増殖形態として,1)細胞相互の接着は密であり,2)重層をなし,3)細胞集団を形成して組織構築を行ないうる能力をもっているが,4)各細胞の極性は一定方向を示さず,5)線維芽細胞集団とは一線を画して混じ合わない.これに反し,有棘細胞癌の母組織から游出してくる細胞は,1)個々の細胞が孤立性に,自律性に増殖し,2)細胞集団を形成する傾向が少く,すなわち,組織構築能を欠除しており,3)線維芽細胞集団内へも侵入し細胞分裂を行ないうる.以上のように,in vitroでの両種の癌細胞の増殖形態には大きな相異を見出すが,これらの所見はそれぞれin vivoにおける両種の癌組織像と一致するものであり,また,これらの相異は両種の癌細胞のもつself-control mechanismによるものであると推論した.このself-control mechanismとしてのキャロン,レチン,cAMPを簡単に紹介し,本実験で得た成績を文献から考察し,今後の研究のアプローチについて論じた.
  • 長尾 貞紀
    1973 年 83 巻 5 号 p. 213-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    1.小児のZumbusch型膿疱性乾癬の膿疱を光学顕微鏡的並に電子顕微鏡学的に観察した.2.光顕的に,膿疱は海綿状膿疱で,その角質層ではabscessとparakeratosisが交互に4層をなしていた.3.電顕的に,海綿状膿疱において,海綿状をなす部分およびその周辺の表皮に浸潤した好中球は全て細胞間隙に存在していた.従ってpustule unicellulaireはみられなかった.4.一部の海綿状をなす部分においてkeratinocyteの細胞膜は肥厚していた.この膜は海綿状構造を比較的永く存続させるための重要な微細構造であることが考えられた.5.浸潤した好中球の多くには,その顆粒およびglycogen顆粒が,正常末梢血中の白血球よりも多く含まれていた.
  • 西山 芳夫
    1973 年 83 巻 5 号 p. 223-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
    情動の動きを他覚的に表現する一方法として皮膚毛細血管の動きが注目されている.しかし正常人にあっては種々の要因により影響されるので対照とはなしがたい.そこで精神分裂病者の精神荒廃状態にある“荒廃例”を基本とし,精神症状の落着いている“安定例”,精神症状の不安定な“動揺例”の各類型を対比しつつ,皮膚顕微鏡により左第4指爪廓部毛細血管を観察し,つぎの成績をえた.1)毛細血管計測値は,その病期を問わず正常人のそれの範囲内にあった.2)荒廃例は動揺例より推計学的にみて血管係蹄巾が広かった.3)毛細血管係蹄の形態はMullerの分類に従えば,情動の動きの多い類型ほど定型の占める比率が高かった.4)毛細血管係蹄の経時的変化は,荒廃例と動揺例ではともに51%に見られ,安定例では40%に見られた.5)毛細血管係蹄の動きは各個体によって規制されるもののごとく,各類型によってその動きを分つことはできなかった.以上より,情動の動きを毛細血管係蹄の動きから具体的に表現しうる可能性を求めた本研究の意図は達しえなかった.
  • 1973 年 83 巻 5 号 p. 229-
    発行日: 1973年
    公開日: 2014/08/26
    ジャーナル 認証あり
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