日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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133 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
委員会報告
新・皮膚科セミナリウム 診断力を磨こう~診断困難例の診断プロセスに学ぶ~
  • 沖山 奈緒子
    2023 年 133 巻 6 号 p. 1465-1470
    発行日: 2023/05/22
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル 認証あり

    膠原病は多彩な原因による多彩な症状を多臓器に生じる症候群であり,診断困難な疾患の代表である.皮膚科医は皮疹を診るという武器を持っているが,絵合わせにのみ頼ってしまうと落とし穴もある.まず膠原病症例に共通して見られ,レイノー現象など血管障害を主な原因とする非特異疹があり,膠原病か否かの選別に役立つ.そのうえで,例えば皮膚筋炎では,成人スチル病や組織球症を含めた血液疾患が鑑別疾患として挙げられる.さらに,一つの症例の中にもいくつもの疾患が混在していることもあり,たとえばシェーグレン症候群の血管障害では,クリオグロブリン血症性血管炎から深部静脈血栓症までが起こりうる.症例を例に挙げて解説する.

  • 山上 淳
    2023 年 133 巻 6 号 p. 1471-1477
    発行日: 2023/05/22
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル 認証あり

    自己免疫性水疱症の診断には,臨床症状・病理組織学的所見・免疫学的所見の3つの観点からしっかりと検討する必要がある.特に,直接蛍光抗体法で患者皮膚への自己抗体あるいは補体の沈着を確認することは,診断においてきわめて重要である.皮膚科医としては,患者の背景・局所の状態・治療歴などによって多彩な臨床症状を呈することを念頭に置き,正確に自己免疫性水疱症を診断できるように常に準備しておきたい.

原著
速報的小論文
  • 土屋 茉里絵, 安西 秀美
    2023 年 133 巻 6 号 p. 1505-1509
    発行日: 2023/05/22
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル 認証あり

    国内での感染が確認されたサル痘の症例を報告する.サル痘は2022年に多数の非流行国での急激な感染拡大が確認され,同年7月に本邦でも初の感染が報告された.2022年12月現在本例含め8例の報告があるが,海外渡航歴のない例もみられるようになり,今後本邦でも感染拡大が懸念される.本例は発熱後3日より皮疹が出現し,漿液性紅色丘疹と,紅暈を伴う黄白色の小膿疱,中心臍窩や点状びらんを伴う紅色丘疹,痂皮を掌蹠含む略全身に新旧混在して認め,膿疱と痂皮からサル痘ウイルスが検出された.皮疹は3週間で自然消退した.

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