日本皮膚科学会雑誌
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67 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小堀 辰治, 野波 英一郎, 立原 義夫, 伊東 乙正, 古田 敦彦
    1957 年 67 巻 5 号 p. 287-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
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    著者等は第1報に於てP32の特性,P32のβ線線量の計算法,治療術式を,更に第2報に於てP32外面照射による皮膚反応,血管腫の治療成績を報告した.今回はP32による色素性母斑及びその他表在性皮膚疾患の治療成績について述べる.
  • 黑崎 嘉文
    1957 年 67 巻 5 号 p. 295-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    1938年高松によりアルカリ性フォスファターゼ染色法が発表され次いでGomoriも別個に同様の研究を完成し組織化学に新たなる分野を開拓したが,以後多数の研究者がその染色法の追試及び改良に努めて来た.最近では全く異なれる手段によりアゾ色素法がManheimer & Seligmanにより提出されている.本酵素は所謂エステラーゼに含有されるもので燐酸モノエステルの加水分解反応に関与する酵素として知られ,生体内には比較的広範に分布し諸臓器内分布に就ての報告も多く且又至適pHの如何によりアルカリ性及び酸性の両フォスファターゼに組織化学上区別される.本酵素の皮膚科領域での究明は未だ僅少に過ぎぬし(Fisher & Glick,Pirila & Franko,Shelley & Mescon,Moretti & Mescon,Spier u. Martin),然かも概ね断片的の観察である.而して本酵素の生体内に於ける機能に関しては諸説が未だ確認せられるに至らぬが,皮膚に於てはRothmanがCalcium-Depositと関係ありとしMoogは細胞の成長並びにグリコーゲンとの関連性を挙げ,Gold & Gold)は膠原線維との問題を論述している.本染色法の創始者高松は広範な研究により細胞機能の亢進時のフォスファターゼの増加,ホルモン投与及び自律神経機能障害時又実験的ビタミン缺乏症乃至過剰症に於て変動を認めると発表している.余は健常及び病的皮膚組織に就て本酵素の分布状況を追究し,一方家兎を使用し実験的皮膚炎・創傷を惹起せしめた場合の本酵素の態度又人間胎生期に於ける本酵素の分布を胎児手掌背・足蹠背・躯幹背部・頭部の皮膚に就き検索を実施した.
  • 黑崎 嘉文
    1957 年 67 巻 5 号 p. 298-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    角化異常を示す各種皮膚疾患に就き第1報に掲げた染色方法に従いアルカリ性フォスファターゼ(ア-フと略記)・酸性フォスファターゼ(酸-フと略記)を検索した.供試材料:乾癬6例・皮角3例・青年性扁平疣贅2例・尋常性疣贅3例・尖圭コンヂローム3例・鶏眼3例・毛孔性紅色粃糠疹1例・疣贅様表皮発育異常症1例・ダリエー氏病2例・汗孔角化症2例・先天性掌蹠角化症1例・毛孔性苔癬1例・尋常性魚鱗癬5例・先天性魚鱗癬1例で計44症例である.更に角化現象の発生学的過程を窺う一法として胎児に就き角質層の最も厚き掌・蹠と対照的な手背・足背並に頭部・背部皮膚とのア-フ活性を検索した.胎児は2カ月9例・3カ月11例・4カ月7例・5カ月3例・6カ月3例計33例で人工妊娠中絶手術により得たものである.
  • 武者 功
    1957 年 67 巻 5 号 p. 304-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    欧州に於ては18世紀よりクロームを扱う労務者に中毒症状として種々の皮膚障碍殊に鼻中隔穿孔を来す潰瘍発生報告多く,近来はその発生病因究明の論文に屡々接する.本邦に於てもかゝる報告は2,3あり.殊にクローム潰瘍に関する日野の研究業蹟あるも諸外国に比し例少し,又マンガンは中枢神経毒として,褐石磨砕夫に於ける中毒患者発生報告あり.これが皮膚科領域に於ける作用としては銅,鉄等と同じくメラニン形成に参与すると言われている.余は此の2種の重金属をイオントフォレーゼ法により家兎皮膚内に作用せしめ,その変化を組織化学的に追及した.
  • 西村 長應, 安井 昌孝, 岡本 久, 柴田 幸雄
    1957 年 67 巻 5 号 p. 309-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    汎発性膠原病とは1942年Klemperer,Baehr,Pollack等が病理解剖学的に結合織に起る広範囲の病変特に細胞外成分の異常を特徴とする急性或は慢性の一群の疾患に対して与えた名称であつて,この概念に属する疾患としてリウマチ熱,類リウマチ性関節炎,血清病結節性動脈周囲炎,急性播種状エリテマトーデス,汎発性鞏皮症,皮膚筋炎,ウェーバー・クリスチャン氏病等が挙げられ,更に閉鎖性血栓性血管炎,悪性腎硬化症,亜急性細菌性心内膜炎もこれに属すると言われている.又ヘノッホ・シェインライン氏紫斑病,オスラー氏紅斑で皮膚病変と共に内臓にも著変を伴つたものも膠原病に属すべき可能性があると言われている.
  • 西村 長應, 橋爪 健二, 安井 昌孝, 的場 昭三, 川崎 晃彦, 岡本 久, 力津 昌幸
    1957 年 67 巻 5 号 p. 319-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    内臓癌が最近内外共に非常に増加の傾向があり,且つ皮膚癌が本邦に比して欧米では非常に多数であるに拘らず転移性皮膚癌は本邦は勿論のこと欧米においても依然として稀有な疾患とされている.我々は自験7症例についてその大要を記述すると共に,従来より種々興味ある症例が報告されているに拘らず統計的観察が見あたらない関係上最近10年間(昭和21年より昭和30年迄)に本邦に於て我々が蒐集し得た84例と自験例7例を合せた計91例について種々行つた統計的観察について記述したい.尚細網肉腫系腫瘍についてはその発生学上種々議論が存するので本統計から除外した.
  • 眞保 謙一
    1957 年 67 巻 5 号 p. 335-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    Klemperer等は全身の結合織が系統的におかされる一連の疾患を総括して膠原病と名ずけた.エリテマトーデス,皮膚筋炎,汎発性鞏皮症,結節性動脈周囲炎等の皮膚疾患もこの膠原病に属するものと考えられ,その病理組織学的に共通な所見として,皮膚のみならず全身の血管,心臓,腎臓等の膠原組織のフィブリノイド変性が認められる.これらの疾患は臨床的にも症状が類似し,所はこれらの疾患を2つ以上合併することもあると述べている.そのため以前よりこれらの疾患が全く別個の疾患であるか,又はその中間型が存在するかについて種々の説が唱えられたが,著者は最近エリテマトーデスとして発病し.しばしば再発を繰返し,末期に於て多形皮膚筋炎の症状を呈したと思われる剖検例を経験したので報告する.
  • 1957 年 67 巻 5 号 p. 343-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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