日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
84 巻, 9 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 中内 洋一
    1974 年 84 巻 9 号 p. 415-
    発行日: 1974年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    Bourneville-Pringle母斑症(結節性硬化症)は,特に稀有な疾患ではないが,多数の症例についての報告は割に少ない.著者は57例の症例につき,顔面皮疹,色素脱失症を中心に本症の症状につき,臨床的,組織学的に検討し,次の結果を得た.臨床面では,顔面皮疹の病変は各症例毎に個人差が強いが,一般的には20才前後まで発育する.15才以上の症例では,顔面皮疹の軽重と他の全身症状との間に或る程度までは比例関係があることが認められた.色素脱失斑は不完全色素脱失斑であり,56%に存在したが,この有無と他の全身症状との間に相関関係は認められなかった.3例に肺のHoney comb様線維化症がみられた.組織学的には,色素脱失斑を除く全皮疹に弾力線維を全く欠くか,非常に少ない結合織線維の集団がみられた.顔面では,血管の拡張,増殖,血管周囲の細胞増殖が著明で,腰部の結合織母斑では,線維化の傾向が強いが,両者間には種々の中間型,移行型があり,全体を1つの結合織系の異常増殖過程と考えた.色素脱失斑部では,真皮結合織の変化は少なく,表皮メラノサイトのDOPA反応性の低下が主な所見で,これが真皮結合織の異常に由来するかどうかの断定は困難であった.
  • 小栗 貴美子
    1974 年 84 巻 9 号 p. 435-
    発行日: 1974年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    エリテマトーデス(以下「エ」と略する)では,紫外線が増悪因子の一つであることはよく知られている.著者はこの事実を利用し,患者の背部無疹部に中波長紫外線の最少紅斑量(以下MEDと略する)の8倍量を照射し,その部真皮上層の小血管内皮にウイルス様粒子が出現することを経時的に観察した.照射1週間後において,急性エリテマトーデス(以下「急エ」と略する)では11例中10例(90%)に,慢性エリテマトーデス(以下「慢エ」と略する)では10例中7例(70%)に,ウイルス様粒子を見出した.「急エ」では48時間後において7例中2例(30%)にウイルス様粒子を認めた.患者の非照射無疹部皮膚(「急エ」6例,「慢エ」9例)には,ウイルス様粒子は全く認められなかった.したがって,ウイルス様粒子は,紫外線照射により一定の期間を経て出現してきたものと考えられる.この結果は,「エ」の発生病理でのウイルス様粒子の役割を考える上に,また無疹型「エ」の早期診断に大いに役立つものと思う.
  • 大川原 脩介
    1974 年 84 巻 9 号 p. 443-
    発行日: 1974年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
    佐藤らが試作した紫外部単色光発生装置を用い,本邦健常人男女74例の上背部皮膚につき単色光紫外線による最小紅斑量を測定した.すなわち,250nmから270nmまでは5nmごと,280から310nmまでは10nmごとに単色光紫外線を照射して,照射後8および24時間目に各波長別にMEDを求めた.その結果をいわゆる紅斑効果曲線で示すと,255nm附近をピークに,310nmに向って連続的に下降する曲線となり,その中間280nmから290nmではゆるやかなプラトウを呈し,Everettらが1965年に報告した成績とほぼ一致した.また,男女別,年令別,夏冬別にえた測定値を,それぞれ統計的に処理して比較検討したところ,有意差は認められなかった.波長320nmに対する健常人の紅斑反応は,sunburn領域の他の波長と異なり,きわめてバラツキが大きく,本邦健常人背部皮膚では,31例中11例に紅斑をみたにすぎなかった.
  • 1974 年 84 巻 9 号 p. 449-
    発行日: 1974年
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top