日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 9 号
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  • 宋 玉如, 宮澤 順子, 高森 建二
    1990 年 100 巻 9 号 p. 913-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    正常C3Hマウス(♂)の生長期毛球部組織抽出液(HBE)中に好中球及びリンパ球遊走因子が存在することをin vitroの系で証明した.好中球に対する遊走活性は100℃,10分間の加熱及びprotease処理によりほぼ失活したのに対し,リンパ球に対する遊走活性はこれらの処理に抵抗性を示した.一方,neuraminidase処理によってリンパ球に対する遊走因子の活性は約30%失われたが好中球に対する走化活性は安定性を示した.又両者とも56℃,30分間の加熱処理及び透析処理による遊走活性の低下は殆ど見られなかった.以上より生長期毛球部組織には各々好中球及びリンパ球に対する,少なくとも2種類の遊走活性物質が存在することが示唆された.
  • 今村 隆志, 高田 一郎, 冨永 和行, 山本 俊比古, 小笠原 万里枝, 麻上 千鳥
    1990 年 100 巻 9 号 p. 923-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    乾癬の遺伝的背景を明らかにする目的で乾癬患者32例(男性26例,女性6例)を対象として血清アポEを等電点電気泳動法により分析した.乾癬患者のアポE表現型では一般健常人に比べE3/2が高く,E3/3が低い傾向が認められた.乾癬患者の遺伝子頻度では一般健常人に比べε2が高く,ε3が低い傾向が認められた.アポE3/2およびε2の出現頻度が高い傾向は,初発時期別では高年初発例よりも若年初発例に,重症度別では軽・中等症群よりも重症群に,皮疹型別では局面型皮疹の限局型よりも滴状型と局面型皮疹の汎発型とにそれぞれ認められた.しかし以上いずれも有意差は認められなかった.以上より,アポE遺伝子のうち,ε2はとくに若年発症例や汎発する皮疹のの発症およびリポ蛋白代謝異常の遺伝的基盤として関与していることが示唆された.
  • 野口 俊彦, 向井 秀樹, 西岡 清, 西山 茂夫
    1990 年 100 巻 9 号 p. 929-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    成人型アトピー性皮膚炎の顔面に好発する酒■様皮膚炎における細菌の関与を検討するため,額,鼻腔および咽頭での細菌叢ならびにそれらの細菌の抗生物質感受性を検討した.酒■様皮膚炎を臨床的に,湿潤性病変を重症,浮腫性紅斑・苔癬化局面を中等症,および潮紅を軽症と大別すると,皮表に存在する細菌数も同様に重症度に比例して増加した.額と鼻腔より検出された菌種は,圧倒的にStaphylococcus群が多く,それぞれの部位から得た菌は抗生物質の感受性試験においても一致していた.一方,咽頭ではStaphylococcus群以外にHaemophilus parainfluenzaeの検出率が高く,額および鼻腔とは異なる細菌叢を示した.抗生物質による臨床効果は,湿潤性病変に対しては全例に有効であったが,浮腫性紅斑においては有効な症例と無効な症例とがみられた.一方,苔癬化局面は全例無効であったが,潮紅局面は僅かに有効な症例もみられた.以上の結果より,本病変における湿潤性病変や浮腫性紅斑において,細菌は少なくとも増悪因子のひとつとして病像に強く関与していることが考えられた.
  • 長尾 洋, 多田 譲治, 秋山 尚範, 金本 昭紀子, 近藤 厚敏, 荒田 次郎
    1990 年 100 巻 9 号 p. 935-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    47歳,女性,左後頭部に丘疹・結節・腫瘤が多発したangiolymphoid hyperplasia with eosinophilia(ALHE)の1例を報告した.組織学的,電顕的,免疫組織化学的検索を行い,いくつかの知見を得た.1)epithelioidと称される特異な内皮細胞を有する血管の増生と,管腔形成の明らかでない未熟な血管増殖を認めた.内皮細胞内にはしばしば空胞を認めた.電顕的には,内皮細胞は細胞内小器官を豊富に有していた.これらの所見から,ALHEでは血管の増殖(新生)機転が活発化していると考えられる.2)病変の深部にarterio-venous(A-V)shuntや,内膜肥厚と内弾性板の断裂を示す動脈病変が認められた.3)浸潤細胞には肥満細胞が混在したが,その分布は好酸球浸潤とは特別な位置関係になく,また,脱顆粒現象もほとんど認められなかった.ALHEでの好酸球浸潤には肥満細胞由来の好酸球遊走因子以外の因子が関与するのではないかと思われる.4)浸潤リンパ球に関しては,T,B両細胞が混在しており,T細胞についてもモノクロナリティーは証明されなかった.ALHEでのリンパ球浸潤は二次的,反応性の変化であると考えられる.なお,自験例では,所属リンパ接腫大,同リンパ節胚中心へのIgEの沈着,血清IgE高値など木村氏病を思わせる所見も見られたが,木村氏病と診断する根拠は認められなかった.ALHEの血管病変および細胞浸潤病変について文献的に考察した結果,A-V shunt,血栓,動脈病変(動脈炎)などが,その特徴ある病変の形成に関与すると考えられた.ALHEと木村氏病との異同に関しては,血管病変の点で明白な相違が認められることから,両者は鑑別すべき疾患であると考えた.
  • 橋本 喜夫, 松本 光博, 大熊 憲崇, 飯塚 一, 張 海龍, 池永 満生
    1990 年 100 巻 9 号 p. 947-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    知能低下,聴力障害などの神経症状が認められた色素性乾皮症(XP)の16歳男子例を報告した.線維芽細胞を用いた遺伝的相補性群の検討からは,本症患者はC群に属する可能性が示唆された.現在まで6個の基底細胞上皮腫(BCE)の発生が組織学的に確認されたが,cancer preventionの目的でetretinateを投与し4年間経過観察した結果,腫瘍の発生に対する本剤の抑制効果については評価困難であったものの,腫瘍の増大傾向が遅延するという印象が得られた.XPにおけるレチノイドの発癌予防についてその問題点と作用機序について文献的に考察した.
  • 坂本 泰子, 中山富 紀子, 村上 京子, 奥 知三, 滝川 雅浩, 山田 瑞穂
    1990 年 100 巻 9 号 p. 953-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    薬疹患者の皮疹出現時における末梢血リンパ球のDNA量を,フローサイトメトリーを用いて測定し,G0G1,S,G2+M期にあるそれぞれの細胞数の比率を求めた.健常人では,ほとんどのリンパ球がG0G1期にみられたのに対し,薬疹患者群ではS期のリンパ球が有意に増加していた.この結果より,薬疹患者では,生体内で薬剤刺激によるリンパ球幼若化反応を起こしている可能性が示唆された.薬疹患者と湿疹およびウイルス疹患者とではリンパ球幼若化率に差がみられた.本法による皮疹出現時におけるリンパ球の細胞動態の解析は,薬疹の診断方法の一助になりうる.
  • 池田 志斈, 小川 秀興
    1990 年 100 巻 9 号 p. 957-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    3例の家族性良性慢性天疱瘡(以下BFCP)患者の各々別の部位より採取した2個の病変部皮膚および3個の非病変部皮膚から小皮片を作製後,器官培養を行い,その形態学的変化について経時的に観察した.その結果病変部皮膚の培養系では,生検時,即ち培養前既に明瞭な棘融解性水疱が観察され,それらは経時的に増強された.そこで本症における棘融解の発生機序を明らかにし,またその形成を抑制し得る物質を検索する目的で,この系にbetamethasone,retinol acetateをあらかじめ添加培養し,棘融解に対する抑制効果を検討したところ,いずれの物質も抑制効果を示さなかった.一方,BFCP患者より採取した3個の非病変部皮膚を用いて同様に培養を試みたところ,培養前に棘融解性水疱はほぼ認められなかったが,培養開始後少なくとも72時間では明瞭な水疱が形成された.この系に上記薬剤を各々添加培養したところ,棘融解性水疱の形成は,betamethasoneの添加によりほぼ完全に抑制されたが,retinolの添加では抑制されなかった.これらの結果より,①強力なステロイド外用剤は本症の水疱形成を抑制しうること,また,②本実験モデルは本症の発症病理解明のみならず,新しい治療薬開発のためにも有用であることが示唆された.
  • 1990 年 100 巻 9 号 p. 961-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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