日本皮膚科学会雑誌
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105 巻 , 13 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 中川 重光, 上田 恵一
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1727-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    温熱療法および凍結療法は皮膚悪性腫瘍に対して集学的療法の一つとして行われている.今回,我々はC3H/Heマウスに自然発生した可移植性腫瘍を用いて局所温熱療法,凍結療法および温熱・凍結併用療法を行い,経時的に直後,6時間後,24時間後,48時間後に各々5群のC3H/Heマウスにおける腫瘍の組織学的および電子顕微鏡的検討,またBromodeoxyuridine(BrdU)による標識率の検討を行い,以下の結果を得た.温熱療法後の組織学的および電顕的所見は,腫瘍巣上層の細胞は全経過で変性像を示し,またBrdU標識率は対照より低値で,経時的な増加傾向は認められなかった.腫瘍巣下層部では核・細胞質ともにintactに保たれた腫瘍細胞が認められ,BrdU標識率は全経過で対照より低値であったが,経時的に増加した.凍結療法後の組織学的および電顕的所見は,腫瘍巣上層部の腫瘍細胞は全経過で変性像を示し,またBrdU標識は認められなかった.腫瘍巣下層部では核・細胞質ともにintactに保たれた腫瘍細胞が認められ,BrdU標識率は経時的に増加したが,温熱療法時より低値であった.温熱・凍結併用療法時の組織学的所見は,全経過で温熱または凍結単独療法時と比較して,腫瘍巣のより下層部まで細胞の変性像が示された.電顕的には,腫瘍細胞の核は低電子密度で無構造になり,細胞内小器官はまったく認められなかった.分裂期の細胞は細胞質に明確な小器官はまったく認められず,温熱または凍結単独療法時と比較してより高度の変性を示した.48時間の経過では,腫瘍巣の下層部まで同一な変性壊死像を示した.BrdU標識率では,48時間の経過で,腫瘍巣上層部は標識されず,下層部では経過と共に次第に増加した.本併用療法は凍結療法の所見と類似するが,標識率は全経過で凍結療法時より低値であった.以上の結果から,温熱,凍結併用療法時においては温熱または凍結単独療法よりも変化が均質でより深層まで作用することが認められ,臨床的に本法は表在性の皮膚腫瘍に対する治療法として用いられると考えられた.
  • 中山 樹一郎, 許 徳清, 小澤 明, 後藤 多佳子, 鳥巣 仁枝, 楊 玉蓮, 蕭 露露, 堀 嘉昭
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1743-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    九州大学医学部付属病院および中国廣州中山医科大学孫逸仙記念病院の皮膚科を受診した乾癬患者に同じ内容のアンケート調査を行い,患者の生活歴とくに発症前の食生活,紫外線の被曝についての回答を得た.また空腹時の血清コレステロールおよび中性脂肪を測定した.さらに両国の乾癬患者の遺伝的背景の差を検討する目的で,患者のHLAについて血清学的タイピングを行った.その結果,高脂血症を合併する患者は日本人の男性に著明に多く,中国ではむしろ正脂血の乾癬患者が多く見られた.その理由として,両国の患者群での年齢差,性差があり,中国の多くの調理には植物油が使用され,動物性油脂はほとんど使用されていないことが考えられた.動物性油脂の摂取と高脂血症の合併とで明らかな関連性が両国でみられた.また,両国の患者とも紫外線の被曝はすくなかった.日本人乾癬患者のHLA抗原解析では,A24,B52,Cw1の出現頻度が高かったが,Cw6は認められなかった.中国人乾癬患者のHLA抗原の解析では,HLA-A1,A3,Cw7,DR7が統計学的有意に出現,また,HLA-B13,B37,Cw3,Cw6,DQw1も高頻度に認められた.乾癬患者における高脂血症の合併とHLAとの相関性は両国で認められなかった.以上の結果から,乾癬の発症には日本人では高脂血症が中国人より大きな因子となっている可能性が考えられた.
  • 筒井 清広, 金原 拓郎, 花川 博義, 堀川 利之, 森田 礼時, 竹原 和彦
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1753-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    成人発症(20歳以上)のアナフィラクトイド紫斑(AP)26例および小児発症(20歳以下)のAP58例において,臨床症状,検査成績,臨床検査に関与する種々の因子の出現頻度を比較検討した.成人発症APでは,小児発症APと比べて,感冒様症状の先行(44%),腹部症状(30%),関節症状(42%)および1ヵ月以内の症状軽快(60%)の出現頻度が有意に低いけれども,血尿(58%)の出現頻度が有意に高い結果が得られた(p<0.05,χ2tesu).成人発症APの10例では,腎生検により紫斑性腎炎が認められた.以上の結果から,成人発症APでは腎障害が高頻度にみられること,成人発症APと小児発症APとは異なる疾患で,両者を分離して扱うのが良いと思われた.
  • 石井 則久, 杉田 泰之, 中嶋 弘, 尾崎 元昭
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1757-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    らい外来診療の現状を把握するためアンケート調査を実施した.回収111通中25施設で733名の外来診療を実施していた.診療形態は療養所内,らい患者専用の特殊診療所,大学病院,一般病院,らい療養所医師出張,一般診療所の6種であった.診断確定には臨床症状,スメア検査,病理組織所見等を総合的に検討して行っていた.診断名は,保険診療している施設ではらいの他に,保険病名[(非定型)抗酸菌症,結核・結核疹,神経炎,紅斑症,など]を記載している施設が多かった.治療はWHOの推奨する多剤併用療法(MDT)を中心とし,ニューキノロン剤なども用いられていた.薬剤の入手は患者負担の少ないような工夫がみられた.治療終了の判定はWHOのMDT基準や臨床症状,菌陰性化などを指標としていた.らい外来診療実施にあたっては,保険診療にするとともに,DDSなどの内服薬を保険薬として採用し,かつ長期内服薬なので安価にし,治療判定基準を明確にする必要がある.さらに医療関係者,一般市民,患者共にらいに対する偏見をなくし,普通の感染症としての対応をするように啓蒙することが大切である.
  • 奥田 長三郎, 伊藤 雅章, 加賀谷 けい子, 西川 朱實, 羽山 正義, 発地 雅夫
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1763-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    55歳男性.舌背が黄褐色でビロード状を呈する.組織学的に,糸状乳頭を含む角層の高度の肥厚がみられ,periodic acid Schiff染色で角層の細胞間に酵母形の真菌要素を認める.毛様物からの真菌培養でCandida glabrata,C. krusei,Saccharomyces cerevisiaeが,一般菌培養でα-StreptococcusとNeisseriaが分離された.酵素抗体法で,抗C. glabrata抗体と抗S. cerevisiae抗体によりそれぞれ陽性に染まる真菌要素が生検標本中に混在してみられた.細菌相はイソジンガーグルで消失したが,イソジンガーグル,各種抗真菌剤,尿素水による含嗽,歯ブラシによる摩擦はいずれも臨床像と真菌学的所見に対して無効であった.しかし,ルゴール液塗布により臨床的,真菌学的に速やかに治癒した.黒毛舌の本態である舌背の過角化の正常化は,ルゴール液による上皮角化機序への直接効果というよりは,その殺菌作用による酵母の死滅の結果である可能性が高い.すなわち,少なくとも自験例では真菌は二次的に増殖したものではなく,黒毛舌の発症の一因であったと考えられる.
  • 石和 万美子, 杉山 朝美, 佐々木 哲雄, 中嶋 弘, 松下 和彦
    1995 年 105 巻 13 号 p. 1769-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    78歳男性の左足背に生じた骨外性粘液型軟骨肉腫の1例を報告した.5年前より左足背に腫瘤が出現し徐々に増大.病理組織学的に腫瘍は多房性で豊富な粘液基質の中に腫瘍細胞が索状あるいは網状に配列していた.免疫組織化学的には間質線維成分は抗Ⅰ型,抗Ⅵ型コラーゲン抗体で陽性,抗Ⅱ型,抗XII型コラーゲン抗体でごく一部に弱陽性であった.プロテオグリカンについてはコンドロイチン4硫酸は腫瘍細胞の一部に,コンドロイチン6硫酸は腫瘍細胞のほとんどすべてに陽性であった.デルマタン硫酸は腫瘍細胞,間質とも陰性であった.電子顕微鏡所見では腫瘍細胞において拡張した粗面小胞体内に平行して配列する多数の微小管を認めた.腫瘍は全切除し,術後1年の現在まで再発,転移はみられていない.
  • 1995 年 105 巻 13 号 p. 1777-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
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