日本皮膚科学会雑誌
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116 巻 , 12 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
平成18年度(第36回)生涯教育シンポジウム
皮膚科セミナリウム 第20回 皮膚の幹細胞―最新の知見と再生医療への応用―
  • 大河内 仁志
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第20回 皮膚の幹細胞―最新の知見と再生医療への応用―
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1739-1744
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    表皮の幹細胞は毛包のバルジ領域(立毛筋付着部位)に存在することが示されて表皮の幹細胞システムはすべて解明されたかにみえたが,創傷時のみバルジ領域から細胞が供給されるという報告がなされ,バルジ領域以外の幹細胞の存在が再認識されている.表皮の幹細胞は小さい細胞でゆっくり分裂し,接着能力が高く,有害な物質を排出する能力も高いという性質を持つ.幹細胞の維持機構として周囲の微小環境が重要と考えられているが詳細は不明である.幹細胞の再生医療への応用としては付属器の誘導や遺伝子治療が考えられ,今後重要な役割を果たすと思われる.
  • 荒瀬 誠治
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第20回 皮膚の幹細胞―最新の知見と再生医療への応用―
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1745-1750
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
  • 大沢 匡毅
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第20回 皮膚の幹細胞―最新の知見と再生医療への応用―
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1751-1756
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    色素細胞は,表皮基底層や毛母基に存在し,メラニン色素を周囲の角化細胞に渡すことにより皮膚や毛髪に色をつける役割を果たしている.近年,これらの色素細胞の発生や分化を支える源の細胞として色素幹細胞が同定された.色素幹細胞の維持機構の変異は体色異常の表現型を呈すことから,遺伝生物学的手法によって幹細胞制御に関わる分子を容易に同定できるという利点がある.色素幹細胞の維持機構に関する研究成果は,幹細胞基礎研究の発展に寄与するだけではなく,シミや白髪,メラノーマなど,色素細胞の制御機構の変異によって生じるさまざまな病態の原因を解明する手がかりを提供すると共に,それらの新たな治療戦略を生み出す可能性を秘めている.
原著
  • 中村 妙子, 川上 佳夫, 尾山 徳孝, 竹之下 秀雄, 中村 晃一郎, 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1757-1763
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    Livedo reticularis with summer ulcerationと診断した4例につき,長期間の治療および臨床経過を観察し得た.観察期間は2~15年(平均9年)で,4例中3例は女性であった(36~56歳,平均46.8歳).全例とも下腿に網状皮斑が先行し,初夏の気温上昇に伴って潰瘍が増悪した.皮膚病理組織では真皮浅層から皮下脂肪織にかけての血管閉塞像を特徴とするものの,症例によっては必ずしも典型的な組織像は示さなかった.また長期経過中に通年性の難治性潰瘍への移行や,抗リン脂質抗体症候群を併発した症例も見られた.治療にはステロイド剤や消炎鎮痛剤は投与せず,個々の症例によって抗血小板凝集薬,抗凝固薬,末梢血管拡張薬を併用することにより,4例中2例は夏季の潰瘍形成を予防し得た.Livedo reticularis with summer ulcerationは膠原病や血管炎,感染症などの全身性疾患の一症状として存在する可能性があり,経過中にこれら原疾患の症状が現れることも少なくない.また重症例では潰瘍や疼痛の遷延化,さらに局所感染を合併する可能性もあるため,診断および治療には長期の経過観察が必要である.一方でその病勢は季節的な観点から予測可能であることも多く,潰瘍形成の予防をも念頭に置いた包括的な治療が患者のQOL維持につながると考えた.
  • 加藤 しおり, 亀井 恭子, 細川 知聡, 河崎 玲子, 安川 史子, 池尻 公二, 上原 智, 上杉 憲子, 中島 収, 城戸 真希子, ...
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1765-1770
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    右腋窩および左前胸部に発生した異所性乳癌の2例を経験した.いずれも他科にて皮膚原発腫瘍を疑われて,当科へ紹介された症例であった.皮膚病変からの生検により組織学的に乳癌と診断して外科的治療を実施した.皮膚科専門医は副乳を診る機会が多いことから,副乳を含めた異所性乳癌の臨床像を知ることにより早期診断および予後改善に貢献できると考えた.
  • 大塚 篤司, 高垣 謙二, 谷崎 英昭, 岡本 奈都子, 田原 研司
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1771-1775
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    日本紅斑熱の患者10例(1症例につき5~30の個疹)を対象とし,皮疹をダーモスコピーにて観察した.本疾患の紅斑からは,樹枝状の血管拡張(arborizing vessels),瀰漫性に広がる紅斑(erythema),出血点(purpura),ピンク色の小球(milky-red globules),白色ベール(whitish-veil)を確認した.Erythemaは全例,arborizing vesselsとmilky-red globulesは9例,purpuraは7例,whitish-veilは2例で観察できた.本疾患はミノサイクリンが有効である一方,ペニシリン系やβラクタム系が全く無効であり,日を追うごとに重症化する.そのため,早期診断,早期治療が重要である.ダーモスコピー所見を活用することは,本疾患の早期診断をより可能にするものと考える.
  • 北見 由季, 馬場 利容, 香川 三郎, 飯島 正文
    原稿種別: 原著
    2006 年 116 巻 12 号 p. 1777-1783
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    シンガポールより帰国した6歳男児のケルスス禿瘡を経験した.頭頂部と右側頭部に境界不明瞭な不完全脱毛巣を認めたが,病変内にblack dotはみられなかった.病毛の直接鏡検で毛内性大胞子菌性寄生を確認,原因菌は真菌学的検査所見およびDNA診断でTrichophyton(T)tonsuransと同定.治療はテルビナフィン1日62.5 mgの内服を開始し13週で治癒,再発はなかった.近年,格闘技選手間のT. tonsuransの集団感染が問題になっており,報告も多い.本邦のT. tonsuransによる頭部白癬およびケルスス禿瘡の報告例から,真菌学的特徴について検討した.
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