日本皮膚科学会雑誌
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96 巻 , 6 号
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  • 落合 豊子, 鈴木 啓之, 森岡 貞雄
    1986 年 96 巻 6 号 p. 585-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    60歳,男子の左手掌にみられたeccrine poroepitheliomaを電顕的,酵素組織化学および免疫組織化学的に検索した.電顕的には細胞質内管腔と微絨毛の形成,管腔周囲の澄明帯と発達したtonofibril,豊富な糸粒体とリボゾーム,multivesicular bodyの存在,わずかなデスモソームとよく発達した細胞質突起を認めた.これらはフォスフォリラーゼ活性,コハク酸脱水素酵素活性陽性等の酵素組織化学的所見やS-100蛋白陰性等の免疫組織化学的所見ともあわせて,本症が表皮内汗管由来の腫瘍であることを強く示唆する所見であると考えられた.また腫瘍細胞巣には光顕的に嚢腫状構造が認められた.これを電顕的に観察すると,腫瘍細胞全体が嚢腫状構造に向って管腔を形成していく分化過程を示しているものか,あるいは1つの変性過程であり,その結果,管腔様構造を形成したものか,2通りの可能性が考えられた.
  • 山路 和彦
    1986 年 96 巻 6 号 p. 595-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    乾癬患者の血清の,多核白血球に対するchemoattracting propertyに関して,いくつかの相反する実験成績が報告されている.しかし,掌蹠嚢疱症患者の血清のchemoattracting propertyについての報告はない.そこで,掌蹠嚢疱症,尋常性乾癬および乾癬性紅皮症の患者血清のchemoattracting propertyを,アガロースプレート法を用いて検討した.その結果,上記3疾患の患者血清は,対照とした健康成人血清に比して有意に高い多核白血球遊走活性を有していた.この活性は,病巣で作られた物質が末梢血中に流入することにより,もたらされると考えられた.
  • 斎田 俊明, 石井 晶子, 柴田 洋一
    1986 年 96 巻 6 号 p. 601-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    抗血小板抗体検出のために柴田らが考案した混合受身凝集法 mixed passive haemagglutination(MPHA法)を用い,悪性黒色腫(M)の細胞表面抗原-抗体系の検出を試みた.5系統のM培養細胞株(M-AS,SEKI,HMV-Ⅰ,HMV-Ⅱ,Endo)についてM患者10例,dysplastic nevus syndrome(DN)患者1例,汎発型の尋常性白斑ないしhalo nevus(V)患者7例の血清を用いて,IgG抗体の検索を実施した.その結果,M患者10例中,SEKI株に対し7例,HMV-Ⅰ株に対し6例,HMV-Ⅱ株とEndo株に対し各5例において各悪性黒色腫細胞に対する抗体が検出された.同様の抗体はV患者でも7例中,SEKI株とHMV-Ⅰ株に対し各3例に,HMV-Ⅱ株とEndo株に対し各2例において検出された.しかし,DN患者や対照健康人では,このような抗体は認められなかった.M患者においては,病期が早く,転移のないものにこの抗体の陽性率が高い傾向がみられた.また,抗ヒトIgG非標識ヒツジ血球を指示血球とするMPHAにおいても陽性反応を呈する血清が見出された.この後者の陽性反応はウシ血球により吸収された.このことからM細胞膜上にはPaul-Bunnellなどの異好性抗原の表現されている可能性が示唆された.
  • 新田 悠紀子, 神崎 正紀, 安江 隆
    1986 年 96 巻 6 号 p. 609-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    最近,皮膚形質細胞増多症の報告が多くなされている.しかしながら,これらはいずれも皮膚に汎発したものであり,単発性に多クローン性形質細胞浸潤を示した症例の報告はない.われわれは最近,皮膚形質細胞増多症の汎発型の症例と限局型と思われる症例を経験したので両者について比較検討を行った.汎発型症例:59歳男,約18年前より,顔面躯幹上肢に小指頭大,暗赤褐色斑が散在性に出現し,臨床検査にて多クローン性高γ-グロブリン血症が存在した.病理組織学的検査では,真皮に成熟した形質細胞からなる胞巣状の浸潤が認められた.表在リンパ節の腫大はなかった.骨髄像は正常.PAP法にて多クローン性の形質細胞増多症であることが証明された.限局型症例:67歳男.4年前より前額部に母指頭大の浸潤性紅斑があった.病理組織学的検査では,真皮に異型性のない成熟した形質細胞からなる胞巣状浸潤を認めた.PAP法にて,抗ヒトIgG抗体,抗ヒトIgχ鎖抗体,抗ヒトIgλ鎖抗体が共に染色された.以上より,多クローン性形質細胞浸潤と考えられた.なお,所属リンパ節の腫大はなく,骨髄像は正常であった.
  • 徳留 康子, 小幡 正明, 田上 八朗
    1986 年 96 巻 6 号 p. 617-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    角層を部分的にstrippingした後に新しく露出させた中層の角層の水分含有量の変化を観察した.また角層の表面に脱脂操作および脱脂後に水による抽出操作を行ない,その影響を健常部の角層およびstripping後の角層の両者において比較検討した.Strippingによって角層水分含有量,吸水能および水分保持能が高くなるが,この傾向は2日間位で消失した.脱脂操作を行うと,水分保持能低下が中層の角層よりも皮表の角層で早く現われ,早く消失した.また脱脂操作に水による抽出操作を加えると,角層水分含有量と水分保持能の低下がさらに著明にみられた.乾皮症におけるstrippingによる角層水分含有量の上昇は健常部でのそれより少なく,乾皮症病変部において機能の低下した角層の貯留のあることが示唆された.
  • 橋本 功, 帷子 康雄, 三崎 善比古, 安良岡 勇, U.W. Schnyder, I. Anton-Lamprecht
    1986 年 96 巻 6 号 p. 623-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    先天性表皮水疱症のうち,接合部水疱形成を示す接合部型表皮水疱症(萎縮型表皮水疱症)は6型に分けられるが,本邦ではこれまで重症汎発性萎縮型(Herlitz致死型)の報告に接するのみである.今回われわれは,軽症汎発性萎縮型(Disentis型)と思われる36歳男子例の詳細を報告した.自験例の臨床的,電顕的,遺伝学的所見は,従来の軽症汎発性萎縮型のそれとほとんど一致したが,角膜糜爛のみは従来の記載に無い特徴として注目された.本例は,軽症汎発性萎縮型としては本邦第1例,世界では10例目に相当すると考えられる.
  • 長野 博章, 影下 登志郎, 小野 友道
    1986 年 96 巻 6 号 p. 629-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    皮膚混合腫瘍の10例について免疫組織化学的および電顕的に検討を加えた.1.CEA;腫瘍巣のうち管腔形成部で管腔壁細胞および管腔内の物質が抗CEA抗体で陽性を呈した.2.ケラチン;抗ケラチン抗体で腫瘍細胞は陽性を示し,間質遊離細胞のなかにも陽性を呈するものが認められた.3.アクチンおよびS-100蛋白;腫瘍巣では不規則に陽性を呈し,腫瘍巣の辺縁や管腔の外側で強い傾向があり,間質にも強陽性を呈する細胞が見られた.4.電顕的に腫瘍細胞由来と考えられる間質遊離細胞が認められ,もはや基底膜産生は見られなかった.以上の所見から皮膚混合腫瘍は汗器官由来の腫瘍であり,腫瘍細胞は間質に離開し,間質の変化と密に関連していると考えた.またこれらの細胞の少なくとも一部は筋上皮細胞様細胞の可能性が高いことを示した.
  • 早川 道郎
    1986 年 96 巻 6 号 p. 637-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    モルモット皮膚の毛盤について形態計測的検討を行った.ハートレー系モルモットの腹部皮膚を用いて毛盤の日齢による変動を実体顕微鏡,光学顕微鏡及びToolmarkers microscopeで観察,計測報告した.毛盤数,区画面積はともに,日齢とともに増加するが,単位面積当たりの毛盤数の経日的変化は認められなかった.毛盤の形態は,生後15~20日までは,おおむね類円形を呈するが,生後25日~35日では毛の流れに沿って細長い楕円形となる.これは毛盤基底細胞の増加によると考えられる.この時期に毛盤表皮の厚さも最大値をとった.メルケル細胞の毛盤基底細胞に対する割合は生後15~50日まで一定である.以上より,モルモット腹部皮膚の毛盤形態形成は生後25日頃におおむね完了し,その時期の形態は刺激伝達に都合のよい構造を示していると思われた.
  • 堀内 早苗, 山口 浩司, 馬場 徹, 上野 賢一
    1986 年 96 巻 6 号 p. 643-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    皮膚筋炎と多発性筋炎はいずれも同一の範畴に属するもので,両者は皮膚症状の有無による表現の違いという考え方が一般的である.今回我々は,多変量解析法を用いて,臨床検査成績の面より両疾患が区別可能か否か検討した.対象は多発性筋炎14例,皮膚筋炎8例である.その結果CPK,GPT及びLDH値と血沈値,CPK値とIgG値とを組み合わせ判別関数を求めると正判別は77.7%より86.6%で両疾患は判別された.以上より両疾患の相違は必ずしも皮膚症状の有無のみでないことが示唆された.
  • 平岩 厚郎, 高井 和子, 岡村 菊夫, 安江 隆
    1986 年 96 巻 6 号 p. 647-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    亀頭部に臨床的にも,病理組織学的にも乳房外Paget病(以下ep病)に酷似した病変を生じた膀胱癌の経尿道的直接浸潤例を報告した.亀頭部にのみ皮疹が見られ,外尿道口部より病変が遠心性に周囲に拡大したこと,組織学的に膀胱癌部より経尿道的な連続的浸潤がみられ,膀胱癌部,尿道浸潤部,および亀頭部の腫瘍細胞が同一の形態的特徴を有し,かつ同一の特殊染色所見を示したことから,おそらく膀胱癌が経尿道的に陰茎亀頭部に浸潤,増殖したものと考えた.文献的に調べ得た限りでは,本邦において膀胱癌の転移により陰茎亀頭部にep病様病変を生じたとの報告はなく,本症例が本邦における第一例と考えた.
  • 1986 年 96 巻 6 号 p. 651-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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