日本皮膚科学会雑誌
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109 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 玉置 邦彦
    1999 年 109 巻 4 号 p. 597-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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  • 中村 稔, 大井 綱郎, 古賀 道之, 豊田 充康, 工藤 玄惠, 海老原 善郎
    1999 年 109 巻 4 号 p. 603-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    悪性黒色腫の診断には,HE染色組織標本による古典的形態学診断の他に,S-100蛋白,HMB-45など各種抗体を用いた免疫染色,核DNA定量測定法などがある.そのなかで今回,悪性黒色腫の細胞診標本を同時に作成し,image cytometryを利用して,細胞診標本と組織診標本をそれぞれ核DNA定量分析を行った.その比較対照として色素性母斑の検討を行った.その結果,両検体ともに悪性黒色腫ではaneuploid,色素性母斑ではdiploidを示し,細胞診標本を用いた核DNA定量は診断手段として有用であるとの結論を得た.細胞診標本は組織標本と比べ,細胞を簡単に選択でき,測定時間も短縮できる.さらに細胞個々の大きさ,N/C比,核クロマチン量・分布といった形態的特徴をより詳細かつ厳密に観察できるのも利点と思われた.
  • 矢口 厚, 米元 康蔵, 勝岡 憲生
    1999 年 109 巻 4 号 p. 611-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    著しいリンパ浮腫を来した乳房外パジェット癌3症例を呈示するとともに,乳房外パジェット癌の腫瘍細胞の特性について免疫組織化学的に検討した.症例1は84歳の男性で,陰嚢部乳房外パジェット病の切除術後2年で左下肢の浮腫と大腿部の潮紅が出現し当科を受診.症例2は68歳の男性で,当科初診の4年前より他院で原発巣不明の右鼠径リンパ節転移性腺癌の診断.1年前より陰嚢部の紅斑と右大腿部の持続性浮腫が出現.症例3は72歳の男性で,初診3年前より自覚していた右陰嚢部の発疹が徐々に腫瘤を形成.4ヵ月前より右下肢の浮腫が持続,3症例いずれも大腿部に著明な浮腫および潮紅を認め,組織学的にはバジェット細胞の集塊が真皮リンパ管内を侵襲する像をみた.全例とも治療には抵抗性で,2例は短期間で死の転帰をとった.当施設における乳房外パジェット病9例,パジェット癌5例,乳房パジェット病2例の計16例,21検体を用いて,腫瘍細胞の免疫組織化学的特徴と臨床的な悪性度との相関について検討した.CA 15-3はすべての病型で腫瘍細胞だけが特異的に染色された.E-cadherinとCD9の発現傾向は類似しており,乳房外パジェット病ではほぼ全例が弱陽性あるいは陽性となるのに対し,パジェット癌と乳房パジェット病では,リンパ管内侵襲した腫瘍細胞を除けばほぼ全例が陰性であった.一方これに反して,C-erbB2ではパジェッ卜癌と乳房パジェット病で全例陽性となるのに対し,乳房外パジェット病における腫瘍細胞の陽性率は低下する.つまり乳房外パジェット病に比べ,臨床的に悪性度が高いと考えられるパジェット癌および乳房パジェット病の腫瘍細胞は、E-cadherinとCD9は陰性化し,遂にC-erbB2は陽性像を示す.病変組織におけるこれら抗体の免疫組織化学的検討が,乳房外パジェット病の臨床的・組織学的悪性度や予後判定に有用となり得ることが示唆された.
  • 伊藤 嘉恭, 石橋 明, 赤木 淳, 渡邉 泰弘, 辺田 哲郎
    1999 年 109 巻 4 号 p. 619-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    顔面の日光角化症10例,29病変に対しJessner液による前処置施行後の35%trichloroacetic acid,88%phenol,およびBaker-Gordon法によるchemical peelingをおこなった.病変部の角質をできるだけ除去したのち,薬液を浸した綿棒で局所が白色になるまで押し当てた.35%trichloroacetic acidでは11病変中9病変,88%phenolでは22病変中18病変,Baker-Gordon法では2病変中2病変が,臨床的に消失した.初回の施術で効果が不十分であった病変は施術の追加により消失をみた.術後4病変部に色素沈着を認めたが,2ヵ所は3ヵ月後に消失した.残りの1ヵ所は術後10ヵ月で消失し,さらに1ヵ所は施術後3ヵ月のもので経過観察中である.本法は多発性日光角化症に対し有用性が高いと考えられた.
  • 高橋 千歳, 大西 誉光, 渡辺 晋一
    1999 年 109 巻 4 号 p. 627-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    症例1:54歳男.約10年前より右足関節外異の皮疹が徐々に増大し,30×25×5mmの広基性の表面平滑で一部糜爛を伴う腫瘤となった.症例2:46歳男.約5年前よりの左下腿の結節が最近数ヵ月で急速に増大し,38×48×8mmの広基有茎性の表面細顆粒状,易出血性の赤褐色腫瘤となった.症例3:76歳女.3年前に左腓骨骨折,2ヵ月後のギプス除去時,同部の結節に気付くも放置.42×29×6mm大の広基有茎性で,糜爛を伴う易出血性紅色腫瘤となった.症例4:63歳男.約8年前よりの右下腿の結節が2年前より急速に増大し,35×38×7mmの広基有茎性で,潰瘍を伴う易出血性紅色腫瘤となった.4症例とも全身検索にて転移は認められなかった.組織はいずれも腫瘍は表皮と連続して真皮内に島嶼状または索状に増殖し,一部に管腔構造を認めた.腫瘍細胞は小型で好酸性の胞体を持つporoma様細胞で,異型性を認めた.症例1,2ではその他に胞体の豊富な澄明細胞の増殖を認めた.以上4例の腫瘍細胞の分化の方向を探る目的で各種抗ケラチン抗体にて免疫組織化学染色を行ったところ,RCK102とMNF116抗体染色が陽性を示すなどeccrine poromaと同様な染色態度を示し,腫瘍細胞の多くは真皮内汗管の基底細胞へ分化しているものと考えられた.
  • 駒井 礼子, 西岡 昭二, 名嘉眞 武国, 森 理, Grant J. Anhalt, 林田 繁, 松本 久美, 大園 洋邦, 橋本 隆
    1999 年 109 巻 4 号 p. 635-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    39歳,男性.非ホジキン性悪性リンパ腫に対してインターフェロン-αおよびTNF-αを用いて加療中に,paraneoplastic pemphigus(以下PNPと略す)を発症した.血漿交換療法およびプレドニゾロン内服の併用により皮膚・粘膜症状は徐々に軽快したが,その後呼吸困難が出現しP02が低下した.胸部X線,胸部CTスキャン像では著明な変化はなく,気管支鏡下の生検で気管支のいわゆる偽重層上皮の基底細胞上部に棘融解様の所見が認められた.また蛍光抗体直接法にて肺胞上皮細胞表面にIgGの沈着を認めたことから,PNPの呼吸器病変の可能性が考えられた.本邦におけるPNPの報告は未だ少なく,自験側は呼吸器病変を呈するPNPとして本邦第1例目と思われる.
  • 川口 雅一, 安孫子 孝宏, 小関 伸, 三橋 善比古, 近藤 慈夫, 小川 俊一
    1999 年 109 巻 4 号 p. 641-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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    インターフェロンβによりサルコイドーシスが再燃したと思われる1例を経験した.症例は60歳,女性.初診の5年前に両上腕,臀部に皮下腫瘤が出現し,組織学的にサルコイドーシスが考えられたが,皮膚以外の症状や所見がなく確定診断にはいたらなかった.初診の4ヵ月前から,C型慢性肝炎のためインターフェロンβの投与を行ったところ,投与開始2ヵ月後より,5年前と同じ部位および手術痕などに皮下腫瘤が出現した.定型的な生検組織所見,CT上BHL陽性,血中ACEおよびリゾチーム上昇,ツ反陰性などからサルコイドーシスと診断した.インターフェロンの投与は既に終了しており,また皮膚以外に侵襲性のある症状がないため経過観察していたところ,インターフェロン療法終了後3ヵ月で皮下腫瘤はほとんどふれなくなった.近年,主として内科領域から,インターフェロン療法後にサルコイドーシスが出現あるいは増悪したとの報告があり注目されている.インターフェロン療法中にはサルコイドーシスの合併に注意しながら投与する必要があると考えられた.
  • 1999 年 109 巻 4 号 p. 645-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
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