日本皮膚科学会雑誌
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120 巻 , 1 号
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皮膚科セミナリウム 第56回 皮膚の細菌感染症
原著
  • 石塚 洋典, 中村 泰大, 大塚 藤男
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2010/01/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    虚血性疾患で抗血小板薬内服による抗血栓療法を施行されている患者に対して皮膚科小手術を行う場合,術中術後出血を回避するために抗血小板薬を中止することが多いが,一方で中止により虚血性疾患発症の危険性が高くなる.一般に皮膚科小手術のほとんどは出血が少ないため,抗血小板内服下で手術しても圧迫止血で対応可能な場合が多い.そこで今回抗血小板薬内服下に小手術を施行した22例の術中術後出血について検討した.1例のみ術後血腫を生じたが,再手術を必要とせず自然治癒した.皮膚科小手術は重篤な術中術後出血の危険性が低いため,原則として虚血性疾患発症予防を重視して抗血小板薬内服下で手術しても支障がないと考える.
  • 福本 大輔, 安齋 眞一, 久保 宜明, 広瀬 憲志, 松立 吉弘, 浦野 芳夫, 荒瀬 誠治
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2010/01/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    過去10年間に徳島大学皮膚科およびその関連施設において薬剤性過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome:以下DIHS)と診断した症例のうち病理組織標本の再検討ができた22症例について,その臨床病理学的データを検討した.22例の内訳は,男性17例,女性5例,初診時年齢は,17歳~87歳で,平均58.2±20.3歳であった.原因薬剤としては,カルバマゼピン12例,ゾニサミド6例,フェノバルビタール,メキシレチン,アロプリノール,サラゾスルファピリジンが各1例ずつであった.原因薬剤内服後発症までの期間は平均5.18±1.8週で,発症後生検までの時期は平均13.2±19.0日であった.病理組織像をI型(角化細胞の壊死がなく,表皮内の海綿状浮腫あるいは表皮基底層の空胞変性を伴うもの),II型(角化細胞の壊死があり,苔癬型組織反応を伴わないもの),III型(角化細胞の壊死があり,苔癬型組織反応を伴うもの)の3つに分類した.II型10例(46%),III型4例(18%),I型8例(36%)であった.3群間で初診時年齢,原因薬剤内服後から発症後生検までの期間について比較検討したが,統計学的に有意差があったのは,I型とII型の間の初診時年齢のみであった.それ以外の項目では,統計学的に有意差は確認できなかった.DIHSでは通常型の薬疹に比べ,表皮角化細胞の壊死を伴う率が高かったが,DIHSにのみ見られる特異的な病理組織学的所見やDIHSの症例すべてに共通してみられる所見は確認できなかった.以上のことから,病理組織像のみからDIHSの診断や,DIHSとそれ以外の薬疹あるいはウイルス性発疹症を鑑別することはできないと考えた.病理病型としては,III型が最重症であり,ついでII型が重症である可能性が示唆された.
  • 原田 和俊, 佐野 信也, 安藤 典子, 川村 龍吉, 柴垣 直孝, 高橋 省三, 島田 眞路
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2010/01/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    Nephrogenic systemic fibrosisの1例を報告する.患者は腎不全により血液透析中であった.聴神経腫瘍の経過観察及び下肢の血流障害の精査目的で造影MRI施行後,四肢の硬化と関節拘縮が出現した.血液検査上,抗核抗体は陰性,IgGの上昇もなく,病理組織学的に真皮下層から線維化が認められ,Nephrogenic systemic fibrosisと診断した.PUVA療法を行うも四肢の硬化と関節拘縮は軽度の改善にとどまっている.本疾患は2000年にCowperらの報告以来,欧米で多数の症例報告がなされており,腎疾患患者へのガドリニウム投与が原因であることも解明されている.しかし,本邦においては報告例が少なく,放射線科医のあいだでは認識されつつあるものの,皮膚科領域からの報告はほとんど見られないのが現状である.われわれ皮膚科医も本疾患の原因,臨床像について熟知し,透析患者へのガドリニウム投与の危険性を認識すべきと考える.
  • 大谷 道輝, 松元 美香, 山村 喜一, 杉浦 宗敏, 内野 克喜, 江藤 隆史
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2010/01/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    皮膚外用剤からの皮膚への透過は基剤や剤形および皮膚の状態により変化する.そこで,これらの関係を調べるために,ヘアレスラットの皮膚を用いて検討した.実験には脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素を用いた.その結果,脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素いずれも正常皮膚では乳剤性基剤のクリームが油脂性基剤の軟膏と乳剤性懸濁液のローションよりも透過が優れていた.これに対し,角層剝離皮膚では脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素いずれも全ての製剤で透過が増加し,増加比はローションが最も大きいことが明らかとなった.
  • 内 小保理, 内 博史, 小河 祥子, 權藤 知聡, 師井 洋一, 古江 増隆, 樗木 晶子
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 1 号 p. 45-54
    発行日: 2010/01/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    九州大学病院皮膚科を2007年1月から2008年12月に初診した2,643名のなかで,湿疹皮膚炎群の患者は28%(740名),そのうちアトピー性皮膚炎患者は8%(224名)であった.Skindex-16とDermatology Life Quality Index(DLQI)を用いたQOLの検討では,湿疹皮膚炎群患者のQOLは他疾患群患者に比べ有意に低下していたが,そのなかでもアトピー性皮膚炎患者のQOLはさらに有意に低下していた.全患者では,Skindex-16の総合,感情,DLQIの総合,症状感情,日常活動スコアで女性のQOLが男性よりも低下していたが,アトピー性皮膚炎患者においては男性が有意に高かったDLQIの治療スコアを除いて,男女間に差はみられなかった.年代別に比較すると,全患者では年代が低いほどQOLが障害されている傾向があったが,アトピー性皮膚炎患者ではその傾向がみられなかった.
学会抄録
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