日本皮膚科学会雑誌
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114 巻 , 2 号
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生涯教育講座
  • 古江 増隆, 古川 福実, 秀 道広, 竹原 和彦
    原稿種別: 生涯教育講座
    2004 年 114 巻 2 号 p. 135-142
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
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    Recently in Japan, misunderstandings about the pathogenesis of atopic dermatitis (AD) and the strategies for the treatment of this disease, especially about the use of topical steroid, have led to a rapid increase of severe cases of AD caused by inadequate treatment. This prompted us to establish and distribute standard guidelines for AD therapy. In this guideline, the necessity of dermatological training to examine severe cases of AD is emphasized. It is stated that the present standard therapies for AD consist of the use of topical steroid and tacrolimus ointment for inflammation and emollient for dry and barrier-disrupted skin as the first line of attack, anti-histamines and anti-allergic drugs for pruritus, avoidance of apparent exacerbating factors, psychological counseling, and advice about daily life. Tacrolimus ointment was used initially only for adult patients and recently low density ointment is available for 2-15year old patients. The importance of correct selection of topical steroid according to the severity of the lesion is emphasized.
  • 川内 康弘
    原稿種別: 生涯教育講座
    2004 年 114 巻 2 号 p. 143-152
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    表皮は幹細胞を有し,ターンオーバーを行っている上皮であり,その増殖と分化は細胞外からの様々なシグナルによって微妙なバランスの上で制御されていると考えられている.そのシグナル伝達の最終段階が転写因子による遺伝子の転写調節である.本稿では,これまでに明らかとなっている表皮角化細胞の分化に関連する主要な転写因子(AP-1,AP-2,Sp1/3,POU因子,NF-κB等)についてレビューし,転写因子からみた角化細胞の分化制御について概説する.
原著
  • 木下 美由紀, 鈴木 啓之
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 153-161
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚潰瘍に対する直線偏光近赤外線照射療法の有用性について,動物実験ならびに臨床研究を施行した.動物実験では,照射開始後5日~10日目には潰瘍面は縮小し,組織学的に血管新生や細胞増殖が認められた.本法は皮膚血流量を増加し,血管新生と細胞増殖を促進することから皮膚潰瘍の治療に有効であると考えた.臨床研究において,皮膚潰瘍の原因疾患により本治療法の有効性に差が生じた.糖尿病性潰瘍,褥瘡,熱傷潰瘍では効果が認められたのに対し,うっ滞性皮膚炎,静脈瘤性症候群による皮膚潰瘍では充分な治療効果は認められなかった.その理由として,今回の我々の方法では,微細な血管の血流改善や血管新生に対しては有効であったが,深部血管に対しては血行障害を改善する作用が不充分であったためと推測した.しかしながら本法は原因疾患によっては皮膚潰瘍の新しい治療法として有用であると考えた.
  • 溝口 協子, 濱崎 洋一郎, 片山 一朗, 井川 掌
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 163-167
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    73歳,男性.前立腺癌の治療のため,2000年8月より酢酸リュープロレリンの1カ月に1回の皮下投与開始.2002年11月より酢酸リュープロレリンの3カ月に1回製剤へ変更後,注射部位に,紅斑を伴う貨幣大の硬結を形成した.さらに,3カ月後の皮下投与後,同日より手掌大の紅斑を伴う貨幣大の硬結を形成し,次第に中央部が潰瘍化した.皮膚生検および臨床像より,酢酸リュープロレリンによる肉芽腫病変と診断した.酢酸リュープロレリンとその基材,酢酸ゴセレリンの皮内テストにて主剤に肉芽腫反応を認めた.酢酸リュープロレリンそのものによる反応である事が示唆された.
  • 前田 元朗, 江木 素子, 古谷 喜義
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 169-172
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    6歳,女児.冬期に左第3指に軽度の発赤,紡錘状の腫脹出現し,単純X線像にて左第3指中節骨に骨病変を認めた.臨床像,X線所見より自験例をMicrogeodic diseaseと診断し経過観察とした.初診約5カ月後,左第3指中節骨にごく軽度の短縮と横径の増大を残したが,機能障害は認めていない.本疾患は一般に自然寛解するため,治療を要しないとされていたが,病的骨折や遺残変形などの合併症の報告もあり注意を要する.
  • 倉片 長門, 鈴木 啓之
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 173-178
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    1)陥入爪の成因についての検討 陥入爪は,側爪郭の組織を接地面より押し上げ,爪甲が側爪郭の組織に陥入することにより発生する.特に第1趾に好発する陥入爪は,第1趾への圧負荷の増大が大きな発症因子である.第1趾の圧負荷増大は,足の機能異常と足の変形,疾患に依る.陥入爪患者にみられた足の機能異常は,足関節と第1中足趾節関節(Metacarpophalangeal joint,以下第1 MTP関節)背屈角の低下である.足関節背屈角の低下は歩行時に足底における体重移動の中心を,第1趾方向へ偏位させる.第1 MTP関節背屈角の低下は,離床時に第1趾への圧負荷の増大を来す.足の変形をもたらす疾患は開張足,踵骨外反,外反母趾,脚長差などである.開張足,踵骨外反,外反母趾は第1趾の外旋をきたし,第1 MTP関節背屈角が低下する.脚長差は短脚側の足底の圧負荷の増大を来す.2)VHO法の効果についての検討 陥入爪の非観血的な治療法のひとつであるVHO法(Virtuose Human Orthonyxie.以下本法)1)2)を本症61例に施行した.男11例,女50例で,年齢は13歳から76歳(平均年齢41.1歳)である.その結果,本法施行後の経過が明らかな54例のうち38例(70.3%)で早期に疼痛が消失した.一方で6例は後に手術療法が必要となった.本法は本症に対する浸襲の少ない非観血的な治療法であり,特に軽症例に有効であることがわかった.
  • 安齋 眞一, 木村 鉄宣, 倉園 普子, 井上 多恵, 真鍋 求
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 179-185
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    follicular germinative cell類似細胞の増殖を特徴とする皮膚腫瘍68症例を,Ackermanの診断基準に従って毛芽腫と基底細胞癌の2群に大別した.それぞれの群について,腫瘍の対称性,fibroepithelial unit(FEU)形成(腫瘍細胞巣と間質の間に裂隙がある場合FEUを形成していないとする),潰瘍形成,塊状壊死,角質囊腫,毛球・毛乳頭への分化,核分裂像の有無などを組織学的に検討した.その結果,毛球・毛乳頭への分化は毛芽腫でのみ見られたが,毛芽腫全例に見られたわけではなかった.一方,FEUの有無は特異性・敏感度とも最も高い所見であった.つまり,毛芽腫は全例でFEUの形成がみられ,反対に,基底細胞癌では全例でFEUの形成が観察されなかった.この所見は,FEU形成の有無を観察することにより,毛芽腫と基底細胞癌を容易に鑑別できることを示唆している.
  • 山本 忠正, 敷地 孝法, 滝脇 弘嗣, 荒瀬 誠治, 近藤 昭男, 藤澤 明彦
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 2004/02/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科領域では報告のない,全身の蕁麻疹を伴った線維素性唾液管炎の1例を報告した.症例:72歳,女性.食事に伴って生じる耳下腺部の腫脹と蕁麻疹をくり返し,ときにアナフィラキシー様症状も出現していた.食餌性アレルギーを疑って精査したが異常はみられず,耳下腺造影で導管の拡張と導管からの線維素塊の排出がみられ線維素性唾液管炎と診断した.唾液中に多数の好酸球がみられたことから何らかのアレルギーによる機序が推測されるが発症機序は不明である.食事中から食直後に耳下腺腫脹を伴う蕁麻疹を生じた場合は線維素性唾液管炎も鑑別に入れる必要があると思われた.本邦では1975年の報告以来自験例を含めて26例の報告があり,自験例は皮膚科領域では最初の報告である.
学会抄録
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