日本皮膚科学会雑誌
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88 巻 , 7 号
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  • 栗原 誠一
    1978 年 88 巻 7 号 p. 435-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    蛍光抗体法を応用して水庖性類天疱瘡15例,天庖厨25例について In-vivo の補体沈着 In-vitro における各自己抗体(抗基底膜抗体,抗表皮細胞間抗体)の補体結合性について検討した.類天疱瘡患者血清中には殆んどの例で補体結合性抗体が存在したが,その抗体価は通常の類天瘡抗体価に比して低値であった.蛍光抗体直接法で病変部の皮膚基底膜部補体 C3 沈着が被検全例に著明に認められたが,血中補体価は必ずしも低値を示さなかった.また補体結合性類天疱瘡抗体価の推移と病状の間に相関はみられなかった.これに対し天疱瘡患者血清中には補体結合性抗体は25例中3例に見い出され,その抗体価は天疱瘡抗体価よりも低値を示した.天疱瘡患者病変皮膚の蛍光抗体直接法では,表皮細胞間に Acantholysis を中心とした補体 C3 の沈着が全例に認められたが,血中補体価は類天疱瘡と同様に,低値を示すとは限らなかった.経時的観察をすると補体結合性天疱瘡抗体の出現は,病極期に認められ早期に陰性化した.以上の結果からこれら2疾患では血中補体価の低下は必ずしも見られないが,直接法の所見,補体結合性抗体の存在することにより両疾患に共通する病変である水疱形成には補体系の積極的な関与が示唆された.しかしながら類天疱瘡の補体結合性抗体価の推移が不定であるのに比し補体結合性天疱瘡抗体の推移は通常の天疱瘡抗体と似た傾向を示し,両疾患では補体結合性抗体の水疱発現にかかおる態度に差異のありうることが示唆された.更に補体結合性類天疱瘡抗体を通常の類天疱瘡抗体とともに経時的に観察すると,妊娠性疱疹にみられる“HG因子”と類似の現象が見られ,類天疱瘡と妊娠性疱疹の関係を理解する上で興味深い知見と思われた.
  • 岡部 俊一
    1978 年 88 巻 7 号 p. 443-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    NBT (nitroblue tetrazolium) 試験は,好中球機能の間接的検査法として,慢性肉芽腫症の診断や細菌感染の有無の鑑別などに有用な手段とされ,臨床的応用範囲が拡大されて来たが,その手技には改良の余地があり,その本態に関しては未解決の部分が多い.著者は,今回 Park 法に準じて採取した静脈血より分離せる白血球層を用いて,種々の皮膚疾患について,NBT 試験を行うとともに,術式や試薬に関する諸種の条件,本反応に影響を及ぼす各種の因子,各種臨床検査成績との関連について検討を行った. NBT 陽性率は,溶媒の種類,溶媒の pH, NBT 溶液の保存方法によって影響をうけ,又好中球浮遊液において自己血漿無添加群は添加群に比べ著明な NBT 陽性反応抑制がみられた.健常人対照20例の NBT 陽性率は 11.1±7.0% で,これに対して有意の上昇を示した皮膚疾患は,ベーチェット病,各種膿皮症,帯状庖疹,皮膚癌, SLE, 慢性天庖盾,菌状息肉症で,疾患の経過と NB T陽性率はほぼ平行し,症状増悪ないし熱発時には NBT 陽性率の上昇をみ,好中球百分率,好中球絶対数,赤沈値及び血清 CRP は NBT 試験との間に有意の正の相関を示したことは,本試験は炎症と関連する非特異的検査法の一つと思われる. NBT 試験の本態は不明な点が多いがビタミンC添加実験より NBT 陽性反応に抑制的に働く因子の一つとしてビタミンCなどの抗酸化物質の血漿内存在が注目され,またラット背部皮内への NBT 溶液注射部位の組織学的検索及び好中球内 LDH 陽性率との比較より従来言われてきた G-6-PD との関連の他に LDHI をも考慮する必要があると思われる.
  • 大嶋 恵子, 水野 信行
    1978 年 88 巻 7 号 p. 459-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    1. 原因不明の慢性募麻疹患者に,アスピリンおよび人工着色料の内服を行ない,募麻疹の誘発または増悪が見られるかどうかを観察した.その結果では,アスピリン202例中40例(20%),タルトラジン(黄4号)125例中17例(14%),赤3号および黄5号の混合群97例中12例(12%),青1号,青3号,および赤102号の混合群83例中12例(14%),赤104号,赤105号,および赤106号の混合群72例中7例(10%),乳糖49例中3例(6%)が陽性であった. 2. 内服テストで陽性の患者に,除去テストおよび食餌テストを試みた.サリチル酸誘導体を含む食物の除去テストでは,40例中20例(50%)に募麻疹の軽快が見られた.また,ジャガイモの食餌テストでは,7例中6例に葺麻疹の増悪が見られた. 3.サリチル酸およびタルトラジンのいずれの場合も,即時皮内反応の結果と内服テストのそれとは,一致しなかった.従って,皮内反応を内服反応に代用することはできない. 4.アスピリンあるいはタルトラジン内服テスト陽性の患者については,誘発・増悪因子と治療薬剤の種類による抑制効果との間には明らかな関係がなかった. 5.各種着色料の分離,同定法を紹介した. 6. 17の製菓会社の製品についてタルトラジン(黄4号)含有の有無とその名を調べた. 7. 34の製薬会社の製品について,おのおのの人工着色料を含有する薬剤名,その用い方(コーティング,薬剤成分と混合,カプセル),および人工的食品着色料以外の色素を含有する場合には,その色素の名,その薬剤名,およびその用い方について調べた.
  • 野口 哲郎
    1978 年 88 巻 7 号 p. 467-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    乾癬表皮の脂質代謝にあたえる血清低比重リポ蛋白の影響について培養実験を中心に検討した. 1. オートラジオグラフィーで125I-ラベル血清低比重リポ蛋白の乾癬表皮内への取り込みを検討した.結果:乾癬無疹部および正常人表皮内への取り込みは極めて少なかったのに対し,乾癬皮疹部の表皮突起とくに下層領域の細胞間に取り込みの宜進を確認した. 2. 次に,血清低比重リポ蛋白が 14C-sodium acetate からの表皮脂質合成に及ぼす影響を検討した. a.乾癬皮疹部:リポ蛋白無添加では皮疹部表皮での脂質合成は無疹部,正常人表皮に比し充進しており,合成コレステロールは遊離型が多くエステル型が少なかった.リポ蛋白添加で皮疹部表皮でトリグリセリドの合成抑制がみられた. b .乾癬無疹部:リポ蛋白添加を行った場合,無疹部表皮の合成エステル型コレステロール/総コレステロール比は低下し,その比は50μg/ml の添加濃度でリポ蛋白無添加の乾癬皮疹部表皮のそれとほぼ同値となった.しかしながらリポ蛋白の添加濃度を増してもそれ以上とくに顕著な低下はみられなかった. c.その他コントロール群:慢性湿疹病変部表皮でリポ蛋白添加により遊離コレステロールの増加がみられた以外レリポ蛋白添加により多少の変動はみられたものもあるが,とくにその変動に一定の傾向ないし有意の差をみとめなかった.以上の成績および先に石川・佐藤が報告した血清低比重りポ蛋白が乾癬表皮細胞間に多く認められた所見と合わせ,血清低比重リポ蛋白が乾癬脂質代謝に影響していることが強く示唆され,とくに木症の病態生理と関連し,コレステロール代謝に及ぼす影響か特に注目される.
  • 1978 年 88 巻 7 号 p. 479-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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