日本皮膚科学会雑誌
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112 巻 , 9 号
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生涯教育講座
  • 赤坂 俊英
    原稿種別: 生涯教育講座
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1221-1228
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
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    As well as malignant melanoma and melanocytic nevus, nonmelanocytic pigmented epidermal tumors also contain benign symbiotic melanocytes and synthesize melanin. This paper reviewed the clinicopathologic features of the pigmented epidermal tumors of the skin. Symbiotic melanocytes, including both normal and pigment blockade melanocytes, were observed in these tumors. Pigmentation of the tumor depended on the symbiotic melanocytes, epidermal tumor cells containing melanin, necrosis masses, and melanophages within the tumor or the dermis. These symbiotic melanocytes derive from the peripheral epidermis or appendages of skin around the tumor. Many factors, including ultraviolet-B, cytokines, and hormones, promote melanocyte motility and are related to the histogenesis of the pigmented epidermal tumors.
原著
  • 氏原 真弓, 石黒 洋明, 小玉 肇, 西谷 皓次, 池田 政身, 北村 嘉男
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1229-1240
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    症例は48歳,女性.約13年間.甲状腺機能亢進症のためプロピルチオウラシル(PTU)を服用していた.300mg/日にて開始して4年後の冬に,感冒様症状に続いて喀血を伴う呼吸困難と高度の貧血を来し,次いで突発性難聴も生じた.尿潜血,便潜血,RA-test陽性,抗核抗体陽性を認めた.甲状腺機能が正常化してPTUの投与が中止されたところ,これらの症状は消失した.その後甲状腺機能亢進症状が再燃しPTUの投与が再開されたが,150mg/日以上服用すると,上強膜炎あるいは強膜炎が出現した.数年前から紫斑が下腿に出没し,嗄声も出現した.1.5年前より300mg/日に増量されたところ,貧血が次第に進行し,不明熱,多関節痛および小腸出血を来した.下肢には環状およびび漫性の紫斑,打ち傷様紫斑が生じた.病理組織像で真皮全層の細動静脈,毛細血管および真皮深層の小動脈にleukocytoclastic vasculitisを認めた.プレドニゾロン30mg/日よりの漸減療法にて,紫斑の新生はなくなり,多関節痛,筋痛も激減したが,尿潜血は続き,15mg/日で経過観察中に血痰が出現した.Myeloperoxidaseに対する抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)は406EU/mlの高値を示した.PTUの投与の中止により全ての症状が消失し,MPO-ANCAが低下したことより,PTUによるANCA関連血管炎と診断した.これまでに報告された抗甲状腺薬によるANCA関連血管炎45例を検討したところ,皮疹は44%で見られ,手指や下肢の有痛性紅斑,丘疹,潰瘍および下肢の広範な紫斑が主な皮膚症状であった.半月体形成性糸球体腎炎や肺出血を伴うことが多く,microscopic polyangiitisと同様の病像を呈した.PTU等抗甲状腺薬による血管炎には,全身性のANCA関連血管炎とIII型アレルギーが推測される皮膚のleukocytoclastic vasculitisがある.PTUは選択的に好中球に集積され,好中球のMPOにより非常に反応性の高い物質に代謝されるため,それが好中球の核や細胞質の構成成分の構造に変化をもたらし,抗核抗体やANCAが産生されるようになると推察した.
  • 柴田 真一, 清水 京子, 安江 敬, 岩井 昭樹, 榊原 章浩, 富田 靖, 小林 英敏, 加藤 克彦, 柘植 勇人, 長坂 徹郎
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1241-1245
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
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    顔面,頸部ではリンパ流は複雑で,リンパ節も多数存在する.そのため顔面の黒色腫患者には現在センチネルリンパ節の試みはあるものの適応については意見の一致を見ていない.我々は顔面の黒色腫患者において,リンパ流とセンチネルリンパ節を明らかにし,顔面にもセンチネルリンパ節の概念が適応できる確信を得た症例を経験した.症例は69歳,女性.初診の5年前から左下眼瞼に褐色斑が出現.1年前より斑の中央が隆起し易出血性の黒色結節となった.臨床的に悪性黒子黒色腫と診断し切除術,予防的リンパ節郭清術をおこなった.術前に原発巣周囲に99mTc標識スズコロイドを皮内注射し,ガンマプローブを用いて集積部を検出し,術中に色素法により同リンパ節をセンチネルリンパ節と同定した.センチネルリンパ節にも,郭清したリンパ節にも転移を認めなかった.なお,ガンマプローブによるリンパ流のマッピングは顔面における予防的リンパ節郭清術の範囲を縮小できる可能性があると考えた.
  • 小林 桂子, 森田 明理, 辻 卓夫
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1247-1251
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    我々は近年問題となっている紫外線療法と皮膚悪性腫瘍に関しての調査を行った.名古屋市立大学病院皮膚科で1990年以降に紫外線治療を受けた患者188人に対し,患者が当院初診後受けた総紫外線照射回数および照射量を計算し,皮膚腫瘍発生件数を調べた.結果:外用PUVAを受けた患者は170人.外用PUVAの平均照射回数は196.3回,平均総照射量は445.3J/cm2であった.皮膚悪性腫瘍のある患者は5人であり,基底細胞癌が2人,日光角化症が2人,Bowen病が1人であった.それら5人中4人で外用PUVA総照射回数400回以上であった.その他の1症例でも,内服PUVAの回数を考慮すれば,外用PUVAと合わせ,400回を超えた.外用PUVA照射400回以上は31人で,そのうち4人で皮膚悪性腫瘍がみられた(13%).腫瘍切除後は,再発,転移していない.本結果から,本施設における外用PUVAを受けた患者の皮膚悪性腫瘍の発生率は,総照射回数が400回もしくは総照射量が1,000J/cm2を超えなければ高くはなく,外用PUVAが比較的安全に行うことのできる治療であることが示唆された.
  • 松井 珠乃, 大山 卓昭, 岡部 信彦, 小野 友道
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1253-1255
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    1999年4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(略称:感染症法)」が施行され,感染症サーベイランスが法律に基づいて行われることになった.ツツガムシ病は全数把握のサーベイランス対象疾患となっている.熊本県における2000年のツツガムシ病症例報告の現状を調査する目的で,2001年1月末に熊本県臨床皮膚科医会会員105人にアンケートを郵送し,69名(65.7%)から回答を得た.感染症サーベイランスが行われていることを知っていたのは19名で,ツツガムシ病が全数把握疾患であることを知っていたのは18名であった.2000年にツツガムシ病症例を診断したと答えたのは12名で,症例は計19例であった.そのうち保健所への届け出が行われた症例は11例であった.サーベイランス情報の還元の現状についてのアンケートより,国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ上で公開されている情報を見たことがあると答えたのは1名のみであり,新聞,広報などで見たことがあると答えたのは22名であった.
  • 新田 悠紀子
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1257-1263
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    下肢に血管炎性皮疹を伴ったJuvenileTemporal Arteritis with Eosinophilia(JTAE)の症例を報告した.症例1:38歳時に痒疹様皮疹が四肢に初発,副腎皮質ホルモンの外用・内服に抵抗性で,全経過を通し持続した.さらに40歳時には好酸球増多,高IgE血症および側頭動脈部の索状結節が出現,結節の病理組織像は巨細胞を欠く壊死性血管炎であった.発熱・頭痛・視力障害などの全身症状は51歳の現在まで認めなかった.なお一時期,idiopathic thrombocytopenia(ITP)を併発した.症例2:50歳時に痒疹様皮疹が下肢に初発,副腎皮質ホルモンの外用で治癒.51歳時に左大腿の浸潤性紅斑,左下腿のリベド,両側頭動脈部の索状結節,好酸球増多および高IgE血症が出現,浸潤性紅斑および索状結節の病理組織像は巨細胞を欠く壊死性血管炎であった.副腎皮質ホルモンの内服に浸潤性紅斑と索状結節は反応し,全身症状は現在まで認めない.
  • 千葉 由幸, 堀内 義仁
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1265-1270
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    69歳男性,頭部の悪性血管内皮腫(malignant hemangioendothelioma以下MHE)の1例を経験した.rIL-2による入院・外来治療を行ったが(総計セロイク®11,800万単位,イムネース®455万単位),最終的には胸腔内転移による呼吸不全のため死亡した.経過中,転移に伴う難治性血気胸に対しrIL-2とブレオマイシンを用いた胸膜癒着術が奏効した.局所におけるMHEに対するrIL-2の効果は既知のものであるが,転移に対する有効な治療法はいまだ存在しない.その中で終末期の難治性血気胸に対する胸膜癒着術は患者のQOL向上という点で非常に大きな意味をもつと考えた.
  • 藤崎 亜紀, 久保田 由美子, 桐生 美麿, 中山 樹一郎
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 9 号 p. 1271-1276
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    5歳の男児.1歳頃,顔面に褐色斑・褐色~黄褐色丘疹が出現.全身に増数してきたため1998年9月当科受診.6人兄弟で姉,妹,弟に同様の皮疹を認める.皮疹と家族内発症よりjuvenile xanthogranulomaを合併したRecklinghausen病を疑い,皮膚生検を行ったところ,真皮上層から中層にかけて密な細胞浸潤を認め,浸潤細胞は類円形で好酸性の明るい細胞質と卵円形の核を有しており,toluidine blue染色で異染性を示す肥満細胞であった.また,摩擦により皮疹部に著明な膨疹形成を認めたためDarier徴候陽性と判定し,肥満細胞症と診断.血中のヒスタミン値の軽度上昇を認めた.肥満細胞症の家族内発症や遺伝性は極めて稀とされており,全世界では約50家系,本邦では1941年から1981年まで5家系の報告があるのみである.
学会抄録
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