日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
67 巻, 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 和泉 俊治
    1957 年 67 巻 11 号 p. 729-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    Feyrterは自ら神經髄鞘染色法として工夫した所の,封入染色法を用いて母斑組織を研究,母斑細胞質内の變染性類脂質に就き記載,その所見に據つて母斑細胞の神經(淋巴腔内皮)元説を樹立した.敎室の寺田は之を追試,母斑細胞神經櫛起源説(川村)に寄與する所見を得た.近時Chuは表皮神經をNucleal反應に依つて染色(後述參照),Liangも亦神經組織を亞硫酸フクシン組織化學反應に依つて染色し得ることを知り,之を神經組織内のアルデヒード性還元物質に因るものとした.亞硫酸フクシンに依るアルデヒードの呈色は有機化學に於ける重要な反應であるが,FeulgenのNucleal反應(Feulgen及びRossenbeck,1924)及びPlasmal反應(Feulgen及びVoit,1924)以來b\々組織化學反應としても亦應用され,過ヨード酸Schiff染色(PAS)は近時廣く多糖類染色に用いられている.また最近DeLamater等(1950)は,Feulgen nucleal stain,PAS及びアルデヒード媒染塩基性フクシン染色(aldehyde-mordanted basic fuchsin stain)に就て記載している.著者は先ず寺田のFeyrter封入染色の研究を更に擴大延長する目的を以てLiangの染色に依つて正常組織並びに母斑組織を觀察すると共に,諸種の亞硫酸フクシン組織化學反應並びにアルデヒード媒染性フクシン染色を實施,それら諸所見を綜合的に觀察した.
  • 足立 功
    1957 年 67 巻 11 号 p. 749-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮脂の分泌は體質,性,年齢(鈴木,Lincke,Rasenfeld,Kuznitzky,Butcher-Parnell),神經作用等種々の因子により影響され,又内分泌,特に性ホルモンとの間に密接な關連のあることもよく知られており,更にビタミン,特にAとの關係についても皮膚角化等の點からして少からざる關連が想像に難くない.而も他方,色々の皮膚疾患に於ては,その發生病理學的意味づけは暫くおき,體質,性,年齢その他との關連,又色々の内分泌異常,ビタミン代謝異常等が多くの人により指摘せられている.そこで余は茲に第1篇の血清脂質に就ての研究に引續き,各種皮膚疾患に於ける皮脂の態度を檢討し卑見を加え,更に各種ホルモン療法の皮脂への影響と臨床効果との關係を追究した.
  • 足立 功
    1957 年 67 巻 11 号 p. 764-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    余は各種皮膚疾患に就て第1篇では血清脂質,第2篇では皮脂について究明したが,本篇に於ては之等2篇に擧げた症例の中で血清脂質と皮脂とを同時に測定した47例に就て,兩者の間の關係を疾患別に檢討し,更にそれ等に對する諸種ホルモン療法に際しての兩者間の消長を追究した.因みにその際血清脂質に就ては總脂質並びに總コレステリンを,皮脂に就ては總皮脂並びに總コレステリンをとりあげて檢討を進めた.實驗方法に就ては既に記してあるから特にこゝでは觸れない.
  • 足立 功
    1957 年 67 巻 11 号 p. 773-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚の角化については從來,多くの人によつて組織學的,生化學的に研究が續けられているが,未だ解明せられていない點が極めて多い.毛嚢に角化を來す皮膚疾患は早くより知られているが,これが榮養障碍に關連ありと唱えたのはStannus(1912)が最初で,爾來特にビタミンA欠乏との關係が注目せられ,Frazier-Hu(1931)は15例の毛嚢角化にビタミンAを投與し輕快或は治癒した事より,斯様な皮膚變化をビタミンA欠乏によるものとし,續いてLoewenthalの東アフリカUgandaに於ける囚人に就ての報告,又Nichollas(1933)のCeylonに於ける勞務者の乾性鮫状皮,粗食の囚人に於けるPapular dry skinと角膜軟化に就てのビタミンA欠乏の報告(Phrynoderma)がみられ,更にFrazier-Hu(1936)の北平に於ける207例に就ての再度の報告やMcCollum(1918),Moult(1943),Sullivan-Evans等の動物實驗,更にはPhrynodermaと組織像を同じくする様な他の角化性疾患に於けるビタミンAの臨床的効果に就ての多數の報告(安田-村田,Brunsting,Porter-Godding,Sulzberger)等によつて,今やビタミンA欠乏と毛嚢性角化症との關係は殆ど常識的にさえなつている.處がPhrynodermaと眼症状との相關關係は必ずしも見出されず(Aykroyd-Rajagopal,Steffens),又ビタミンB複合体の欠乏により毛嚢性角化症が惹起された例(Wolbach-Bessey),壊血病患者に同様の症状を認めた例(Nicolau,Theodorescou,前原)等々の報告があり,更に角化性疾患に血清ビタミンA量は必ずしも低くはないこと,又ビタミンAによる臨床的効果の全くみられない角化性疾患がかなり多いこと等よりして,ビタミンA欠乏と毛嚢性角化との關連に就て少からず疑問が抱かれるようになつて來た.又他面では,最近Flesch(1953)は不飽和の脂肪酸が持つ2重結合が抗ケラチン生成的に働き,しかも之が試驗管内で活性SH基を阻害することから,ビタミンAは皮膚で變化して2重結合をもち,それがケラチン生成のSH基に働くのでないかと想像し,ビタミンAの作用はビタミンA欠乏というより單なる非特異性のものであろうと述べている.更に脂肪の欠乏が皮膚角化に對し重要な因子である事は既にBurr-Burr(1929),丹下(昭7)等により記
  • 1957 年 67 巻 11 号 p. 785-
    発行日: 1957年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
feedback
Top