日本皮膚科学会雑誌
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130 巻 , 11 号
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新・皮膚科セミナリウム 留意すべき皮膚感染症
  • 石井 則久
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2347-2354
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    皮膚科領域の抗酸菌症にはハンセン病,皮膚結核,非結核性抗酸菌症(NTM症)がある.NTM症は原因菌が同定されればそれらによる疾患名で記載される.問診や臨床症状,病理所見などから抗酸菌症を鑑別に入れる.培養では37℃と25℃(室温)の2通りの温度設定にする.治療では耐性菌を出現させないため抗菌薬を2~4剤用い,単剤投与は行わない.ハンセン病やブルーリ潰瘍は途上国で患者が多く,顧みられない熱帯病(NTDs)として,国際保健,国際協力のターゲットになっている.

  • 四津 里英
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2355-2360
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    人獣共通感染症と熱帯皮膚病は,現在の多様化する環境,そして,グローバル化社会の中で共通の課題を抱える.これら感染症は,病気としての知識だけでなく,その地理的分布,媒介生物や感染経路を理解しておくことも,ときとして感染対策を講じる上で必要であり,求められる.今後,これらの疾患に対応のできる知識を持った,国際的な皮膚科医の存在が重要性を増してきている.

  • 盛山 吉弘
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2361-2366
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    レンサ球菌は,小児の扁桃炎など日常診療で頻繁に遭遇する細菌である.基本的にペニシリンが奏効するので治療に困ることは少ない.しかし,時に致死的となりうる劇症型レンサ球菌感染症や壊死性筋膜炎を引き起こす.現代でも,軽症の感染症を起こす菌群と重症の感染症を起こす菌群の根本的な差異はわかっていない.本稿ではレンサ球菌による代表的な皮膚軟部組織感染症である丹毒・蜂窩織炎,そして壊死性筋膜炎について概説する.

  • 山﨑 修
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2367-2372
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    黄色ブドウ球菌は外毒素として表皮剝脱毒A,B(exfoliative toxin;ETA,ETB),トキシックショック症候群毒素-1(toxic shock syndrome toxin-1;TSST-1),エンテロトキシン(staphylococcal enterotoxin;SE),Panton-Valentine型ロイコシジン(Panton Valentine leukocidin;PVL)などの病原因子を産生し,水疱性膿痂疹,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS),トキシックショック症候群(TSS),neonatal TSS-like exanthematous disease(NTED),せつ・せつ腫症などの皮膚疾患とそれぞれ深く関連している.

原著
  • 高島 有香, 守内 玲寧, 白戸 貴久, 和田 吉生, 福澤 信之, 原田 浩, 清水 聡子
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2373-2377
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    臓器移植患者は免疫抑制のため水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症のリスクが高く,重症化の恐れもあるが,これまで多数例の検討は少なく,治療基準も明確ではない.当施設で施行された腎移植548症例中VZV感染症を発症した81例につき,患者背景,発症頻度,移植から発症までの期間,臨床症状をレトロスペクティブに検証した.汎発型帯状疱疹を11例に認め,うち1例は脳炎を合併し死亡した.腎移植後のVZV感染症診療の際には,速やかな治療開始と慎重な観察が必須であるが,腎移植後1年間以内の患者や献腎移植患者では特に発症率が高く,より慎重な観察が重要である.

症例報告
  • 田原 純平, 要石 就斗, 櫻井 謙次, 小川 万里依, 後藤 和哉, 福本 隆也, 大野 佐代子, 河野 通浩, 秋山 真志, 田邉 洋
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2379-2383
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    母親は28歳,長女は生後11カ月.母親は幼少期より,長女は生後6カ月より境界明瞭な角化性紅斑が出現した.母親は保湿剤で病状安定しており,長女は活性型VitD3とステロイド外用,VitA剤内服により改善した.母と長女はCARD14遺伝子にヘテロ接合体変異(p.Leu156Pro)を有し,家族性毛孔性紅色粃糠疹と診断した.本変異はこれまで海外から報告がある.本邦ではCARD14遺伝子変異が同定された本症の報告は4例あるが,親子での発症例はなく,本変異の報告もなかった.

速報的小論文
  • 李 殷先, 佐々木 駿, 冨士原 仁, 境井 尚大, 井藤 遥, 猿田 祐輔, 渡辺 秀晃, 末木 博彦
    2020 年 130 巻 11 号 p. 2385-2389
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル 認証あり

    40歳男性.受診2日前に一過性の発熱,前日より全身に瘙痒感を認め近医を受診.躯幹・四肢に紅斑・丘疹が播種状に多発.発熱,呼吸器症状なく,血算,生化学検査,胸部X線で異常なし.再診時,軽度の咳嗽があり追加の問診により職場内でCOVID-19患者との接触歴が判明.PCR検査でSARS-CoV-2陽性で入院加療した.COVID-19では皮疹が呼吸器症状に先行し最初に皮膚科を受診することがあり,原因不明の播種状紅斑丘疹を診た場合は本症も念頭におき,詳細な問診・ウイルス学的検査を検討する必要がある.

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学会抄録
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