日本皮膚科学会雑誌
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103 巻 , 7 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 藤江 建志, 内田 尚之, 敷地 孝法, 浦野 芳夫, 荒瀬 誠治
    1993 年 103 巻 7 号 p. 907-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    ヒト毛乳頭細胞(DPCs)と外毛根鞘細胞(ORSCs)との相互作用を検討するために,透過性コラーゲン膜を使用して両細胞を同時培養するシステムを考案した.本システムを使用し,MCDB-153培地内で両者を培養したところ,培養早期のDPCsは明らかにORSCsの増殖を促進したが,継代を重ねたDPCsやヒト皮膚線維芽細胞は逆にORSCsの増殖をわずかに抑制した.一方,DPCsと表皮ケラチノサイト(EKs)との同時培養では,DPCsはEKsに対して増殖促進作用も抑制作用も示さなかった.これらの結果より,DPCsはEKsの増殖には影響を与えないが,ORSCsの増殖を促進する因子を産生していることが推察され,この能力は培養早期のDPCsは有するが,継代数の増加によって失われると思われた.本培養系は,複数の細胞の同時培養に適した系と思われる.
  • 尹 浩信, 佐藤 伸一, 玉木 毅, 相馬 良直, 土田 哲也, 竹原 和彦, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 7 号 p. 913-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    過去に我々は,強皮症早期例およびscleroderma spectrum disorders(SSD)を診断することを目的としてポイント制による新しい診断基準案を考案し,報告した.今回このポイント制診断基準案の臨床的意義を更に明確にすることを目的として,自験215例を対象として,呼吸機能,罹病期間,ポイント制診断基準案の各項目についての検討を加えた.強皮症患者においては総計ポイントが高くなるに従って呼吸機能(%VC,%DLco)が有意に低下することが明らかにされ,総計ポイントは重症度をも反映していることが示唆された.抗セントロメア抗体陽性患者においては,罹病期間と総計ポイントに強い正の相関が認められ,ポイント制診断基準案によって疾患の進行状況を把握しうる可能性が示された.また抗核抗体別に総計ポイント,Raynaud現象,肺病変,nailfold bleeding(NFB)の各項目のポイントを比較したところ,抗核抗体別の強皮症の臨床的特徴を明らかにすることができた.ポイント制診断基準案は強皮症,SSDの臨床症状を数量化しており,種々の解析に際しでも有用と考えられた.
  • 渡邊 孝宏, 相馬 良直, 竹原 和彦, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 7 号 p. 921-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    末梢血好酸球増多,顔面の腫脹及び紅斑,躯幹の瘙痒が先行し,数ヵ月の経過で四肢末端を除く全身に急速な皮膚硬化の進行を来たした非定型強皮症の1例を報告した.症例は77歳,男.有機溶媒曝露,骨髄移植,L-トリプトファン摂取,美容外科手術などの既往はなく,特に誘因なく上記症状が出現した.皮膚硬化出現早期の紅斑部の生検では真皮全層に及ぶびまん性炎症細胞浸潤及び基底層の液状変性を認めたが、皮膚硬化の進行にともない細胞浸潤は減少し,かわって真皮膠原線維束の増生が明瞭となった.炎症細胞浸潤の主体はリンパ球様細胞,組織球様細胞であり,少数の好酸球を混じていた.筋膜は肥厚し,真皮と同様の細胞浸潤を認めたか,筋組織には異常は認めなかった.経過中レイノー現象は認めず,抗核抗体は陰性であった.全身精査により感染症,悪性腫瘍の存在は否定的であった.また皮膚硬化の進行の過程で,食道蠕動運動の軽度低下,涙液分泌の減少などの出現をみたが,肺,心臓,腎臓等には病変を認めなかった.プレドニゾロン30mg/日の内服により好酸球数は正常化したが,皮膚硬化はほぼ不変で,また骨突出部に潰瘍形成がみられた.自験例では過激な運動後に生じる好酸球性筋膜炎やL-トリプトファン摂取により生じる好酸球増多一筋痛症候群との類似性が考慮されたが,そのいずれにも合致せず,極めて稀な病態であると考えられた.
  • 小方 冬樹, 五十嵐 敦之, 相馬 良直, 竹原 和彦, 土田 哲也, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 7 号 p. 931-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    強皮症の症状出現に先行して抗Scl-70(topoisomerase I)抗体陽性が証明されたSLE-PSSおよびwidespread DLE-PSS overlap症候群の各症例を経験したので報告した.症例1:35歳,男性.22歳時にSLEと診断.32歳時に抗核抗体のスクリーニングテストにて抗Scl-70抗体陽性が判明.3年後に前腕の皮膚硬化が明らかになったためSLE-PSS overlap症候群と診断した.症例2:36歳,女性.27歳時に顔面,体幹等に萎縮性紅斑が出現.その後,経過観察中に手指および前腕の皮膚硬化が現われ徐々に進行したため36歳時にwidespread DLE-PSS overlap症候群と診断した.この時点で初診時の凍結保存血清を調べたところ,抗Scl-70抗体陽性であったことが判明した.抗Scl-70抗体は強皮症における早期診断的意義が期待されてるが,本症例はこれを確認するものと考えられる.また,強皮症以外の膠原病の患者において抗Scl-70抗体が陽性の場合には,強皮症のoverlapを予想して注意深く経過観察をする必要があると思われる.
  • 尹 浩信, 佐藤 伸一, 下妻 道郎, 相馬 良直, 竹原 和彦
    1993 年 103 巻 7 号 p. 939-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    63歳,女.Raynaud現象,関節痛を主訴とし,53歳時より57歳時まで不全型膠原病として当科にて経過観察されていたが、その後来院せず,再び関節痛が出現してきたため当科を受診.顔面の蝶形紅斑および同部位組織像,蛍光抗体直接法所見,末梢血白血球数減少,LE細胞陽性,関節痛,日光過敏症などよりSLEと診断した.HEp-2細胞を基質とした蛍光抗体間接法にて,抗細胞質抗体が検出され,免疫プロット法にてantiribosomal P protein antibodyと同定された.Rayaud現象,手指の腫脹,爪郭部出血の存在などより強皮症の存在も疑われたが、前腕部生検像および皮膚超音波診断装置による皮膚厚の測定より否定的であった.Anti-ribosomal P protein antibodyはSLEに対して特異性の高い抗体で,lupus psychosis との相関が強調されているが,本例のように不全型膠原病と診断されている症例の診断に際しても診断的意義が大きいと考えられた.
  • 堤 正彦, 渡辺 亮治, 岩田 充, 大塚 藤男
    1993 年 103 巻 7 号 p. 947-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    自験陥入爪31例39趾に対し爪床爪郭弁法を改変し後爪郭形成を加えた手術を行った.術式はlabiomatricectomyと爪床爪郭弁法の中間的なものであり,後爪郭と側爪郭の移行する部分を皮弁として用いて再生爪甲が後爪郭から表出する出口の幅を確保するものである.自験例に基づき術式の具体的な手技を述べると共にlabiomatricectomy・爪床爪郭弁法と術式の比較検討を行い,後爪郭形成術の意義について詳述した.本法は従来の方法にも応用可能であり,爪甲の再陥入や異所性爪の発生等の問題も少なく,整容的にも利点のある方法と考えた.
  • 佐伯 秀久, 鳥居 秀嗣, 川端 康浩, 古江 増隆, 中川 秀己, 石橋 康正, 桜庭 均
    1993 年 103 巻 7 号 p. 955-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    25歳,男.幼少時より発汗がほとんど無く,夏期に40℃近くまで体温が上昇することがあり,四肢に疼痛発作を伴い,入退院を繰り返していた.乏汗症を主訴に当科受診.全身に著明な発汗低下を認め,右腰背部に暗赤色小丘疹が集簇し蛇行状を呈する血管腫様皮疹を認める.尿蛋白(■).白血球中のα-galactosidase Aの活性が著明に低下しておりFabry病と診断.組織学的に汗腺の形態異常と,血管腫様皮疹部においては真皮乳頭層の毛細血管の拡張を多数認めた.電顕所見で血管内皮細胞,汗腺細胞,線維芽細胞内に高電子密度の層板状構造を有する顆粒の沈着を認めた.家族でのα-glactosidase A酵素活性の測定結果より,兄はFabry病,母は保因者,父は健常人と判明.治療は疼痛発作に対して対症的にカルバマゼピンを投与しており,鎮痛効果を認めている.
  • 清島 真理子, 川合 美里, 森 俊二, 高橋 健, 武藤 泰敏
    1993 年 103 巻 7 号 p. 963-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    症例は62歳,男性.10年以上前より多発性神経炎に罹患していた.輸血の既往はない.初診の約4ヵ月前に1~2日間頭痛,発熱があり,その頃より体幹,四肢に瘙痒を伴う,多発性の,常色~淡紅色,直径2~4mmの丘疹が出現し,一部の丘疹は中央に痂皮を伴った.丘疹の病理組織像は,真皮上~中層にリンパ球,類上皮細胞,好酸球および異物型巨細胞から成る細胞浸潤がみられ,巨細胞肉芽腫の像を呈した.表在リンパ節は触知されなかった.白血球数4,600/μl,リンパ球34.2%(うちCD4 0.6%(10/μl),CD8 72.5%)好酸球14.5%,単球12.5%,抗HIV(human immunodeficiency virus)抗体陽性,抗p24抗体陽性,HIV抗原陰性を示した.胸部X線上で異常所見はなかった.以上の所見から,本症例は無症候性感染状態にあったHIV感染患者にみられたpruritic papular eruption(PPE)と診断した.テルフェナジン120mg/日内服と吉草酸ベタメサゾン軟膏外用を約2ヵ月行ったところ,皮疹は軽快傾向にあり,瘙痒もやや減弱してきている.今後,azidothymidine(AZT)400mg/日内服も併用し,経過観察を行う予定である.
  • 岡﨑 愛子, 山路 雅己, 朴木 久美子, 宮川 幸子, 白井 利彦
    1993 年 103 巻 7 号 p. 969-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    13歳の女性に発症したpachydermodactylyの1例を報告する.主に左右の示指,中指,環指のPIP関節の周囲に真皮の肥厚を認めることが本疾患の特徴である.本邦では現在まで報告例はないが,海外では男性9例の報告がある.
  • 1993 年 103 巻 7 号 p. 973-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
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