日本皮膚科学会雑誌
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93 巻 , 7 号
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  • 長谷井 和義, 堀川 達弥, 市橋 正光
    1983 年 93 巻 7 号 p. 705-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    36歳,男の porphyria cutanea tarda (PCT)の1例を報告した.日光曝露で紅斑や膨疹など急性皮膚反応は起こらないが,人工光源による400nin単色光2分間照射で(7.0J/黴€3)紅斑と膨疹反応をみた.膨疹惹起波長は 370-430nm であった.膨疹はアルコール中止後, 400nm 単色光20分間照射(70.0J/黴€3)でも惹起されなかった.この膨疹反応消失は尿中 uroporphyrinlevel とは必ずしも平行しなかった.また650nm以上の可視光線前照射で膨疹惹起は抑制され,この効果は約3時間持続した.この PCT における抑制効果は,我々が既に報告した日光聶麻疹の抑制波長と類似のものと考えられる.さらに PCT 症例において日光曝露後の immediate reaction が希であることは,抑制波長のためと考えられた.
  • 赤井 昭
    1983 年 93 巻 7 号 p. 711-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    6歳頃いわゆる“蚊アレルギー""の状態で発症し,毎年蚊刺アタックを繰返すうち,14年後,蚊刺アタックを契機に histiocytic medullary reticulosis に酷似した病態を併発し,3ヵ月の経過で,呼吸不全と出血性素因のため死亡した症例を報告した.本症例では発病当初から Tリンパ球の機能不全に基づく細胞性免疫不全が存在し,蚊アレルギー以外にも数種のワクチン類に対して異常反応がみられた.また発症当初から全経過を通じて顔面,頚部に浸潤性の紅色丘疹が出没し,末梢血の白血球減少,リンパ球増多 (subpopulation では T 細胞増多,B 細胞減少),GOT, GPT, LDH, BIL 値の上昇傾向がみられた.蚊刺アタックは高熱を伴い,局所は強い急性炎症々状のあと,深い壊死性潰瘍を形成した.末期の病変は全身性で著明な肝牌腫のほかに肺の症状が目立った.末血に異常リンパ球が出現し,皮膚には主として下半身に Weber-Christian 病に似た発疹がみられた.病理組織学的には histioncyticmedullary reticulosis に酷似した病変が目立ったが,マクロファージで赤血球よりも核片の貪食の方が優勢な点が原著の記載と異なっていた.一方,ところにより特異な核分葉を示す異型リンパ球様細胞の monomorphous な増生が病変の主体をなしており,さらに末血中に異型細胞の増生があり,これが T 細胞形質を示した点などから,むしろこれを T-cellmalignancy に近い病態と考えた.
  • 麻上 千鳥, 今村 隆志, 永井 純子, 山本 俊比古, 内田 寛, 浪花 志郎
    1983 年 93 巻 7 号 p. 723-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    リポ蛋白異常を伴ったアミロイド苔癬患者6例に脂質降下剤(クロフィブラート)を投与し,リポ蛋白電気泳動像と皮疹の各生検部の微細構造的変化の対比を行った.その結果,脂質値の正常化及びリポ蛋白電気泳動像の改善に伴って丘疹は扁平化した.同部の生検組織の電顕像では,アミロイド塊の中央部は,典型的な細線維からなっていたか,周囲は 130-250A 台の細線組の密度は疎となり,代りに 20-30A 台の細線維からなっていた. 130-250A 台のアミロイド細線維及び 20-30A 台の細線維の一部は断片化あるいは細小化し,ついで細顆粒状となり消褪する傾向を示した.
  • 新田 悠紀子, 大橋 勝
    1983 年 93 巻 7 号 p. 735-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    6歳の男子.1年前より腰部,背部に皮疹が出没していた.1年後に呼吸困難が出現し,胸部レントゲン写真にて両側肺門リンパ節腫脹と肺実質内に散布像を認めた.肺実質,腰部皮疹部の生検でサルコイドと診断された. 皮疹は,腰部,背部,大腿部に存在し,魚鱗癬様の外観を呈していた.以上の事実より本症例を魚鱗癬様皮疹を伴うサルコイドーシスと診断した.一般検査では,ツベルクリン反応は陰性で,眼科的には,ぶどう膜炎を認め眼底に結節を認めた.アソギオテソシン転換酵素は高値を呈した.表在リンパ節腫脹はなかった.
  • 八木 茂, 花輪 滋, 森嶋 隆文
    1983 年 93 巻 7 号 p. 741-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    症例は29歳,男で,尋常性白斑のために自宅にて手・足関節部の白斑部に 8-MOP を外用し,これに光源として人工太陽灯を7年間,ついで,ブラックライトを10年間にわたって光線を照射していた.4~5年前から,白斑部に多発性の角化性病変を生じた.皮疹は光線療法を行った白斑部に限局し,米粒大から大豆大までの境界比較的明確,不整形,角化性紅斑と小豆大の扁平疣贅様丘疹とが多発し,これに加えて右足内果部では6×7 mm, 黒褐色角化性小結節をみた.病理組織学的には黒褐色角化性小結節1個中1個,角化性紅斑5個中3個,扁平疣贅様丘疹5個中2個に Bowen 病を思わす所見が証され,残余は異型性を欠き,放射線角化症のそれと同様の角化症であった.自験例では砒素剤の摂取や電離放射線照射の既往はなく,皮膚病変が光線照射部位に一致していることから,前述の Bowen 病様病変の発症に長期間にわたる光線療法の関与が重視された.
  • 本多 哲三
    1983 年 93 巻 7 号 p. 747-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    光波長 400~420nm 付近にもっとも強い光エネルギーを有するメタルハライドランプ(以下 MH ランプ)がポルフィリン体に関する光化学実験に使用できるか否かを知る目的で,ポルフィリン体光溶血反応を用いて検討した. その結果,健康人赤血球浮遊液に hematoporphyrin-dihydrochloride を添加し, 3.6~9.0J/黴€3 の本光源照射により十分な光溶血を誘導することができた.また griseofulvin・induced protoporphyria マウスおよび erythropoietic protoporphyria 患者赤血球浮遊液でも MH ランプ照射により明らかな光溶血反応をみた.また他の光源との比較によって,MHランプは快晴日正午の日光には劣るが,キセノンランプや長波長紫外線蛍光ランプより強いエネルギーが得られることが明らかと考えられた.MH ランプの紫外線照射エネルギーは比較的低く,5mm 厚の一般窓用ガラス板フィルターにて中波長紫外線領域を除外することができ,比較的安価に 400nm 付近の光線エネルギーを得ることができた. これらの結果から,多量の光エネルギーを短時間に照射するような実験系にはやや難点があるが,慢性皮膚病変を誘発させるような長時間の間歌照射実験には十分応用できることが推測された.
  • 吉池 高志
    1983 年 93 巻 7 号 p. 755-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    同一角層試料からケラチン線維分画,水溶性分画,膜分画を同時に採取できる方法を用いて,その各々につき多数の角化異常症を比較検討し,本分画法を実用化しうることを報告した.対象としては掌計角化症群6例,魚鱗癬群16例,他の角化異常症8例,計30症例を用いた.ケラチン線維分画と水溶性分画については SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動を,膜分画についてはアミノ酸分析を施行した.ケラチン線組分画の電気泳動では7例の水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症で分子量約 55, 000 のポリペプチドの欠損もしくは著明な減少をみとめたほか,点状型掌蹠角化症,伴性遺伝性魚鱗癬,尋常性乾癬および砒素角化症においてもその構成ポリペプチドの濃度比の異常をみとめた.水溶性分画の電気泳動では全例においてその主要ポリペプチドに異常をみとめなかった.膜分画のアミノ酸組成では点状型および局面型掌蹠角化症, Papillon-Lefgvre 症候群,尋常性魚鱗癬,後天性魚鱗癬,毛孔性紅色枇糠疹,更年期角化腫,ダリエ病,枇素角化症など多くの疾患で l/2cystine 値あるいは proline 値の異常をみとめ,また局面型掌政角化症,尋常性乾癬,砒素角化症などでは aspartic acid, threonine, alanine, leucine,serine, omithine などその他のアミノ酸組成にも異常がみとめられた.
  • 小林 勝
    1983 年 93 巻 7 号 p. 763-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    レチノイド(etretinate)を CH3/He マウスに連日経口投与し,表皮ラングルハンス細胞(L細胞),ことにその分布密度と形態に及ぼす影響について検討した.L 細胞の分布密度は投与量(4mg/kg および 16mg/kg)と部位(耳,足脈,尾)により若干の差はあるが,ほぼ同様の傾向を示して変動した.すなわち,投与開始直後にL細胞は一過性に増加するが,以後は減少傾向を示し,2週後には最低値となる.しかし,その後投与を続けることにより回復傾向がみられた.このL細胞の分布密度の変動は表皮の厚さがレチノイド投与により変動する経過ときわめてよく一致た.一方,レチノイド投与により胞体が縮少し,樹枝状突起が細長く伸びた L 細胞が多数観察された.足蹠皮膚の垂直切片における観察では,投与2週日以後,基底層から真皮上層にla抗原陽性の樹枝状細胞がみられ,L細胞かあたかも真皮へ脱落しかけているような所見が得られた. 以上の実験を通じて,L 細胞は表皮内において抗原提示細胞としての機能を果すべく,角化細胞と密接な関連を保ちながら,その分布密度を調節し,恒常性を保ちつつあることか考えられた.
  • 辻 正幸, 市橋 正光, 三島 豊
    1983 年 93 巻 7 号 p. 773-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Prompt gamma ray spectrometry による 10B 定量法を用い, 10B1-paraboronophenylalanine・HCI(10B1-BPA・HCI) の黒色腫親和性および黒色腫細胞内集積機序を検索解析した. 10B1-BPA・HCI は正常皮膚および血液に比し,黒色腫に, tyrosinase 活性の低い amelanotic 型にも強い親和性を示した.投与後の生体内動態および黒色腫細胞内分布を検索した結果,本化合物は黒色腫の特異的細胞膜輸送系により細胞外から細胞内に能動輸送され,その後メラニソ生成の進行に相関して melanosome 分画に集積保持され,そこで一部は melanin polymer に組み込まれていくものであると考えられた.
  • 柴田 正之, 大橋 勝, 森 友世, 田中 健治
    1983 年 93 巻 7 号 p. 779-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    患者は42歳主婦,名古屋市在住.初診の3ヵ月前より,外傷の既往なく右頬部に紅色の丘疹が出現し,徐々に増大して初診時には,12×10mm の紅斑を有する扁平隆起性局面を形成していた.臨床検査は,好酸球増多と lgE の高値が認められ,組織学的検査では,真皮の感染性特殊肉芽腫中に,HE染色で深紅色, PAS染色で紅色に染色される菌体要素が認められた.組織片の培養で,酵母様集落が出現し, slide culture における形態学的検査ならびに糖利用試験の成績より,Prototheca wickerhamii と同定した.したがって,本症をこれを原因菌とする Protothecosis と診断した.なお本症例は,本邦における Protothecosis の最初の報告例である.
  • 野村 和夫, 鈴木 真理子, 佐藤 静生
    1983 年 93 巻 7 号 p. 783-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    仝身性強皮症17例について, bowed finger (prayersign) の有無を検索したところ,11例に認められた.罹病期間,他の臨床・検査所見については,舌小帯短縮と肺線維症の有無に強い関連がみられ,全身性強皮症における bowed finger は,簡便かつ特徴的な所見として重視されるべきものと思われた.
  • 1983 年 93 巻 7 号 p. 787-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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