日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
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126 巻, 6 号
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日本皮膚科学会ガイドライン
委員会報告
原著
  • 増田 香奈, 藤山 幹子, 宮脇 さおり, 佐山 浩二
    2016 年 126 巻 6 号 p. 1103-1107
    発行日: 2016/05/20
    公開日: 2016/05/21
    ジャーナル 認証あり
    77歳,男性.14年来の関節リウマチあり,両踵部,両下腿,両手指に緊満性水疱,膿疱,血疱,点状紫斑が出現した.病理組織学的には表皮下水疱と,真皮内に多数の好中球を認めた.DDS 75 mg/日を内服し約1カ月で皮疹は改善した.Rheumatoid neutrophilic dermatosisは関節リウマチ患者に生じる好中球性皮膚症の1つであるが,自己免疫性水疱症との鑑別を要する水疱を形成することがある.Bullous rheumatoid neutrophilic dermatosisはほとんどが本邦からの報告であり,人種による偏りがあることが示唆される.
  • 武岡 伸太郎, 多田 弥生, 大西 誉光, 渡辺 晋一
    2016 年 126 巻 6 号 p. 1109-1117
    発行日: 2016/05/20
    公開日: 2016/05/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎の寛解導入期に不適切な強さのステロイド外用薬や混合剤が使用され炎症が十分に抑制されずに慢性化し,高度の苔癬化局面を形成している症例が数多く見受けられる.そこで,2012年~2014年に当科を初診した難治性のアトピー性皮膚炎患者46例に対し,strongest,very strongクラスのステロイド外用薬による加療のみで皮疹が色素沈着となるまでの期間(寛解導入期)の平均を求めた.平均期間は9±4日で,全例寛解に至った.以上より,アトピー性皮膚炎での寛解導入には適切な強さのステロイド外用が最も重要と考える.
症例報告
  • 牧野 由美, 内山 真樹, 黒澤 貴志, 坪井 良治
    2016 年 126 巻 6 号 p. 1119-1122
    発行日: 2016/05/20
    公開日: 2016/05/21
    ジャーナル 認証あり
    77歳,男性.胆石性胆管炎から敗血症性ショックを起こし,入院.両側の下腿大伏在静脈からドパミン塩酸塩(dopamine:以下DOA)を投与.投与後,血管外漏出を起こし当科を紹介された.留置針の刺入部周囲に発赤,壊死,水疱を認め,DOAの血管外漏出によるドパミン壊疽と診断した.局所処置を行ったが,その後,多臓器不全のため永眠した.DOAは低用量投与であっても,刺入部位の状態により局所濃度が増加し,末梢血管の収縮により広範囲な壊疽を生じる可能性があるので注意が必要である.
学会抄録
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