日本皮膚科学会雑誌
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94 巻 , 5 号
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  • 相原 道子, 北村 和子, 長谷 哲男, 永井 隆吉
    1984 年 94 巻 5 号 p. 545-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    モルモットをsulbenicillin(SBPC)とcepharothin(CET)で感作し,その血中抗体価をEnzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA)で測定するとともに,抗体上昇時のgeneralized rash(GR)や皮内テストを検討し,以下の知見を得た.1)SBPCおよびCET感作モルモットの血中抗体(IgG)をELISAで測定すると,感作後2週から前者で800倍,後者で100倍の抗体価が得られた.それらはboosterを続けることにより経時的に上昇した.2)CET感作モルモットにおいて血中抗体価の上昇に伴うGRの経時的変化を観察したが,抗体価の低い感作後早期と,抗体価の上昇した感作後後期で,その強さに明らかな差を認めなかった.これらはいずれも組織標本でGR誘発後48時間から72時間にかけて多数の好塩基球浸潤を示し,cutaneous basopil hypersensitivity(CBH)においてみられる所見を示した.3)血中抗体価の上昇した時点でSBPCとCET間の交叉反応をみた.血中抗体は一部交叉反応を示したが,GRと皮内反応は交叉反応を示さなかった.以上の結果から血中抗体のIgG分画とGRの間に明らかな関係は認められなかった.
  • 高橋 慶子
    1984 年 94 巻 5 号 p. 551-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    15~25歳までの女子痤瘡患者41名及び対照健康人29名について,月経周期別各種血中ホルモンすなわちFSH,LH,Estradiol(E2),Progesterone(P4),遊離型Dehydroepiandrosterone(f-DHA),抱合型Dehydroepiandrosterone(c-DHA),Testosterone(T),Dihydrotestosterone(DHT),Androstenedione(A),Cortisol(F)を測定比較し,本症と血中ホルモンとの関係を検討した.健康人との比較では,T,DHTは卵胞期,黄体期ともに健康人に比べ,有意の高値を示し,その傾向は黄体期により著明であった.f-DHAは周期分けしない場合は健康人との間に有意差はなかったが,周期別にしてみると黄体期にのみ本症患者が有意の高値を示した.一方AはこれらAndrogenの中ではむしろ低値傾向を示したが,有意差とはならなかった.その他のホルモンは健康人との間に有意差はみられなかった.次に本症患者の卵胞期と黄体期との比較では,Androgen値に関してはc-DHAを除き,いずれも平均値は黄体期に高値であったが,卵胞期との間に有意差はなかった.以上の結果,本症患者では血中T,DHT及びf-DHA値が高値であり,更に黄体期に増量の傾向のあったことから,月経前増悪と血中ホルモン値との密接な関係が示唆された.
  • 池谷 敏彦, 高間 弘道, 滋野 広, 吉井 才司, 中根 嘉郎
    1984 年 94 巻 5 号 p. 557-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Yersinia enterocolitica(以下Ye.e.と略す)感染に伴う結節性紅斑(以下ENと略す)の3例を報告するとともに,他の原因によるEN,多形滲出性紅斑,Yersinia胃腸炎および本邦においてこれまでに報告された同症の3例を合わせてその病態を比較検討した.Ye.e.感染に伴うENは6例とも抗Ye.e.血清による血清凝集反応は陽性であり,糞便培養により5例からYe.e.O3が分離された.臨床的には全例にEN出現前に腹痛,下痢,腹部不快感などの腹部症状があり,その他発熱,関節痛がみられた.他の原因によるENに比較的頻度の高い上気感染症状はみられなかった.Yersinia腸炎はSalmonellaによる腸炎と比較して決してまれな疾患ではなく,またYe.e.感染に伴うENの出現頻度は欧米の報告とほぼ一致し,皮膚科領域においても腹部症状を伴うENに対してYe.e.の検索が必要である.
  • 森嶋 隆文, 清村 妙子, 渡辺 昌
    1984 年 94 巻 5 号 p. 569-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    播種状黄色腫の成人例を報告するとともに播種状黄色腫3例とHand-Schuller-Christian病3例とを被験材料とし,S100蛋白,リゾチームとNCAとを免疫組織化学的に検索し,両疾患の異同について検討した.その結果,播種状黄色腫病巣中にみられる組織球,泡沫細胞やTouton巨細胞はS100-,LyS+,NCA+であって単球一大食細胞系組織球由来を,Hand-Schuler-Christian病々巣中の異型組織球はS100+,LyS-,NCA-であってT-zone系組織球由来を示唆する所見であった.臨床的,病理組織学的および免疫組織化学的にも両疾患はそれぞれ別症であると考えられた.
  • 清水 正之, 小西 清隆, 谷口 芳記
    1984 年 94 巻 5 号 p. 575-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Infantile digital fibromatosisの再発例で組織培養法および電顕的に腫瘍細胞の微細構造を検討した.患者は6歳7ヵ月,女児.1歳8ヵ月時左中指,環指に腫瘤出現切除,再発は左環指の前回手術摘除部に近接して発生した.腫瘍細胞の組織培養によっても,細胞質内の好酸性微細顆粒状の封人体が作られることをみとめ,その数は培養細胞100箇に対して4~7箇であった.電顕的に封入体は中央部が細顆粒状に辺縁部では細線維よりなり,あるものは細胞質内に尾を引くような線維束を有していたが,dense bodyはみとめられなかった.さらに粗面小胞体内に約20nm周期の電子密度の高い部分を有する格子縞構造物をみとめ,試料傾斜装置により,6角管状構造をとることを明らかにした.しかしこの構造物は培養腫瘍細胞内にはみとめられなかった.
  • 山崎 紘之
    1984 年 94 巻 5 号 p. 583-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1)C57BLマウス陰嚢皮膚には真皮乳頭層より上層にかけて真皮メラノサイトが多数存在している.従ってこの陰嚢皮膚は真皮メラノサイトによる色素斑に対する雪状炭酸圧抵法の機序を研究するモデル皮膚として用いることが出来る.2)光顕上,雪状炭酸圧抵後30分ですでにメラニン顆粒の真皮内拡散がみとめられ,ついで2時間後にマスト細胞顆粒の拡散が顕著となった.圧抵後6時間で単核球,白血球の浸潤がみられ,24時間後にそれらによる貪食像がみとめられた.リンパ管内にもメラニンを貪食した細胞がみとめられ,この貪食細胞の数は3日目に著しく多かった.3)電顕上,雪状炭酸圧抵後30分で膠原線維間に遊離のメラノソームを多数認めたが圧抵後60分でほぼ消失した.光顕上拡散した微小なメラニン顆粒はこの真皮内に遊離したメラノソームに相当すると考えられる.圧抵後60分で局所リンパ節にメラニン顆粒の増加がみられ,又,マスト細胞内にメラノソームを多数みとめた.しかし,圧抵後2時間でメラノフェージ,メラノソームを貪食したマスト細胞の細胞膜は完全に消失し,メラノソーム,マスト細胞顆粒は再び真皮中に遊離の状態で存在した.6時間後,多核白血球,単核球が遊走して来,メラノソーム及びマスト細胞顆粒を多数貪食している像がみとめられた.4)圧抵局所皮膚の経時的なSHプロテアーゼの活性化は著しくなかった.又,プラスミンの活性化はみとめられなかった.5)雪状炭酸圧抵を繰り返すことにより真皮中のメラニン色素が減少する理由は,メラニン顆粒が,a)痂皮中に含まれて外界に去ること,b)リンパ節へ運ばれることにより減少するためである.
  • 小林 與市
    1984 年 94 巻 5 号 p. 599-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    汎発性強皮症(PSS)におけるリンパ系細胞産生物の線維芽細胞に対する影響をみるため,健常者由来末梢単核球をコンカナバリンA―セファローズ(Con A-S)を用いて刺激し培養した上清の健常者及びPSS患者由来線維芽細胞に対する影響を検討し,以下の結果を得た.1.健常者末梢単核球のCon A-S刺激培養上清中に,健常者皮膚由来線維芽細胞の増殖を促進する因子が存在した.当因子はPSS患者末梢単核球培養上清中にも認められた.当因子の増殖促進度は健常者由来線維芽細胞の培養継代数の多寡に関わりなく,また.真皮の乳頭層,網状層及びそれより下層のそれぞれの層から得た線維芽細胞のいずれにも,同程度の増殖促進活性を示した.一方,PSS患者線維芽細胞では,浮腫性硬化期および硬化期初期に得た細胞に対して,当因子は増殖的に働き,硬化期および委縮期のそれに対しては増殖阻止的に作用した.また,当因子を瘢痕由来線維芽細胞に作用した場合,増殖促進効果は認められなかった.2.健常者及びPSS患者由来線維芽細胞のコラーゲン,非コラーゲン蛋白合成に及ぼす当因子の影響を検討したところ,蛋白合成促進作用は一部の線維芽細胞においてのみ観察され,PSS由来線維芽細胞の蛋白合成における当因子の影響の特徴を見い出せなかった.以上より,PSS由来線維芽細胞はリンパ系細胞由来線維芽細胞増殖促進因子に対して,反応性が病期の進行とともに低下する可能性が考えられ,PSSの病態を考える上で,興味ある現象と考えられる.
  • 西岡 清, 片山 一朗, 佐野 榮春, 土肥 義胤
    1984 年 94 巻 5 号 p. 611-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    マウスにジェトロフルオロベンゼン(DNFB)の1回塗布を行い,所属リンパ節の動態を観察し,塗布後1.5日と4日に3Hチミジン取り込みがピークになる2相性の反応が起ることを見いだした.塗布後1.5日に低いピークを示す細胞(1.5d細胞)は,ナイロンウール付着性,放射線感受性,Lyt-1+,2+のTリンパ球で,ジニトロベンゼンスルフォン酸(DNBS)添加で反応しないサブセットであった.一方,塗布後4日に高いピークを示す細胞(4d細胞)は,ナイロンウール非付着性,放射線感受性,Lyt-1+,2-のTリンパ球で,DNBS存在下で増殖反応を示したことから,MoorheadのTprlfに相当するTリンパ球サブセットと考えた.
  • 阿部 順一, 中野 俊二, 笹井 陽一郎
    1984 年 94 巻 5 号 p. 615-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    2,3の水疱性疾患における水疱について水疱内腔面の水疱蓋と水痘底の部分を走査電顕を用いて検索し,次の如き結果を得た.1.尋常性天疱瘡水疱底表面では基底細胞が“墓石状”に配到していた.水疱蓋表面では有棘細胞が無融解をおこして円形化しつつある所見が得られた.2.家族性良性慢性天疱瘡水疱底表面では基底細胞に被われた真皮乳頭の突出,水疱蓋表面では有棘細胞間の開大,有棘細胞の微絨毛の延長,分岐がみられた.3.水疱性類天疱瘡水疱底表面には基底膜様構造,水疱蓋表面では多角形,微絨毛を有する基底細胞が観察された.4.優性遺伝性栄養障害型表皮水疱症水疱底表面には膠原線維よりなる線維網,水疱蓋表面には基底膜様構造がみられた.これらにより,水疱の内腔面の走査電顕による観察は,裂隙形成部位,さらには水疱の動態の検索に極めて有用であることが示された.
  • 1984 年 94 巻 5 号 p. 619-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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