日本皮膚科学会雑誌
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88 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 久木田 淳, 佐久間 将夫, 玉置 邦彦, 清寺 真, 三浦 隆, 酉抜 和喜夫, 戸田 浄, 井村 真
    1978 年 88 巻 6 号 p. 383-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    汎発性尋常性乾癬に対する PUVA 療法の有効性と安全性を確認するため, Photomedicine Reserch Group の提唱するプロトコールに準拠し,三施設共同で70例について治験を行った.本治験要領は従来の Blacklight 療法と基本的には同じだが,光源には新開発の Sylvania 製 40W 蛍光管を用いた長波長紫外線照射装置が使用され,照射も原則として決められたスケジュール通りに行なわれる. 治療成績は寛解 36例(51.4%),著効17例 (24.2%),有効11例 (15.7%),無効4例(5.7%),脱落2例(3.0%)であり,寛解例における照射回数,照射量の平均は各々18回, 139.3J/黴€3 であった.この成績は Caucasoids を対象として行い,既に報告されているものと比べて劣るが,この理由として MongoloidsはCaucasoids に比べて皮膚黒化容量が高く,紫外線防御能が照射回数を増すにつれて著しく高まり,スケジュール通りの治療では照射不足になるため,と考えられる.病型別にみた反応性は滴状型,局面型,紅皮症型の順で優っていた.寛解期間は副腎皮質ホルモン軟膏密封療法に比べて絶対的に長い.急性の副作用は癈岸 (25.7%) を除けば発症頻度は極めて低く,一般検査所見にも全く異常ぱみられなかった.Mongoloids に関しては照射方法にまだ改良の余地を残すが, PUVA 療法は現時点では有効性と安全性とを合せ持ち,汎発性尋常性乾癬患者にまず試みるべき治療法と考えられる.
  • 飯島 正文, 滝沢 清宏, 大原 国章, 梅田 隆, 奥住 捷子, 清水 喜八郎, 高橋 昭三
    1978 年 88 巻 6 号 p. 389-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Mycobacterium fortuitum による皮膚非定型抗酸菌症の1例を報告した.左鼡径リンパ節炎を惹起し,左蝋径部から陰嚢,左腸骨稜部におよぶ広範な病巣を呈した自験例は,M. fortuitum 皮膚感染症の本邦第2例目に相当し,その臨床経過ならびに化学療法の有用性にっき若干の記述を加えた.
  • 植田 直則
    1978 年 88 巻 6 号 p. 399-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    Methylcholanthrene 誘発のモルモット可移植性腫瘍から調製した U-1 腫瘍細胞浮遊液を音波で破壊し,その腫瘍細胞破壊液を超遠心法によって可溶化し,それを U-1可溶性腫瘍抗原として Freund の完全アジュバソトと共に,同系正常モルモットの Footpads と頚部に皮下注射し,遅延型皮膚アレルギーの誘導,ならびにその免疫原性を検討したところ,特異的遅延型皮膚反応は腫瘍免疫感作後7日目より発現し,5週前後において最も安定した強い反応が認められた.この時期に,一定量の U-1 腫瘍生細胞を皮下または静脈内に challenge したところ,著明な抗腫瘍活性が認められた.すなわち,皮下 challenge 群では,有意な腫瘍の生着抑制,または阻止がみられ,また,静脈内 challenge 群でも,肺臓において未処置群と比べて,顕著な腫瘍の生着阻止が認められた. 以上の諸知見より, U-1 可溶性腫瘍抗原に遅延型皮膚反応や,移植抵抗性を腫瘍特異的に惹起しうる十分強い抗原活性の含まれていることがわかった.
  • 森嶋 隆文, 花輪 滋, 石川 豊祥, 遠藤 幹夫
    1978 年 88 巻 6 号 p. 411-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    人皮膚グロ-ムスの自律神経支配の一端を蛍光法 (Falck & Hillarp) をもって検索したところ, Suquet-Hover 管には極めて特有なアドレナリン(モノアミン)作動神経支配がみられることを知った.すなわち,アドレナリン作動神経はあたかも糸巻きに巻いた糸のように Suquet-Hoyer 管を囲縮して鞘のように翻密に分布している.また,これら神経は正常皮膚の動脈にみられると同様に,中膜筋層に相当するグロームス細胞層内に貫入せず,外膜に位置して varicose axon ramifications の状態を示す.周知の如く,人の指趾,掌蹠,耳,眼険,頚部,前額部,口唇部などの皮膚にはグロームスと呼ばれる特殊な動静脈吻合が存在し,末梢血流循環調節や体温調節を司っている.グロームス装置のうち,特徴的な構築を示すのは Suquet-Hoyer canal とも呼称されている吻合血管動脈部である1)2) すなわち,管腔は狭く,内弾性板を欠き,中層は今日,電顕的芦に平滑筋細胞由来とされている,4~6層のグロームス細胞とからなり,さらに,その周囲には豊富な神経支配が認められる. このようにグロ-ムスの基本的構造は吻合血管と神経装置とからなるといえる. Suquet-Hoyer 管の支配神経に関し,神経染色3)や電顕的観察2)によって無髄神経の存在が指摘され,また特異的コリンエステラーゼ染色4)の結果からコリン作動神経に属することも確認されている.人皮膚グロームスにおけるアドレナリン(モノアミン)作動神経支配の存在も予想されるとはいえ,これに関する研究はいまだ乏しいように思われる.そこで,蛍光法 (Falck & Hillarp) を用いて人皮膚グロームスのアドレナリン作動神経支配の様相を検索することにした.
  • 1978 年 88 巻 6 号 p. 415-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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