日本皮膚科学会雑誌
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103 巻 , 14 号
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  • 小宮根 真弓, 渡部 義弘, 菊池 かな子, 中川 秀己, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1831-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    培養乾癬表皮細胞のinterleukin-8(IL-8)産生を,正常表皮細胞をコントロールとして比較検討した.すなわち,乾癬患者病変部皮膚及び健常人正常皮膚より表皮細胞を培養し,無刺激下,transforming growth factor α(TGFα),tumor necrosis factor α(TNFα),interleukin-1 α(IL-1α)刺激下における培養上清中の濃度を,ELISA法にて測定,比較検討を行った.乾癬患者病変部表皮細胞の無刺激下でのIL-8産生は健常人正常表皮に比べ亢進しており,IL-1α刺激によりさらに産生は促進した.また無刺激下における値と,IL-1α刺激後の値の比率は正常表皮細胞の方がより高値であった.一方,TGFα,TNFαにはこのような有意な効果は認められなかった.IL-8は好中球遊走能促進作用および表皮細胞殖促進作用を持つことが知られており,乾癬表皮細胞でIL-8の産生亢進は,その病理学的所見を裏付けるものと考えられた.
  • 山﨑 直也
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1837-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    悪性黒色腫の原発巣39例,転移巣9例と後天性色素性母斑10例について,蛍光顕微測光法により,それぞれの細胞核DNA量を測定し平均核DNA量と核DNA量のヒストグラムパターンの両面から解析を加えた.原発巣の平均核DNA量については,組織内の正常リンパ球をコントロールとし,その平均核DNA量を2Cで表したとき,悪性黒色腫の平均核DNA量は増加しており,後天性色素性母斑のそれに比べて有意に高値を示した.悪性黒色腫の生存例の平均核DNA量は死亡例に比て有意に低値を示した.また,原発巣切除後3年以内に所属リンパ節転移の見られた群は見られなかった群に比べて平均核DNA量が有意に高値を示した.さらに平均核DNA量3C未満の群の生存率は3C以上の群に比べて有意に良好であった.原発巣の核DNA量ヒストグラムをⅠからⅣの4型に分類した.悪性黒色腫のstage,Clark's level,Breslow's tumor thicknessとヒストグラムパターンとの間に悪性度についての関連がみられ,stageが進むほど,また浸潤が深部に達する症例ほど,ヒストグラムはaneuploid パタ― ンとなった.ヒストグラムパターン別に累積生存率を求めたところ,ヒストグラムが高度のaneuploidyを示すに従って生存率は低下し,パターンⅠとⅡ,およびパターンⅡとⅢの間を除いてすべての組み合わせにおいて有意差が認められた.同一症例の原発巣と転移巣の間の核DNA量の変化について検討したところ転移巣の平均核DNA量は原発巣のそれに比べて有意に増加していた.また,ヒストグラムパターンは9例中7例で原発巣と転移巣の間で変化は見られなかった.
  • 酒井 達, 田中 智英, 森田 豊, 佐藤 加名, 日比 孝, 大沢 重光, 中条 茂男, 中谷 一泰
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1851-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    Geranylgeranylacetone(GGA)および類縁化合物(Geraniol,Farnesol,Geranylacetone,Farnesylacetone,Gefaronate)のチロシナーゼ活性阻害およびB16メラノーマ培養細胞に対するメラニン生成抑制作用について検討した.GGAおよび類縁化合物のチロシナーゼ活性阻害作用(L-Dopa→Dopa-quinone)は,3.0×10-3Mにおいてすべて認められなかった.一方,GGAのB16メラノーマ細胞に対するメラニン生成抑制作用は,細胞増殖阻害を示さない低濃度(9.0×10-6M)で無添加に比べて20%の抑制を示した.また,eumelaninおよびpheomelaninを測定した結果,eumelanin/pheomelaninの比は0.22から0.05まで低下していた.一方,その他の類縁化合物にはメラニン生成抑制作用は認められなかった.GGA添加によるB16メラノーマ細胞内チロシナーゼ活性を測定したところチロシナーゼ活性はコントロ―ルに比べT1およびT3ともに減少していた.このことからGGAは,細胞内チロシナーゼの合成を抑制していることが示唆された.
  • 渡邊 孝宏, 土田 哲也, 宮内 寿浩, 盛岡 奈緒子, 黒瀬 信行, 上田 純嗣, 石橋 康正
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1857-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    LE profundusの皮疹を有する自験LE患者16例を対象として,本皮疹を有する患者群がLEの中でどのようなclinical subsetを形成するかについて検討した.本皮疹を単独に有する患者の大部分はintermediate LE(軽度の全身症状及び検査値異常を伴うLE)であり,他のLEの皮疹を合併した例でも,malar erythema等exudative erythemaの皮疹を合併した2例を除きLEの全身症状は軽度であった.また,本皮疹の病理組織像を詳細かつ系統的に検討した結果,臨床的に表面にDLEの皮疹を伴っていた例がわずか2例であったにもかかわらず,全例において組織学的に表皮及び真皮浅層にDLEの皮疹と類似した所見が認められた.以上から,LE profundus の皮疹は臨床的にも組織学的にもDLEの皮疹と共通した特徴を有し,LEの多彩な皮膚症状の中でも特にDLEと密接に連続したスペクトラムとして位置づけられうるものと考えた.
  • 尾崎 元昭, 友田 政和
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1867-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    らいの新患発生の状況について,1981年から1991年の全国調査の結果を報告した.この間の新登録患者数は日本人320名(男195,女125,以下同),外国人24名(17,7)であった.1)日本人患者:年間新患数は1981年の47名(32,15)を最高に徐々に減少し,1990年より10名台になった.病型はLL・BL,BT・TTが多いM字型分布を示した.患者の出身地は沖縄県が総数の三分の二を占めたが,近年は本土とほぼ同数になっている.年齢分布は本土で高齢層にピークのある一峰性,沖縄県では若年層,中年層にもピークのある多峰性の分布を示した.若年発病者の減少が著しい.患者の22%に家族内発病者があり,感染源が判明していたのは21%であった.少数ながら配偶者からの感染があった.患者の発生は散発的で,新患周辺の集団発生を認を認めなかった.新患数の減少は奄美・沖縄での発生の減少によるところが大きく,沖縄でも本土型に移行してきている.新患数減少に伴い,男女比の接近,患者の高齢化,LL/TT比の接近,都市近郊での発見の増加などの現象が見られた.これらはらいの流行が終焉しつつあることを示唆するものと考える.2)外国人患者:患者出身地には移住の状況が如実に反映し,近年は南アメリカからの日系人患者が目立っている.少数となった日本人患者も含めて,らいの外来診療体制の整備が必要である.
  • 石井 則久, 杉田 泰之, 森口 暢子, 中嶋 弘
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1877-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    横浜市立大学医学部附属病院皮膚科外来におけるらい患者の統計を行った.1960年代は17人,1970年代は6人,1980年代は5人,1990年から1993年3月までは9人であった.1971年以降減少傾向がみられた.1990年からの9人はすべて外国人労働者であった.現在当科で治療・経過観察しているのは日本人2人,外国人7人の計9人である.外来診療においては,医療費,重症時の対応,遠隔地からの受診,勤務先との関係など考慮すべきことが多い.
  • 西嶋 攝子, 名村 章子, 三家 薫, 朝田 康夫
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1881-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    1977~1991年の15年間に皮膚感染病巣から分離された細菌の菌種の変遷と,Staphylococcus aureus(S. aureus)の分離された皮膚感染症の変貌,S. aureusのコアグラーゼ型(コ型),ファージ群(フ群)につき検討した.感染病巣から分離された細菌の菌種は,つねにブドウ球菌(Staphylococcus)が最優位であった.Staphylococcusの中ではS. aureusの占める割合が増加しており,coagulase negative staphylococci(CNS)が減少していた.S. aureusの中ではmethicillin resistant S. aureus(MRSA)の分離率が徐々に増加していた.連鎖球菌(Streptococcus)特にStreptococcus pyogenes(S. pyogenes)の分離に増加傾向は見られなかった.Gram negative rod(GNR)は年度による変動はみられるものの,およそ10~20%で推移していた.Pseudomonas aeruginosa(P. aeruginosa)の分離率のみ1986年度より急激に増加していた.S. aureusの分離された皮膚感染症は,この15年間に大きく変貌していた.一般的な感染症は減少し,潰瘍,褥瘡など遷延する二次感染病巣からの分離率が上昇していた.S. aureusのコ型ではⅣ型の減少とⅡ型の増加が特徴的であり,フ群ではⅠ,Ⅱ群が減少し,Ⅲ群が増加していた.コ型,フ群の変化はともに皮膚感染症の変貌,耐性菌の分離率などと相関していると考えられた.
  • 深谷 元継
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1889-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    菌状息肉症様のくすぶり型ATL(Adult T-cell lymphoma)の67歳男性に対しinterferon-y(ビオガンマR)による治療を試みたところCPK(creatin phosphokinase)の上昇をきたした.筋生検を施行し病理組織学的に検索したところ,血清カリウムの異常に伴うmyopathyであることか判明した.そこでinterferon-γ点滴静注直前直後の血清カリウムを測定したところ明らかな上昇を認めた.従ってCPKの上昇は間接的な意味でinterferon-γの副作用といえ本薬剤の使用にあたり注意を要すると考えられた.
  • 坂井 博之, 橋本 喜夫, 松尾 忍, 飯塚 一, 中尾 稔, 宮本 健司
    1993 年 103 巻 14 号 p. 1895-
    発行日: 1993年
    公開日: 2014/08/12
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    67歳,女.右耳介のダニ剌咬約1週間後に同部に浮腫性紅斑と右側末梢性顔面神経麻痺が出現した.マイクロカプセル凝集法により血清抗ボレリア抗体価160倍陽性を認め,ライム病による顔面神経麻痺と診断した.紅斑部の皮膚片の培養により,本邦の神経ボレリアとしては初めてボレリアの分離培養に成功した.
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