日本皮膚科学会雑誌
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98 巻, 5 号
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  • 関根 万里, 海野 俊雄
    1988 年 98 巻 5 号 p. 513-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    lysine残基側鎖と類似構造であり,また蛍光トレーサーとしてのmonodansyl cadaverineに対するphenol系化合物15種の結合能について検討し,今までに報告されたヒト及び動物の感作試験結果との比較を行った.この結果,in vivoで強感作物であるisoeugenol,isohomogenolはin vitroでも高い結合能を有し,in vivoで中等度感作物のengenol,acetyl isoeugenol,p-n-propyl phenolは,in vitroでも中等度,methyl isoeugenol,methyl eugenol,ethyl isoeugenol,acetyl eugenol,phenolのようにin vivoで感作の成立しないものは,in vitroでも結合物を生じないなど,in vivo testの結果とin vitroによる結合能との間にかなりの相関性を認めた.このことより,我々の開発したin vitro testが,物質感作能予知のスクリーニング法として簡便かつ有用であると考えた.
  • 村木 良一
    1988 年 98 巻 5 号 p. 521-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹皮疹部生検組織(22症例,26検体)を皮疹の性状に従って,紅斑,水疱,膿疱,潰瘍の4病期に分け,真皮浅層病変,ことに血管病変の推移につき病理組織学的に検討した.また,水疱期の3例について,真皮浅層における水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus,VZV)の波及を電顕的に検索した.(1)紅斑期には真皮浅層の小血管周囲に小円形細胞浸潤がみられるのみであったが,水疱期には浅層結合織,血管内皮に表皮Ballooning cell類似の腫大細胞を認め,ことに汎発例では血管内皮の著しい腫大,赤血球,白血球の血管外遊出がみられた.また,内皮の腫大に引き続いて血管周囲に好中球浸潤がみられた.膿疱・潰瘍期には細胞浸潤は多数の核破片を含み,血管壁の変性・壊死,血栓形成なども認められ,Leucocytoclastic vasuculitisに一致する所見を得た.以上から,本症ではVZV感染による血管内皮の腫大がLeucocytoclastic vasculitisの引きがねになっていると考えられた.また,血管炎に伴う血栓形成が潰瘍の発生に寄与すると思われた.(2)水疱期の電顕的観察では,真皮浅層のマクロファージ,小血管の周皮細胞,内皮細胞にウイルス粒子を認めた.マクロファージでは細胞質の空胞内にいろいろな形態の粒子を認めることが多いが,細胞によっては核,細胞質,細胞表面に多数の粒子がみられた.前者ではマクロファージ内でのVZVの変性・破壊を,後者ではVZVの増殖を示すと考えられた.血管内皮細胞でもVZVの増殖,細胞の変性がみられたが,ことに汎発例では,著しく腫大,変性した内皮様の細胞に多数のウイルス粒子を認めた.以上から血管内皮におけるVZVの増殖がウイルス血症,汎発化に関与すると考えられた.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1988 年 98 巻 5 号 p. 533-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    生後3日の新生仔ラット表皮より調製用等電点電気泳動を用いて,ヘマトキシリン染色陽性タンパクの部分精製を行った.そしてこのタンパクを抗原としてモノクローナル抗体を作成したところ,ケラトヒアリン顆粒と角層細胞膜に反応するモノクローナル抗体(Ted-R-1)およびケラトヒアリン顆粒のみと反応するモノクローナル抗体(Ted-R-2)の2種が得られた.またこれらの抗体が認識するタンパクバンドの分子量は抗原タンパクでは55kd,Tris-HCl抽出上清中では40~55kdタンパク数本が反応し,SDS-PAGEゲルを用いた一次元immunoblottingでのTed-R-1とTed-R-2の相違はみられなかった.
  • 服部 道廣
    1988 年 98 巻 5 号 p. 539-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    毛成長(Hair Growth)の制御機構を生化学的に解明する為,毛包組織を長斯間培養する方法に付き検討した.生後7から9日齢のC3Hマウス背部成長期毛は毛包組織が皮下脂肪組織まで発達しており,脂肪組織を機械的に剥離させることにより組織に損傷を与えることなく容易に毛包を露出させることが可能であった.毛包を露出させないで培養した場合,20%の牛胎仔血清(FCS)を添加したHam F12培地では2日目以降毛包構成細胞のDNA合成は認められなくなった.一方,毛包を露出させ培養した場合,20%FCS添加培地では,毛包構成細胞DNAへの3H-チミジンの取り込みは培養10日目まで認められた.以上より本培養系は毛成長の制御機構を生化学的に検討,解明する上で有用と思われた.次にFCS中の毛成長促進因子について検討した.FCSは露出毛包構成細胞のDNA合成を促進したが,この促進効果は,FCSを100℃で1分間加熱処理することにより消失した.しかしながら,FCSの透析処理あるいは活性炭処理では影響を受けなかった.FCS中の毛包構成細胞DNA合成の促進成分をゲルクロマトグラフィー及び陰イオンクロマトグラフィーにより部分精製した結果,ゲルクロマトグラム的に分子量約10万の単一ピーク中に含まれることが示唆された.一方,各種ホルモン及びホルモン様物質の毛成長に及ぼす影響を検討したところ,表皮増殖因子(EGF)あるいは線維芽細胞増殖因子(FGF)では毛包構成細胞DNA合成は促進されず,むしろEGFは抑制傾向を示した.又,女性ホルモンでは影響が認められなかったが,男性ホルモンの添加では抑制傾向が認められた.
  • 金 恵英, 川島 真, 中川 秀己, 石橋 康正, 吉川 裕之, 松倉 俊彦
    1988 年 98 巻 5 号 p. 547-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    尖圭コンジロームの邦人男子18例について,臨床,組織,免疫組織化学ならびに電顕学的検討を行い,さらに,分子生物学的にヒト乳頭腫ウイルスDNA(HPV DNA)の検出,同定を試みた.発症年齢は平均34歳で性的活動の活発な年齢層にみられ,ソープランドであるいは売春婦より感染したと思われる例が14例を数えた.感染機会から発症までの期間は平均6.3ヵ月であった.発生部位は,尿道口,亀頭,冠状溝,包皮,陰茎,肛囲と外陰部のみにみられ,他部位の疣贅を合併した例はみられなかった.臨床型では,角化傾向の乏しい小丘疹型が13例,強い角化を示す角化型が1例で,肛囲の4例はいずれも花野菜状を呈していた.診察し得た10名のsexual partnerのうち5名に尖圭コンジロームを認め,sexual partnerの診察および治療の重要性を痛感した.組織学的には表皮肥厚,乳頭腫症,空胞化細胞の出現を特徴としていたが,空胞化細胞をほとんど認めない例も4例みられた.免疫組織化学的にパピローマウイルス特異抗原の存在を検索したところ,12例(67%)で主として空胞化細胞の核に一致して陽性所見が認められた.電顕学的検討を行った10例全例で36~46nmの電子密度の高いウイルス粒子と考えられる粒子が観察され,その他,径200nm前後の辺縁が星芒状の粒子も認められた.生検材料より全細胞DNAを抽出し,blot hybridization法を用いて,HPV DNAの検出を行ったところ,全例で遊離型のHPV DNAの存在が証明され,そのタイプはHPV6a型7例,HPV6c型1例,HPV11a型7例,HPV6型およびHPV11型のいずれとも異なる型3例と同定され,欧米および邦人女子例とほぼ同様のタイプが検出されるものの,本邦の尖圭コンジロームの一部では,欧米とは異なるHPV型が関与していることが明らかになった.
  • 碇 優子
    1988 年 98 巻 5 号 p. 561-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    マウス可移植性皮膚辣細胞癌Sq14は腫瘍中心部に大量の貯留液を生じる.この稀な腫瘍増殖形態,貯留機序につき,新生血管に対する血管透過性亢進因子の関与をラット皮膚にて検討した.貯留液中のhistamine,serotonin,bradykininの増加は認めなかったが,prostaglandin E1,E2は極めて高値を示した.しかし,透析にも拘らず貯留液のラット皮膚に対する血管透過性は完全に抑制されず,さらに高分子量の血管透過性亢進因子の存在が示唆された.そして,陰イオン交換クロマトグラフィー,クロマトフォーカッシング手法にて,Sq14貯留液の血管透過性亢進因子の精製を試みたところ,分子量が約67,000および85,000の新しい2つの画分が得られた.これらの分子量はヒトtransferrinや牛albuminにおよそ相当する.
  • 陳 徳利, 中島 澄乃, 森岡 眞治, 小川 秀興
    1988 年 98 巻 5 号 p. 571-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    皮膚器官培養系におけるepibolyの形成は,表皮細胞の分裂と増殖には関係なく,既存の表皮細胞の遊走によって起きる現象であるとされている.今回我々は,表皮細胞遊走の新しい機序としてプロテアーゼの関与を想定しこれを明らかにする為に,新生マウス皮膚器官培養系に各種プロテアーゼ阻害剤を添加しepibolyの長さ即ち遊走長を培養24,48時間後に組織学的に測定し対照と比較検討した.就中,セリン系プロテアーゼの阻害剤であるcamostat mesilate添加培養にて,表皮細胞の遊走は明らかな濃度依存性を示して阻害された.即ち,表皮細胞の遊走にはある種のセリン系プロテアーゼが関与していることが示唆された.
  • 1988 年 98 巻 5 号 p. 575-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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