日本皮膚科学会雑誌
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88 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 安野 洋一, 前田 基彰, 佐藤 みち子, 西村 彰文, 清水 千賀, 西野 健一, 丸尾 充, 外松 茂太郎
    1978 年 88 巻 11 号 p. 677-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    成人皮膚を sponge matrix method により回転培養し,組織学的に,また autoradiography を用いて観察し,次の成績を得た. 1)培養1日目に細胞分裂がみられた.また表皮細胞が真皮断端を覆うように遊走を開始して,2日日には表皮上層に角層の新生がみられた. 2)3~4日目には表皮細胞の増殖が著明で,同時に角化層の肥厚が認められた. 3)5日目以降では有棘層は減少してくるものが多かった.9~10日目では著明な角層の蓄積とともにマルピギー層は著しく非薄となったが, DNA 合成は依然として認められた. 4) corticosteroid を添加した培養では,前半細胞増殖が若干抑制され,角層め形成も少量であった.しかし5日目以降でも有棘層の減少は殆んど起こらず,10~11日目においても表皮細胞は生存性が高く,構築もよべ維持され,さらに長期間の培養が可能であると思おれた. 以上の所見から,本法による培養が,十分に成人皮膚培養のモデルとして使用し得ると考えられた.
  • 上杉 孝
    1978 年 88 巻 11 号 p. 685-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    紫外線 (UV) 照射後に出現する表皮メラノサイト (MC) の数的増加の機序を明らかにする為,C 57BL/6 マウスを実験モデルとして選んだ.同マウス背部,足根部皮膚には,照射前には活性 MC は皆無であったが,UV-A (320~400nm) を連続14日間照射した所,活性 MC が出現した.これ等活性 MC の出現過程は4時期に分けられ得た.少数ながら照射第3期(6~7日目)には分裂像を示すMC (1.7~2.2%)が認められた.電顕下にて,活性 MC は,照射前より存在する不活性,DOPA 反応陰性 MC が活性化したものに由来する事が分かった.不活性 MC は, (a)樹枝状を呈し, (b) メラノソーム (MS), ラングルハンス顆粒等の特異的顆粒を有せず,(c)少数の細胞内小器官と, 100Å フィラメソトを有する細胞であった.電顕組織化学にて,これ等不活性 MC は UV 照射後,明らかなMSを産生する以前に DOPA 陽性小空胞,ゴルジ装置を有していた.これ等所見より UV 照射後に出現する MC は(a)既存の不活性 MC の活性化及び,(b)これ等細胞の分裂・増殖によるものであると考えられた.
  • 池澤 善郎, 藤田 敬一, 峯村 協成, 永井 隆吉
    1978 年 88 巻 11 号 p. 701-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    DNCB ないしクロム感作モルモットに可溶性ハプテンを全身投与すると,全身の皮膚に発赤が出現した (generalizedrash). 誘発24時間後の generalized rash の生検標本をギムザ染色することにより,著明な好塩基球浸潤が真皮乳頭層から 網状層上部にかけて認められた.また, DNCB 感作モルモットにおいてそのハプテン基である DNP 基を有する種々の conjugate を用いて, generalizedrash や局所の皮膚試験における DNP-specificity について検討したが, DNP・specificity は認められなかった.従って,少なくとも DNBSO3Na (DNBS) による generalized rash は,遅延型の time course を示すこと,著明な好塩基球浸潤がみられることおよび DNP-specificity がないことなどから, DNCB 貼布反応における cutaneous basophil hypersensitivity(CBH) と同様の性格を有し,その全身的表現である可能性が考えられた.
  • 藤田 益子, 秋元 隆道, 青木 敏之, 宮崎 加代子
    1978 年 88 巻 11 号 p. 709-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    各種め蕁麻疹患者叩例にアスピリンと安息香酸ソーダによる誘発試験を行ったところ,アスピリンでは急性蕁麻疹の 20,0% と慢性蕁麻疹の 31.6% が,安息香酸ソーダでは慢性蕁麻疹の 22.9% が症状の増悪を示したが機械性壽麻疹はいずれにも増悪を示さなかった.アスピリン陽性者の 33.3% は安息香酸ソーダにも陽性であった.アスピリン陽性群と陰性群の家塵皮内テスト陽性率に差がなかった.
  • 高橋 伸也, 佐藤 壮彦
    1978 年 88 巻 11 号 p. 715-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
    14歳男子の右拇指に生下時より存し,成長に比例した増人を示す3個の結節性皮疹を観察した.これらの皮疹は皮内結節として触知され,豌豆大ないし小指頭大,表面平滑,常色で,著しい局所性多汗症を伴う.主たる組織所見は,肥厚した真皮におけるエックリン汗腺の肥大,増生と排出管の拡張,迂曲で,細胞構築は正常,腫瘍性増殖はなく,また血管腫,線維腫,毛嚢・脂腺および色素母斑細胞の増生は認められなかった.アセチルコリン局所皮内注射による発汗試験によって,結節部にのみ顕著な発汗を証した.以上より自験例は,本邦ではいまだ報告をみないエックリン汗腺母斑と診断された.さらに海外原箸論文より収集した19例と自験例より,エックリン汁腺母斑の臨床ならびに組織学的性徴を概説し,本症は他の組織,器官の母斑性増殖合併の有無によって単純型と複合型とに分類されることを示した.
  • 1978 年 88 巻 11 号 p. 721-
    発行日: 1978年
    公開日: 2014/08/22
    ジャーナル 認証あり
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