日本皮膚科学会雑誌
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78 巻 , 8 号
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  • 小幡 宏子
    1968 年 78 巻 8 号 p. 669-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    黒色を呈する皮膚腫瘍に上皮性要素の増殖に因るものと,神経櫛起源性要素の増殖に因るものとの別を立てられたのは,故太田正雄教授(1940)を以て嚆矢とする.すなわち故太田教授は,上皮性要素の増殖に因つて生ずる黒色の腫瘍を黒色上皮腫と呼び,これに良性,前癌性,悪性の別を設けられた.その後の諸家の研究により,これら各階程に属するもののリストが豊富になり,そこに見られる諸現象に関する知見も甚だ詳かになつた.近年の電子顕微鏡的並びに生化学的研究によつて,メラニンの生成並びにその上皮細胞への授与に関しては,分子レベルにいたるまで種々詳かになつている.またMassonらの唱えた表皮二元説,すなわち表皮はマルピギー細胞とメラノサイトとの共棲体であるとする説も近時広く認識され,メラノサイトから表皮細胞にメラニンが与えられにくくなり,その結果メラノサイト内にメラニンが蓄積される状態をpigment blockadeと呼ぶことも,次第に広く行なわれつつある.しかしながらそれらの研究は主として正常メラノサイトや神経櫛起源性腫瘍について行なわれたものであつて,黒色上皮腫に関する近代的研究は比較的乏しい.黒色上皮腫のメラノサイトを見ると,樹枝状の呈するそのメラノサイト内に見られる光顕で明視しうるメラニンの顆粒は,この所見からメラノゾーム(melanosome)1個の大きさより遙かに大きいものと考えられるが,Drochmansが表皮内melanophagesの所見として,これとおぼしきものについて記載している以外に,この所見を電顕的に記載,意味づけたものを知らない.本論文は種々の黒色上皮腫につきメラノサイトを電顕的に追求し,またその所見を青色母斑細胞並びにいわゆる担色細胞のそれと比較,メラノサイト内におけるメラノゾームのdegradationにつき論じようとするものである.メラノサイトに関する用語に関しては,1965年開催されたThe Sixth International Pigment Cell Conferenceにおいてアンケートにしたがつて提案された用語がある.それによれば従来melanin granuleと呼ばれたものは,melanosomeとなり,従来melanosomeと呼ばれたものおよびpremelanosomeと呼ばれたものの双方がpremelanosomeとなつている.メラノゾームの発見者の1人清寺教授も必ずしもこれにしたがつていないが,自家所見の記載には一応そこで提案された用語にしたがつた.但し担色細胞(chromatophore)に対してはmacrophageの用語が提案されているが,その総てを貪喰細胞としてよいかに関しては多少の疑義があるので,macrophageの語を避け,従来の担色細胞をそのまま用いた.
  • 石川 英一, 矢尾板 英夫
    1968 年 78 巻 8 号 p. 705-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    Epidermolysis bullosa dystrophicaはCockayne(1933),およびTouraine(1942)の分類以来,第1型Epidermolysis bullosa hyperplastica,第2型Epidermolysis bullosa polydysplasticaとに分けられている(第1表a).またEpidermolysis bullosa et albo-papuloidea(Pasini)は第1型に属し,第1型の特徴である優性遺伝を示すとされて来ている(第1表b).しかしながら,Leinbrock(1956)は,Epidermolysis bullosa et albo-papuloideaと第2型に属するEpidermolysis bullosa(polydystrophica) et ulcero-vegetans(Nicolas,Moutot u Charlet)の合併例を報告している.またEpidermolysis bullosa et albo-papuloideaの中にも第2型に見られるような脳症状,知能障害,ボルフイリン尿を示す例も少なくなく,さらにEpidermolysis bullosa et albo-papuloideaのすべてが優性遺伝を示すとは限らない(特にフランス語学派でこの方面の報告が多い.森嶋参照).したがつて現在の大勢では,先に述べたTouraineの分類に固執せず,Epidermolysis bullosa et albo-papuloideaを含めたEpidermolysis bullosa dystrophicaは,多種多様の症状を有する1群の症例を包括する疾患と考えた方がよく,その1部の定型的症例のみが遺伝-形態学的にTouraineの分類によく適合すると考えておいた方が良いかに思われる.先に石川・堀(1964)は,Epidermolysis bullosa polydystrophica et ulcero-vegetans類似の結節(皮内および皮下)を有しながら,Epidermolysis bullosa hereditariaに特有な原発性水疱形成を認めない1特異例を経験,その病変組織の組織学的,組織化学的検索の結果,同症は一種の間葉組織系の異常症,特に基質である糖蛋白の沈着症であるとの見地から,Systematisierte Hyalinoseと仮称,報告した.なお同様の症例は1962年S. Pureticらによつても1種のcongenital mesenchymal dysplasiaとして報告されている.それはそれとして,Epidermolysis bullosa et albopapuloideaは臨床上,Pasini(1928)の最初の報告以来,いわゆるEpidermolysis bullosa hereditaria dystrophicaとしての共通症状以外に,白色時に紅色の小結節が原発性に躯幹および四肢の躯幹寄りに認められるのが特徴である.
  • 小林 明博
    1968 年 78 巻 8 号 p. 722-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    表在性真菌症における菌寄生部位は,組織学的検査によつて知られているように,角層およびその変形物たる爪及び毛に限られ(necrophilic fungi),それより深い生活細胞に菌を見ないことが常である.したがつて角層を剥離することにより,菌の寄生状態についての知見が得られるが,従来の研究の多くは角層をメスで剥離し,前後左右の連続性を破潰し,若しくは鋏のようなもので採取した場合でも,狭い範囲を採るに過ぎない上,苛性加里処理で標本が破潰されるので,菌要素の角質内での位置や,菌要素間相互の位置関係についての知見は乏しい憾みがある.Wolfは,Adhasiv celluloid Streifenを用いて表在角層を剥離し,これを直接鏡検,若しくは硝子面上
  • 野崎 憲久, 横田 徳久
    1968 年 78 巻 8 号 p. 756-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
    難治性の尋常性白斑において8-methoxypsoralen療法を長期に亘り継続投与を続行するに拘らず,ほとんど見るべき効果をあげ得ぬ例も少なくないが,われわれはかかる症例に対し点状皮膚移植法を考案し,かなり優れた有効性を確認し,既に報告した.今回は,この方法による脱色素部皮膚内の色素再現機序を,組織化学的に検索すると同時に,本法をさらに進展せしめて自家移植片のみならず,他家点状皮膚移植片,単一自家毛嚢移植法についても,症例実験を行ないその成績を検討した.
  • 1968 年 78 巻 8 号 p. 758-
    発行日: 1968年
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル 認証あり
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