日本皮膚科学会雑誌
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105 巻 , 2 号
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  • 1995 年 105 巻 2 号 p. 103-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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  • 石重 明
    1995 年 105 巻 2 号 p. 107-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    インスリン様細胞増殖因子(insulin-like growth factor,IGF)とその結合タンパク(binding protein,BP)の相互作用をin vitroの系,即ち培養ケラチノサイトを用いた実験系と動物モデル(in vivo)の系を用いて創傷治癒の観点から検討した.まず培養ヒト・ケラチノサイトにIGF-IとBP-1を単独ないし同時に添加して5日間培養し,細胞増殖に及ぼす影響を観察した.IGF-Iの細胞増殖促進能は単独では0.4ng/ml以上で認められ,BP-1単独の促進作用はほとんど認められなかった.しかし,IGF-I(2ng/ml)とBP-1(2ng/ml)を同時に投与するとIGF-I単独投与群に比較し,増殖促進能は2.6倍となった.次に正常家兎の創傷モデルを用いて,IGF-IとBP-1の創傷治癒に対する作用を検討した.家兎の耳介内側に直径6mmの全層皮膚欠損創を作製し,手術直後に1回だけIGF-IとBP-1を投与し,閉鎖創として7日目に屠殺して創傷部位を組織学的に検討した.創傷治療促進能を再上皮化,肉芽組織面積,血管数の3つの要素について評価したところ,IGF-I(10μg)単独投与群に比較して,IGF-I(10μg),BP-1(33μg)同時投与群で有意に創傷治療が促進した.BP-1がIGF-Iの作用を増強する機序については明らかではないが,細胞外でIGF-Iと結合することにより,IGFの分解を防ぎ,また細胞表面への接着を容易にしていることが考えられた.また,今回の実験結果からIGF-IとBP-1が創傷治癒促進剤として,将来は臨床使用が可能なことも示唆された.
  • 北原 隆
    1995 年 105 巻 2 号 p. 113-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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    従来我々は,ケラチン組成を解析することにより,爪は皮膚角質細胞と毛髪構成細胞の角化特性を併せ持つ興味深い組織であることを報告してきた.本報告では,ケラチン以外に皮膚角質の分化マーカーであるフィラグリンおよび毛髪組織の分化マーカーであるhigh-sulfur-proteinsについて,爪母組織におけるこれらの発現を検討した.また爪母組織で認められた角化特性を培養系を用いて更に詳細に検証した.その結果,①後爪廓表皮部分から爪母背側部さらに爪根部の大部分にフィラグリンが分布すること.②high-sulfur-proteinsは爪母腹側部上層から爪甲部にかけて分布することが示された.これらの結果は,我々が既に報告したケラチンの発現パターンからみた解析結果,即ち爪母では皮膚角質様および毛髪様の角化様式を示す細胞が存在することを別のマーカーを用いて確認するものであった.更に,③爪母の毛髪様細胞を培養すると,毛髪ケラチンに加え皮膚角質に特異なK1/K10ケラチンも発現されることが認められた.
  • 吉川 康之, 丸山 幸治, 張 建中, 小嶋 幸夫, 金子 史男
    1995 年 105 巻 2 号 p. 123-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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    アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)病変部におけるinterleukin(IL)-6と表皮細胞の増殖表現としてのproliferating cell nuclear antigen(PCNA)の発現を免疫組織学的に検討した.PCNAの発現に関してはADの苔癬化病変部を正常皮膚,尋常性乾癬(psoriasis vulgaris;PV)および水疱性疾患(bullous disease;BD)の表皮細胞についても比較検討するとともに,培養正常ヒト角化細胞(normal human keratinocytes;NHKs)の増殖とPCNA発現誘導の関連性についてrecombinant(r)IL-6を用いた細胞刺激により検討した.免疫組織学的所見では苔癬化AD病変部にIL-6は表皮角化細胞および有棘細胞間に認められ,PV病変部も同様であったが,正常皮膚ではほとんど検出できなかった.一方,PCNA陽性細胞はADおよびPVでは基底細胞および有棘細胞にびまん性に存在し,正常皮膚では基底細胞と傍基底細胞に散在性に認められた.ADの表皮細胞数に対するPCNA陽性細胞率は,PVに比べて低く,正常皮膚およびBD病変部に比して有意に高値であった.培養NHKsはrIL-6により濃度依存的に増殖が促進され,そのPCNA発現は無刺激時に比してrIL-6刺激により増加した.以上の結果から,AD病変部におけるIL-6は表皮角化細胞のPCNA発現誘導とその増殖を亢進させ,苔癬化病変の形成に関与する可能性が示唆された.
  • 下江 敬生, 牧野 英一, 鳥越 利加子, 山田 琢, 松浦 能子, 森下 佳子, 神崎 寛子, 秋山 尚範, 荒田 次郎
    1995 年 105 巻 2 号 p. 131-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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    皮膚科領域より1990年10月から1993年9月の期間,黄色ブドウ球菌を分離し,各種薬剤の感受性,コアグラーゼ型,β-ラクタマーゼ測定,およびPCR法によるmecA遺伝子の検出を行った.皮膚細菌感染症病巣から分離した黄色ブドウ球菌149株のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の頻度は40.3%であった.各抗菌薬に対する感受性は,MIC50でみるとimipenem(IPM),rifampicin(REP),tosufloxacin(TFLX),MIC90ではvancomycin(VCM),IPM,fusidic acid(FA)が良好であった.コアグラーゼ型別試験では全体としてⅦ型が最も多く,MRSAに関してはⅣ型,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)ではⅦ型が多い点は以前と同様であったがⅡ型のMRSAが急増しⅣ型より多くなっていた.疾患別では深在性膿皮症(dv,癰など)でⅣ型,伝染性膿痂疹でⅠ,Ⅴ型が多い傾向に変りなかった.β-ラクタマーゼ産生能は陽性72.5%であり,MRSA(65.0%)はMSSA(77.5%)より陽性株が少なかった.60株について測定したmecA遺伝子はMPIPCのMICが8μg/ml以上の株は全て陽性であり,2μg/ml以下は全て陰性であった.一方,アトピー性皮膚炎の湿潤表面から分離した黄色ブドウ球菌148株のMRSAの頻度は31.1%で皮膚感染病巣から分離した黄色ブドウ球菌より少なかったもののかなりの高率であった.コアグラーゼ型別試験ではⅠ,Ⅲ,Ⅵ型が多く,Ⅳ型が少なかった.β-ラクタマーゼ産生能は陽性菌が87.8%であり,感染病巣由来株より陽性率は高かった.
  • 菊池 新, 清水 宏, 西川 武二, 岡本 真一郎, 池田 康夫
    1995 年 105 巻 2 号 p. 139-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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    慶大皮膚科において1980年~1994年に経験した特異疹を認めた皮膚白血病13症例(ATLを除く)につき,臨床的・病理組織学的に検討した.年齢は2歳~72歳に認められたが,1例を除き壮年以降に発症し,男女比は6:7であった.皮疹の臨床所見は,浸潤をともなう紅斑5例,丘疹~小結節4例,多発性の腫瘤1例,皮下硬結1例,紅斑・丘疹・小結節・紫斑を混じるもの1例,紅皮症1例であった.病理組織学的には,真皮にびまん性に白血病細胞の浸潤を認めるものが多く,特に膠原線維間への密な浸潤が特徴的所見であった.腫瘤を形成するものでは,胞巣内に分裂像をともなう白血病細胞が多数認められ,いわゆる肉腫様の組織像を呈していた.今回の結果より,皮膚白血病は臨床・病理組織学的に非常に多様性に富む疾患群であり,それぞれの発生頻度,予後は原疾患に依存することが示唆された.
  • 斉藤 浩
    1995 年 105 巻 2 号 p. 147-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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    乳房外パジェット病(EMPD)は,多くは外陰部に発生するが,時に腋窩や他の部位に多発性に発生することが知られ,ダブルあるいはトリプルパジェット病として報告されている.これらの中には臨床的に明らかな皮疹を認めないにもかかわらず,組織学的にパジェット細胞を確認した症例もみられる.我々はこの潜在病変の有無を検討する目的で,昭和60年4月以後,外陰部パジェット病患者16名の腋窩,乳頭無疹部生検を行った.結果は両側腋窩2例,片側腋窩1例,乳頭1例に組織学的にパジェット細胞を認め,いわゆるOccult Paget's Disease(OPD)を確認した.各種染色所見は4例とも外陰部とほぼ同様の結果を示し,パジェット病の多中心性の発生を示唆する所見と思われた.またOPDは自験例を含め文献的にも1例を除き全例男性例であり,この明らかな性差は本症の発症機序を考えた場合,大変興味深い.我々はOPDもEMPDと同様の腫瘍として取り扱い,全例切除している.
  • 1995 年 105 巻 2 号 p. 153-
    発行日: 1995年
    公開日: 2014/08/13
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