日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 8 号
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  • 谷井 司
    1985 年 95 巻 8 号 p. 845-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    改良コイルプラネット型遠心分離機を用いてラット肥満細胞を純粋分離した.分離した肥満細胞は平均97%の純度で,形態学的に分離前と差がみられず,生物学的活性も保持していた.この肥満細胞を用いてラット肥満細胞脱顆粒試験の再評価を行った.慢性蕁麻疹患者血清とラット肥満細胞および皮内反応陽性抗原を反応させると抗原特異的な脱顆粒ないしヒスタミン遊離が若干例で認められた.しかし,ヒト血清添加による抗原特異的でない反応が高率に認められた.この反応の原因を追求するため,EDTAによる反応液中のCa++の減量,ヒト血清の熱処理(56℃,30分間),ヒト血清のラット赤血球による吸収試験を行い,それぞれでこの反応が抑制された.その結果,この非特異的な反応はヒト血清中のheterophil antibodyと補体が関与すると推定した.ヒト血清のラット赤血球による吸収操作により非特異的な反応を抑制して,再度ラット肥満細胞脱顆粒試験を施行したところ,軽度の抗原特異的なヒスタミン遊離が認められた.この反応がIgE抗体によるものか,それ以外の因子によるものかを調べるため,IgE型の反応増幅剤であるphosphatidylserineを添加してラット肥満細胞脱顆粒試験を行ったが抗原特異的な反応はみられず,上記の抗原特異的な反応はIgE抗体以外の因子によるものと推定した.以上のことより純粋分離した肥満細胞を用いたラット肥満細胞脱顆粒試験はIgE抗体の検出法としては不適と考えられるが,肥満細胞に対する血清の直接作用をみれるという点で,アレルギー患者血清中の種々の肥満細胞傷害因子の検索に有用と考えられた.
  • 鎌田 英明, 早川 道郎, 鈴木 啓之
    1985 年 95 巻 8 号 p. 859-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    哺乳類皮膚の触覚受容器とされる毛盤をラット腹部皮膚を材料として走査電顕を用いてその形態および数の変動を観察し,先に発表したマウスの毛盤と比較した.ラットの毛盤も皮表面より突出する隆起物として認められ,剛毛を必ず一本伴っていた.これはマウスの毛盤とほぼ同一の形態であったが,先に発表したごとくマウスでは2型に分類が可能であったがラットではこの様な分類は不可能であった.毛盤数の変動はマウスとほぼ類似の結果を示し,ラットの日齢に伴う体表面積の増加に伴い,一定面積内の毛盤の数が減少することから毛盤の数は生下時より一定であることが示唆された.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1985 年 95 巻 8 号 p. 863-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1.新生仔ラットの表皮を用い,Phenylmethylsulfonyl fluoride(PMSF)(10μg/ml)をふくむ,①50mM Tris-HCI(pH 7.3)buffer,②4M Ureaをふくむ50mM Tris-HCI(pH 7.3)buffer,③8M Ureaをふくむ50mM Tris-HCI(pH 9.0)buffer 3液で順次抽出を行い,それぞれの残査についてヘマトキシリン染色し,同染色法陽性タンパク質の抽出程度を調べたところ,Tris-HCI抽出残査でかなりの減少がみられた.2.混在する核酸の影響を除去するため,あらかじめPoly(U)-Sepharose 4Bカラムを通した溶液を等電点電気泳動し,ヘマトキシリン染色したところ,Tris-HCI buffer抽出上清で等電点4.7に同染色陽性のバンドがみられた.3.このタンパク質の分子量をSDS-PAGEで推定したところ約14,500であった.4.このタンパク質の構成アミノ酸はGly(14.99%),Glu(12.95%),Ser(10.98%)が多く,Met(trace),Cysteic acid(0.7%)が少かった.またHis含量は1.86%と低値を示した.
  • 成沢 寛, 日野 由和夫, 幸田 弘
    1985 年 95 巻 8 号 p. 869-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    Gardner症候群(以下G症と略)1家系3名より得られた16個の嚢腫性病変について,病理学的検討を行なった.通常の表皮嚢腫を思わせるが,注意深く観察すると,嚢腫壁・壁外に石灰化上皮腫様変化11個(69%),嚢腫壁の部分的消失4個(25%),トリコヒアリン顆粒の出現3個(19%)などの多彩な特徴的変化がみられ,表皮嚢腫類似のものは3個(19%)のみであり,13個(81%)のものに何らかの変化を認めた.このように嚢腫壁の一部に石灰化上皮腫様所見をともなった嚢腫は,他に類症の報告がなく,G症に特徴的なものと考えられた.組織発生機序としては,G症の多発性腫瘍性素因を背景に,第一次上皮芽からの外毛根鞘・毛母細胞・内毛根鞘・脂腺・アポクリン腺などへの多彩な分化過程の産物を反映しているものと考えられた.
  • 鈴木 恵, 伊藤 雅章, 佐藤 良夫
    1985 年 95 巻 8 号 p. 877-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    SH基特異蛍光発色試薬であるDACM(N-(7-di-methylamino-4-methyl-3-coumarinyl)maleimide)を用いて,ヒト脂腺およびアポクリン腺におけるSH基,SS結合の分布を検索した.材料は,凍結切片,脱パラフィン切片を用い,脱パラフィン切片に対しては,DACM染色観察後,hematoxylin-eosin,azan-Mallory,periodic acid-Schiff染色を行なった.脂腺では,SH基は,未分化な周辺細胞と,脂肪滴を産生する分化細胞およびホロクリン分泌直前の細胞―終未分化細胞―に,いずれも細胞質および核に中等度存在した.SS結合は,周辺細胞,分化細胞には存在せず終未分化細胞で突然強く現われた.アポクリン腺においては,SH基は分泌細胞,導管部の細胞では細胞質と核に中等度陽性,筋上皮細胞に強陽性,基底膜は陰性であった.SS結合は,分泌細胞,導管部の細胞には存在せず,基底膜に中等度存在し,筋上皮細胞には存在しなかった.管腔内に断頭分泌された細胞成分は,SH基陽性,SS結合陰性であった.ヒト脂腺細胞の分化の過程において,SH基→SS結合への変換が生じていることがわかった.アポクリン腺におけるSH基,SS結合の分布は,従来のエックリン腺についての報告とほぼ同様であったが,脂腺アポクリン腺分泌部の細胞の両者の核はSH基を含有し,表皮細胞の核と相違した.
  • 工藤 素彦, 帷子 康雄, 橋本 功, 鳴海 吾郎
    1985 年 95 巻 8 号 p. 883-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    高校硬式野球選手76名に対して皮膚科的検診を実施し,観察された皮膚疾患を,その発生ないし悪化がスポーツ訓練と関連があると考えられるもの(スポーツ性皮膚疾患)と関連がないと考えられるもの(非スポーツ性皮膚疾患)とに分類した.そして,それぞれについて罹患率,1人当りの疾患の種類,個々の疾患の頻度と程度などを調査した.また,これら疾患のうち,訓練を妨害している疾患(妨害疾患)について,その罹患率,1人当りの疾患の種類数,妨害の程度などを調査した.この際,妨害の大きさの指標として妨害指数HIなる概念を新しく考案し,妨害疾患の妨害程度を簡単に把握することができるようにした.その結果,非スポーツ性皮膚疾患としては尋常性痤瘡,足白癬など6種の疾患が選手の47%に観察され,1人当りの疾患の種類数は1.1種であった.訓練妨害は罹患選手の6%において認められ,HIは尋常性疣贅において最も大きかった.一方,スポーツ性皮膚疾患としては,胼胝腫,外傷性瘢痕,摩擦水疱,足白癬など12種の皮膚疾患が選手の99%に観察され,1人当りの疾患の種類は2.2種に達していた.訓練の妨害は罹患選手の51%に認められた.妨害疾患のうちでは胼胝腫の頻度が最も高かったが,HIは摩擦水疱のそれが最も大きかった.妨害疾患の原(誘)因として,多汗22%,訓練による必然的結果20%,フォームや動作の不適当19%,指導方法不適当17%,吸湿性の悪い化繊靴下の使用14%などが推定された.妨害疾患の排除対策を検討した結果,用具(靴下や靴)の改善や抗白癬剤の外用により,その妨害の28%は比較的容易に排除することが可能と考えられた.
  • 国枝 美穂子, 佐藤 健二, 早川 和子, 喜多野 征夫
    1985 年 95 巻 8 号 p. 893-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    4歳女児.Hydroa vacciniforme(HV)の1例を報告した.日本分光工業製CRM-FM型回折格子照射分光器を用いた水疱誘発試験では,330nmの光(1回照射量:1.49×104J/m2)を3回,360nmの光(1回照射量:2.2×104J/m2あるいは,4.4×104J/m2)を4回あるいは2回照射後に,中心臍窩を有する小水疱が出現し,黒色痂皮を形成した後に瘢痕治癒した.300,310,375,390nmの照射では,誘発試験陰性であった.単色光照射誘発水疱と日光照射誘発水疱は,臨床形態,経過,病理組織所見が同一であり,誘発エネルギーも近い値を示した.又,380nmより短波長の紫外線を遮断する遮光クリームを塗布後,日光照射を行うと,HVの皮疹は,生じなかった.以上よりHVの作用波長は,330nm近くにピークをもつ315~375nm付近の紫外線であると考えられた.
  • 竹重 量子, 清水 直也, 竹内 誠司, 佐藤 良夫
    1985 年 95 巻 8 号 p. 901-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    ウイルス性疣贅に抗papilloma virus抗体を用いて蛍光抗体法を施行し,組織中のhuman papilloma virusの検出を試みた.材料として尋常性疣贅10例,足底疣贅6例,扁平疣贅4例,尖圭コンジローム3例の計23例を用いた.その結果,尋常性疣贅の10例中3例に,足底疣贅の6例中5例に,扁平疣贅の4例中1例に,表皮細胞核に一致して陽性所見が得られた.この3種の疣贅においては,①罹患期間が1年以内の症例,②手・足といった末梢部に生じる症例,③組織学的に空胞細胞やinclusion bodyのみられる症例に陽性率の高い傾向がみられた.ウイルス性疣贅は臨床像や組織像から診断できる場合が多いが,蛍光抗体法によるウイルスの証明は診断を確実にする上で非常に意義がある.蛍光抗体法は手技が比較的簡単であり,かつ短時間に行うことができ,ウイルス性疣贅と他疾患との鑑別に大いに役立つと思われる.
  • 1985 年 95 巻 8 号 p. 905-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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