日本皮膚科学会雑誌
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98 巻 , 7 号
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  • 山下 和徳
    1988 年 98 巻 7 号 p. 677-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    0.5%griseofulvin(以下GF)含有飼料を与えることによってHR/De系およびHRS/J mutant系ヘアレスマウスの全動物にprotoporphyriaを誘発することができた.また,HRS/J mutant系の代謝異常の状態がHR/De系より著しい傾向がみられた.さらに0.1%GF濃度においてもHRS/J mutant系ではほとんどのマウスが異常を生じているにもかかわらず,HR/De系では一部の動物にのみ変化を生じていた.この結果から,HRS/J mutant系動物がポルフィリン体異常を生じやすいhigh responder動物であることか明らかとなった.
  • 高瀬 孝子, 馬場 徹, 上野 賢一
    1988 年 98 巻 7 号 p. 683-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    症例は67歳の農婦,茨城県在住.昭和62年1月20日初診.7年前,左前腕に皮疹を生じ,徐々に拡大,その後表面に潰瘍も生じた.初診時,左前腕伸側に7.5×8.0cmの局面があり,辺縁やや隆起,表面の処々に小潰瘍がみられた.痂皮のKOH標本内に多数のsclerotic cellsがみられ,それらからの菌糸形成も目立った.組織像では真皮上~中層に感染性肉芽腫があり,そこの微小膿瘍内にsclerotic cellsが認められた.所属リンパ節腫張はなく,内臓への転移を思わす所見もなかった.痂皮と生検組織片から黒色菌を分離・培養し,分離菌をFonsecaea pedrosoiと同定した.フルシトシンの分離菌株に対するM.I.C.は>80μg/mlであった.治療にはフルシトシンの内服(1日10g)と局所温熱療法を併用,4ヵ月で瘢痕治癒した.痂皮内に多数の菌要素がみられたこととコルチコステロイドとの関連につき考察した.
  • 清原 明
    1988 年 98 巻 7 号 p. 689-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    エリテマトーデスに対する抗DNA抗体免疫吸着法の効果を検討する為,NZBxNZW(B/W)F1 hybridマウスを用いてDNA-PVAグロー放電ガーゼによる抗DNA抗体免疫吸着法を施行した.腎炎発症後のマウスに短期間本法を施行したところ,抗DNA抗体価の低下は確実に認められたが,蛋白尿の改善はみられなかった.一方,腎炎発症前のマウスに長期間にわたり繰り返し本法を施行したところ,無施行群に比して抗DNA抗体価の低値での維持が全例において認められた.また高度蛋白尿出現(1000mg/dl以上)には若干ながら遅れがみられ,死亡例の出現にも多少の遅れがみられた.一方,本法の頻回施行にもかかわらず,重篤な副作用の出現は認められなかった.以上の動物実験の結果から,本法の安全性は一応示され,また早期からより継続的に施行した場合には抗DNA抗体価の上昇阻止のみならず,腎病変発現阻止にも働く可能性が示唆された.
  • 秋山 純一, 進藤 泰子, 高瀬 吉雄
    1988 年 98 巻 7 号 p. 697-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    multicentric reticulohistiocytosis(以下MRと略す)の患者の結節部および周辺健常部真皮より細胞培養を行った.増殖した組織球様細胞(以下HLCと略す)及び線維芽細胞様細胞(以下FLCと略す)は長期間継代培養が可能であった.結節部より増殖したHLCは,光顕および電顕で形態学的に健常部より増殖したFLCとは明らかに異なり,HLCはAcid phosphataseとEsterase染色陽性,電顕Peroxidase染色では細胞質に陽性顆粒を認めCandida albicansの貪食能試験で,immunophagocytosisの機能を有していた.また,細胞膜receptorのrosette法による検討でHLCに明らかなC3b receptorの保有が確認された.macrophage膜抗原に特異的であるmonoclonal抗体(Mo2)を用いた酵素抗体染色においてHLCは陽性を示したが,FLCはいずれも陰性であった.以上よりHLCはmonocyte類似の組織球由来であることが強く示唆された.また,[3H]-thymidineの取り込みによるautoradiographyとscintillation countingおよび,growth curveによる比較では,両者は明らかに異なる増殖性を示し,HLCはFLCと比較して,強い細胞密度依存性増殖阻止(density-dependent inhibition of growth)作用を有する細胞であった.
  • 井上 俊一郎
    1988 年 98 巻 7 号 p. 709-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    基底膜部が消失する病的な状態や発生のある過程では表皮細胞(角化細胞)と細胞外マトリックス(extracellular matrix,ECM)との相互作用が生物学的に重要性をもつが,ECMと細胞あるいはECM間の相互作用の機構についてはまだ充分には分っていない.そこで,フィブロネクチン(FN)およびコラーゲンの表皮細胞とくに細胞骨格系に対する生物学的相互作用を明らかにする目的で正常ヒト表皮細胞を培養し,抗ケラチン抗体,抗チュブリン抗体,抗FN抗体を用いた螢光抗体間接法によって観察した.すなわち,予めカバーガラス上にFNとⅠ型コラーゲンを塗布することによって生じた細胞骨格の配列変化を,また逆に細胞によって生じたFNとコラーゲンの変化を観察した.その結果,1)培養表皮細胞のケラチン中間径線維は核周囲に密な網状の線維構造を形成し,そこから放射状に細胞の周辺に向かって伸びており,隣接する細胞のそれとはデスモソームを介して連続しているように見えた.微小管はケラチン中間径線維と類似の網状線維構造を形成するが,隣接する細胞とは無関係で独立していた.2)FN塗布領域では細胞がFNを消失させ,遊走痕を残した.3)FN非塗布領域の細胞はFNに接する場合,FNの境界面に沿った方向性を示した.このような細胞のケラチン中間径線維と微小管はこの境界面に沿って平行に配列していた.4)コラーゲン上の細胞はコラーゲンの線維網を捕捉し,これによってコラーゲンは太い線維束となって細胞に向って集束してみられた.このような細胞のケラチン中間径線維と微小管はいくつかの太い束となって放射状に配列が変化していた.一方,線維芽細胞では同様の変化が観察されたが,メラノサイトではこのような変化は見られなかった.以上のことからFNとコラーゲンは表皮細胞の細胞骨格配列に変化を生じさせており,相互作用があると考えられた.また,細胞の種類による相互作用の相違が示唆された.
  • 樋口 由美子, 森嶋 隆文
    1988 年 98 巻 7 号 p. 721-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    帯状疱疹患者61例に髄液検査を行ない,髄膜炎現象とその臨床症状との相関や髄液所見の特徴,殊に,髄液細胞数や髄液中varicella zoster virus(VZV)CF抗体価の経時的変動について検索し,次の興味ある知見を得た.1)帯状疱疹患者の66%に髄膜炎現象がみられ,このうち,髄膜刺激症状を呈したのは30%にすぎなかった.2)髄膜炎現象を伴う症例の罹患部位は脳神経領域に限らず,約半数か脊髄神経領域であった.3)髄膜炎現象は汎発疹の有無や基礎疾患の合併とは相関しなかった.4)髄膜炎現象をみる症例の髄液所見に関し,髄液細胞増多は軽度~中等度であり,外観は水様透明,総蛋白は正常~上昇,Clや糖はほぼ正常で,ウイルス性髄膜炎の所見に一致していた.トリプトファン反応がしばしば陽性を示した.5)髄液細胞増多の程度と汎発疹や髄膜刺激症状の出現頻度とは必ずしも相関しなかった.6)症例の38%が急性8期に髄液細胞増多を示した.中等度以上の細胞増多群における髄液細胞数の経時的変動に関し,症例の80%で,髄液細胞数が1~2病週に最高値を示し,その1週後に急激に数を減じるが,その後の減少度は緩徐である.7)髄液中VZV CF抗体は急性期には出現せず,回復期には細胞増多群の63%が有意の上昇を示した.中等度以上の細胞増多群では,その出現頻度は88%と高率であった.髄液中VZVCF抗体価の経時的変動に関し,症例の70%が髄液細胞数の変動とほぼ同様のパターンを示し,第1~2病週に最高値を示し,第4病週には1倍未満となった.8)初回検査時の髄液細胞数は抗ヘルペスウイルス剤投与群では非投与群に比して有意の低値を示していた.
  • 宮下 光男, 平郡 昭義
    1988 年 98 巻 7 号 p. 731-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
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    マウス表皮keratinocyteを培養し,そのcolony形成におよぼす各種細胞増殖因子,細胞外基質の効果,feeder layerとしてマウス3T3細胞およびマウス前脂肪細胞(ST13)を用いたときの増殖反応性について検討した.各種増殖因子のうち,特にhydrocortisoneは,keratinocyteのcolony形成に対して最も強い促進効果を示した.用いた9種類の細胞外基質のうち,collagen類がkeratinocyteの増殖を最もよく支持した.なかでも,Ⅰ型とⅣ型collagenが他よりもまさっていた.前脂肪細胞をfeeder layerとした検討では,未分化な状態では,colony形成能がfeeder layerを用いない場合の約1.4倍に増加したが,脂肪細胞に分化した状態では促進効果はみられなかった.一方,3T3細胞をfeeder layerに用いると,colony形成能は約1.8倍に増加した.前脂肪細胞は,3T3細胞と同様keratinocyteに対しfeeder layerとしての効果があると考えられた.
  • 1988 年 98 巻 7 号 p. 741-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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