日本皮膚科学会雑誌
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101 巻 , 9 号
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  • 谷口 章
    1991 年 101 巻 9 号 p. 925-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
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    正常およびn-Hexadecane(n-HD)により誘導された増殖亢進状態のモルモット表皮に対する粗製コールタール+UVAおよび粗製コールタール単独処置の作用を細胞動態学的方法により検討した.正常表皮では,タール単独1回塗布した場合標識指数は4時間後まで低下し,核分裂指数は12時間後まで減少していたが,24時間後にはS分画,標識指数,G2+M分画および核分裂指数はいずれも増加した.タール1回塗布+UVA1J/cm2 1回照射した場合には,タール単独処置の場合と比べて,標識指数の低下の継続時間は同じであったがその程度はやや高度であり,核分裂指数の低下の継続時間はより長く,その程度はやや高度であった.増殖亢進状態の表皮では,タール2回塗布した場合標識指数は12時間後まで低下し,その後増加した.核分裂指数は24時間後まで減少し,その後対照レベルに戻った.なお,S分画およびG2+M分画の値は観察期間中種々の程度の増加を示した.タール2回塗布+UVA1J/cm2 1回照射では,タール単独処置の場合と比べて,標識指数減少の継続時間は同様であったがその程度はより高度であり,核分裂指数減少の継続時間に差異はなかったがその程度はより高度であった.タール2回塗布+UVA4J/cm2 1回照射では,タール2回塗布+UVA1J/cm2 1回照射の場合と比べて,標識指数減少の程度はより高度となり,核分裂指数減少の継続時間はより長くなった.このように,本実験ではタール自体が表皮DNA合成および核分裂に抑制的に作用すること,それらの抑制作用はタール+UVAにより増強されること,またそのような抑制作用の増強はタール中の光毒性物質の光毒性反応によることが明らかにされた.以上の成績から,タール+UVAの抗乾癬効果はその細胞増植抑制作用,特に比較的長時間継続する核分裂抑制作用によるものと考えた.
  • 宋 玉如, 宮澤 順子, 高森 建二
    1991 年 101 巻 9 号 p. 933-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    ①マウス成長期毛球部組織抽出液(HBE)をSephadex G-75ゲル濾過にて分画することにより好中球とリンパ球の両血球に対して遊走活性を示す分子量63±4.6Kd(Fr.Ⅰ)の画分と,リンパ球のみに遊走活性を示す分子量47±5.6Kd(Fr.Ⅱ)の画分を得た.②Fr.Ⅰに認められた好中球に対する遊走活性は加熱(100℃,10分間),プロテアーゼ(トリプシン,プロナーゼ)又はneuraminidase処理によって略完全に失活した.同じくFr.Ⅰに認められたリンパ球に対する遊走活性は,プロテアーゼ又はneuraminidase処理により略失活ないし活性低下を認めたが,好中球遊走因子とは異なり,100℃,10分間の加熱処理によって失活しなかった.一方,FrⅡに認められたリンパ球に対する遊走活性は加熱(100℃,10分間)又はプロテアーゼ(トリプシン,プロナーゼ)処理によっては殆ど完全に失活し,neuraminidase処理により約50%の活性低下を示した.③Fr.Ⅰ活性画分をモルモット皮内に注射したところ,好中球とリンパ球の著明な浸潤を認めたが,Fr.Ⅱ活性画分の注射では,リンパ球を主体とする小円形細胞の著明な浸潤が認められた.以上の結果は,マウス成長期毛球部組織抽出液には,好中球遊走因子及び各々性質の異なる少なくとも二種類のリンパ球遊走因子が存在していることを示しているものと考えられる.
  • 秋山 尚範, 鳥越 利加子, 山田 琢, 阿部 能子, 下江 敬生, 神崎 寛子, 荒田 次郎, 赤木 理, 山本 康生, 池田 政身
    1991 年 101 巻 9 号 p. 943-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    36種の抗生物質につきラットにおける皮膚内移行について検討した.皮膚内移行率(血清濃度ピーク時の血清内濃度に対する皮膚濃度ピーク時の皮膚内濃度の比)について見ると,0.4から0.7の群に分類されるのはペニシリン系では経口剤3剤中2剤(ABPC,CVA/AMPC)であり,注射剤CVA/TIPCである.セフェム系では経口剤9剤中5剤(CEX,CED,CXD,CTM-HE,CXM-AX)が,注射剤8剤中2剤(CPZ,CBPZ)がこの群に含まれる.残りは0.4以下の群である.キノロン系では6剤中5剤(OFLX,CPFX,LFLX,FLRX,SPFX)が0.7以上の群に分類される.アミノグリコシド系の注射剤では3剤中1剤(AMK)が0.7以上の群である.カルバペネム系注射剤IPM/CSは0.4以下の群に分類される.マクロライド系の経口剤は3剤(EM,RXM,CAM)とも0.7以下の群に含まれる.リンコマイシン系の注射剤CLDMは0.7以上の群に,テトラサイクリン系経口剤MINOは0.4から0.7の群に分類される.以上をまとめると皮膚内移行率が0.7以上に分類されるのはキノロン系(OFLX,CPFX,LFLX,FLRX,SPFX),マクロライド系(EM,RXM,CAM),リンコマイシン系(CLDM),アミノグリコシド系(AMK)である.
  • 川名 誠司, 西岡 清, 西山 茂夫
    1991 年 101 巻 9 号 p. 951-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    通常の蕁麻疹より個疹の持続時間の長い非定型的蕁麻疹を生じた50例の臨床,検査所見及び病理組織学的所見を比較検討した.病変部皮膚に好中球優位の細胞浸潤を認める27例は,その多くが発熱,関節痛,CRP陽性,血沈亢進を伴っていた.このうち10例はleukocytoclastic vasculitisを呈し,SLE(4例),SLE+Sjogren症候群(2例),B型ウイルス肝炎(1例)等の基礎疾患を有し,いわゆる症候性のurticarial vasculitisに相当した.検査上,低補体血症,免疫グロブリン,補体の病変皮膚血管壁への沈着が高率に証明された点から,その多くは病態にⅢ型アレルギーに基づく血管炎が関与すると考えられた.この群はしばしば肝,腎を初めとする多臓器障害を併発していた.他の8例は血管壁に好中球浸潤を認めるも,leukocytoclastic vasculitisとしての所見に乏しいものであるが,同様の基礎疾患,検査成績,多臓器障害を認める点で,一部はurticarial vasculitisに準じた病因及び病態によるものと考えられた.残りの9例は血管壁への好中球の直接浸潤を認めないものであり,多くは上気道感染などに伴い,前2者とは基礎疾患,検査所見,多臓器障害の有無の点で異質のものであると考えられた.以上のように好中球優位の細胞浸潤を呈する蕁麻疹様発疹の病態は単一のものでないが,病理組織学的な血管傷害が強いほど,SLEなどの基礎疾患がみいだされる場合が多く,全身的な炎症症状が強く,多臓器障害をきたす率が高かった.したがって血管傷害の有無が治療方針や予後に影響すると思われた.
  • 藤岡 彰, 瀬在 由美子
    1991 年 101 巻 9 号 p. 959-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    rIL-2の持続動注療法により,著効が得られたmalignant hemangioendothelioma(以下MHEと略す.)の1例を経験した.症例は82歳,女性で,右前頭の腫瘍を主訴として来院し,臨床,病理組織学的所見により,MHEと診断した.リコンビナント・インターロイキン2(以下rIL-2と略す.)の持続動注期間に一致してLAK(lymphokina activated killer cell)活性の上昇がみられ,さらにこの時点より腫瘍の著しい縮小が始まった.自験例の治療を中心に本症への治療とその機序等につき,文献的考察も交えて若干の考察をおこなった.
  • 小野 早苗, 堀 真, 山下 和徳, 山川 正規
    1991 年 101 巻 9 号 p. 965-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    55歳男子.53歳より顔面,上肢,躯幹に対称性に青色斑が出現し,その後徐々に拡大し色調が濃くなった.眼瞼,口蓋,歯肉などの粘膜にも色素斑を認めた.直腸と肝臓にleiomyosarcomaを有し,血中α-MSH,growth hormoneなどの上昇をみとめた.本例を後天性真皮メラノサイトーシスと考え,若干の文献的考察を行った.
  • 井上 ちゆき, 望月 昭彦, 奥田 賢, 溝口 昌子
    1991 年 101 巻 9 号 p. 973-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    31歳の妊婦に発症したSweet病の1例を経験したので報告した.症例は妊娠4ヵ月時,右手関節屈側に紅斑出現,次第に同部は水疱形成し,顔面にも皮疹が広がり,皮疹の臨床,病理組織,検査値よりSweet病と診断,Prednisolone(PredonineR)にて加療した.Sweet病は,基礎疾患として,膠原病類似疾患や各種悪性腫瘍,特に急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群を伴うことがあると報告されているが,妊娠に伴ったという報告は,我々が検索しえたかぎりではこれまでに3例のみであった.本邦では報告がなく,自験例が初めてであった.
  • 1991 年 101 巻 9 号 p. 979-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
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