日本皮膚科学会雑誌
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107 巻 , 10 号
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  • 原 典昭, 山崎 雙次
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1239-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
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    当科における全身性エリテマトーデス36例の血漿中エンドセリン値を測定し,その臨床的意義について検討した.SLEの血漿中エンドセリン値は進行性全身性強皮症,皮膚筋炎に比べ,高値例が多く見られた.SLE症例を血漿中エンドセリン値が10pg/ml以上の高値群,10~3.35pg/mlの中等群,および3.35pg/ml以下の正常群の3群に分類し比較検討した.高値群は正常群に比し低年齢発症・最大尿蛋白量高値・血清補体価低値は有意差が見られた.ループス腎炎の有無,ネフローゼ症候群の有無を陽性群,陰性群に分類し血漿中エンドセリン値を比較検討したところ,ループス腎炎,ネフローゼ症候群の陽性群は陰性群に比しいずれも有意差をもって高値を示した.
  • 奥田 知規, 大井 綱郎, 古賀 道之
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1245-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    レイノー症状は,膠原病患者で高頻度に出現する症状の一つであるが,その発症には血管の攣縮や血小板の凝集が関与しているのではないかと考えられている.レイノー症状によってもたらされる末梢循環不全は,手指などの末梢組織に悪影響を及ぼす.そこで,末梢循環不全を改善させるために種々の血管拡張剤,あるいは血小板凝集抑制剤などが用いられている.最近,セロトニンレセプターである5-HT2レセプターに対するブロッカーである塩酸サルポグレラートが末梢循環不全の患者に有効との報告がされている.塩酸サルポグレラートの様な5-HT2レセプターのブロッカーが有効であるとすれば,その効果は循環動態の変化と関連している可能性がある.そこで,加速度脈波計を用いてその有効性を客観的に判定できるかを検討した.末梢循環の指標となりうる加速度脈波のd/a値は内服後は内服前より有意に上昇していた(p=0.0037).また内服後の血漿中のセロトニン濃度は有意に減少しており(p=0.0086),内服の効果が認められた.加速度脈波計は,末梢循環改善薬などの治療効果判定の客観的指標になりうるものと判断した.
  • 岩崎 泰政, 岡林 清司, 波多野 裕二, 三原 祥嗣, 野田 英貴, 世良 昭彦, 山本 昇壯
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1253-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    広島大学皮膚科で治療した176例の重症熱傷症例を,55例の小児科と121例の成人例に分けて比較検討し,小児重症熱傷治療の現状について成人との相違を明らかにするとともに,その治療の問題点も検討した.小児では成人に比べ加熱液体による受傷が多く(p<0.001),気道熱傷の合併率は低かった(p=0.05).平均熱傷面積は44.7%体表面積であり成人とは有意差を認めなかったが,平均burn index(BI)は25.9,平均SCALDS scoreは14.5であり成人に比べて有意に低かった(BI:p<0.05)(SCALDS score:p<0.01).手術治療では,一回の手術範囲の決定の目安とした体重当たりの出血量は小児で20.8ml/kg,debridementの平均面積は13.2%BSAであり,ともに成人とは有意差を認めなかった.一方,手術時間と麻酔時間は手術面積に影響され,小児は成人に比べ有意に短かった(p<0.01).予後は成人の救命率が71.9%であるのに対して,小児は96.4%と有意に高く良好であった(p<0.001).さらに救命できた代表的な症例として,熱湯による受傷の6歳男児で熱傷面積:83%,BI:42の症例と,火炎による受傷の3歳男児で熱傷面積:76%,BI:70の症例を示した.小児例は受傷原因が成人例とは大きく異なっており,その重症度も低い.また成人に比べ初期輸液量が相対的に多くなり,コロイドの早期投与も必要であった.一方,局所治療でも深達性Ⅱ度熱傷例が多いため,多くの症例では早期手術は必要ないことなど,成人と相違することが多いことが明らかになった.したがって,小児重症熱傷患者を治療する場合は,このような相違点と問題点を十分把握したうえで,治療に臨む必要があると考えられた.
  • 大木 麻理奈, 横関 博雄, 中村 悟, 谷口 裕子, 佐藤 貴浩, 片山 一朗, 西岡 清
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1263-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎(AD)と病巣感染との関連についての報告は少ない.今回,扁桃の感染病巣の治療として扁桃摘出術(扁桃)を施行したAD患者10例と,歯科の感染病巣を治療したAD患者6例について,その効果を検討した.1990年4月から1996年6月までに当院に入院した成人AD患者183名のうち,扁桃の感染病巣が疑われた28名に扁桃マッサージ試験を施行.25列で,体温,白血球,血沈の上昇,皮疹の増悪のいずれかに陽性所見を認めた.このうち7例と,試験陰性もしくは未施行でも耳鼻科的に適応が認められた3例に,扁摘を施行.経過を追跡しえた7例中5例で6ヵ月以内に皮疹が軽快し,うち2例では1年以上にわたり皮疹の再燃を認めない.扁桃マッサージ試験で皮疹の増悪が認められた患者に,扁摘有効例が多く認められた.また,齲菌や歯根膿瘍などの歯科病変を合併し,抜歯などの歯科治療を施行したAD患者6例中,4例で歯科治療中にADの増悪を認め,全例で歯科治療終了後に一時的にせよADの軽快傾向を認めた.これらの感染病巣の除去により軽快するのは,顔面および頸部の■漫性紅斑ならびに漿液性丘疹,体幹の貨幣状湿疹様の皮疹が主であり,苔癬病巣や結節などは軽快しにくかった.ADの一部の症例では扁摘および歯科治療が有効であり,扁桃炎および歯根膿瘍などの感染病巣の存在も,ADの増悪因子の一つであると考えられるため,AD患者において感染病巣の積極的な検索が必要であると考えられる.
  • 橋本 洋子, 近藤 雅子, 堀尾 武
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1271-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    58歳,男性.約20年前より手指に爪甲]R離が出現した.抗真菌剤,ステロイド剤の外用のいずれも奏効せず,治療とは無関係に夏季に増悪,冬季に軽快を繰り返していたという.既往症,薬剤摂取歴,原因と考えられる接触物はない.約1年半経過観察し,上記の季節変動を確認した.頻回に直接検鏡,培養を行ったが,真菌は検出されなかった.皮膚光線過敏症状はなく,背部皮膚での光線照射試験では異常反応はみとめられなかった.自験例では,光線が誘因と考えられるものの,薬剤や既知の光線過敏症の関与はなく,自発性光線性爪甲]R離症と診断した.本症の報告は現在までに5例と稀な疾患で,病態形成横序は不明である.
  • 豊田 雅彦, 森松 進, 諸橋 正昭
    1997 年 107 巻 10 号 p. 1275-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    成人の難治性アトピー性皮膚炎患者にシクロスポリンを内服投与し,皮疹と痒みの著明な改善を認めた症例について,投与前後の皮疹部および無疹部における神経分布およびニューロペプタイドの発現を免疫組織学的に検討した.シクロスポリンの投与により,皮疹部および無疹部における表皮,真皮,血管周囲での神経分布の増加およびニューロペプタイドの発現異常は正常コントロール皮膚とほぼ同程度にまで改善された.本研究はアトピー性皮膚炎においてシクロスポリンが皮膚神経系に作用し,その機能を修飾することにより臨床効果を発揮する可能性を示唆する初めての報告である.
  • 1997 年 107 巻 10 号 p. 1281-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
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