乾癬患者の爪に病変を認める割合は10%~55%と報告されている.またその治療法は確立されておらず臨床上難しい問題となっている.今回我々は乾癬に対して治療されているにも関わらず,6カ月以上変化なく爪に病変が存在している患者11例を対象に活性型ビタミンD
3外用剤による密封療法を行った.方法はカルシポトリオール軟膏(50 μg/g)による外用密封療法を1日1回,まず3~4週間,第2指または第3指の爪甲のみに対して初期治療を行い,改善を認めた場合は他指も含め治療を3カ月間施行した.結果は11例中7例に改善を認めた.改善度の判定は初期から治療を行った1指の爪甲のみで行った.3例は初期治療の段階で改善を認めなかった.1例は爪が脱落のため治療を中止した.乾癬の爪病変に対する活性型ビタミンD
3外用密封療法は有効かつ容易な方法であり,爪病変に対して確立した治療法がない現状では試みるべき治療法の一つと考えた.
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