日本皮膚科学会雑誌
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128 巻, 4 号
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新・皮膚科セミナリウム こんな時どうする?皮膚外科 1
原著
  • 斎藤 勇輝, 虎井 僚太郎, 高塚 純子, 竹之内 辰也
    2018 年 128 巻 4 号 p. 581-588
    発行日: 2018/04/20
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル 認証あり

    転移性皮膚癌260例の臨床的特徴と予後について解析を行った.原発臓器は乳腺が33%と肺が29%で全体の6割以上を占め,次いで腎,食道,胃,甲状腺が多かった.皮膚転移から原発癌の診断に至った症例は全体の17%であった.皮膚転移診断後の生存期間中央値は7カ月と極めて不良であったが,乳癌では疾患本来の予後を反映して56カ月と最も長かった.転移性皮膚癌の病変数(単発vs多発),診断契機(皮膚が先行vs原発が先行),治療(全切除vs姑息切除)は予後に有意な影響を持たなかった.転移性皮膚癌を治療する目的は延命ではなく,あくまで局所制御に基づくQOLの保持であることが示された.

  • 今福 信一, 楠原 正洋, 国場 尚志, 小林 順一, 高原 正和, 日野 亮介, 文森 健明, 益雪 浩一, 安元 慎一郎, 矢野 一朗
    2018 年 128 巻 4 号 p. 589-600
    発行日: 2018/04/20
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル 認証あり

    目的:実地診療下において尋常性乾癬患者を対象にカルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏(ドボベット軟膏,以下Cal/BDP配合外用薬)で長期治療した時の有効性と安全性を検討する.

    試験方法:体幹/四肢に病変部がある20歳以上の患者に,Cal/BDP配合外用薬を1日1回塗布した.4週間以上塗布して寛解に達した場合は維持療法に移行し,維持療法中の再燃・再発時にはCal/BDP配合外用薬を再開して1年間治療した.

    結果:m-PASIスコア変化率,PGA,DLQIスコアは4週後から有意に改善し,改善効果は1年間維持された.皮膚萎縮・末梢血管拡張・紅斑の重度の悪化例や重篤な有害事象は認められなかった.

    結論:Cal/BDP配合外用薬の長期治療は実地診療でも有用で,忍容性も良好なことが示唆された.

症例報告
学会抄録
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