日本皮膚科学会雑誌
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119 巻 , 10 号
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皮膚科セミナリウム 第53回 皮膚の潰瘍
原著
  • 鶴田 恭子, 高沢 裕子, 木藤 健治, 長谷川 淳一, 村田 浩, 河内 繁雄, 石井 文人, 橋本 隆, 斎田 俊明
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 10 号 p. 1979-1984
    発行日: 2009/09/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    80歳,女性.初診の2カ月前より後頸部に痂皮が生じ,1カ月前より体幹,上肢に水疱,びらんが出現し,口腔内にも水疱が新生してきた.皮膚生検にて表皮下水疱を認め,精製ラミニン5を用いた免疫ブロット法でγ2鎖およびα3鎖に対する自己抗体を認めた.粘膜類天疱瘡と診断し,プレドニゾロンにミノサイクリン,コルヒチン,ジアフェニルスルホン(DDS),アザチオプリン等を投与したが治療に抵抗性であり,治療開始8カ月後,敗血症性ショックにて永眠された.抗ラミニン5抗体を有する粘膜類天疱瘡は悪性腫瘍の合併が多いとされているが,その中で抗γ2鎖抗体を有する症例では,これまで悪性腫瘍の合併例は報告されていない.自験例では既往に乳癌,子宮癌があるが,再発転移なしに,10年以上経過した後に本症を発病していることから,悪性腫瘍の影響はないものと考えた.
  • 平井 伸幸, 天野 博雄, 山中 正義, 石川 治
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 10 号 p. 1985-1991
    発行日: 2009/09/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    76歳女性.初診の2カ月前から耳介に熱感・疼痛を伴う発赤・腫脹が出没を繰り返していた.病理組織学的に軟骨組織への単核球を中心とした稠密な炎症細胞浸潤が見られ,再発性多発軟骨炎と診断した.臨床検査所見では抗II型コラーゲン抗体が陽性で,抗サイログロブリン抗体・抗マイクロゾーム抗体も陽性であった.頸部CTでは明らかな喉頭・気管の異常所見は無いものの甲状腺のびまん性の腫大が見られ,橋本病の合併が考えられた.生検後の再診時には自然軽快し,外来にて経過観察中である.過去10年間に本邦において報告された再発性多発軟骨炎124例をまとめたところ,抗II型コラーゲン抗体陽性例では陰性例と比較して重篤となる可能性が高く,より慎重なフォローアップが必要と考えた.
  • 吉田 寿斗志, 延山 嘉眞, 松尾 光馬, 中川 秀己
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 10 号 p. 1993-2001
    発行日: 2009/09/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    2003年8月から2008年9月までに当科でRI・色素法併用によるセンチネルリンパ節(SLN)生検を実施した皮膚悪性黒色腫(MM)は20例(男性9例・女性11例,初診時年齢15歳~76歳・平均54.8歳)であった.いずれも画像上所属リンパ節転移を認めず,臨床的にTumor thickness(TT)が1 mmを超えることが予想される浸潤性のMMを対象とした.20例中19例(同定率95.0%)にSLNを同定したが,他院切除後1例でSLNを検出できなかった.SLNは1~7個(平均2.3個)認め,7例(36.8%)でSLNに転移を認め,全例で所属リンパ節郭清を追加した.6例(31.6%)で複数領域にSLNを認めた.SLN転移陰性例のTTは平均3.6 mmでSLN転移陽性例のTTは平均6.0 mmであった.T分類別のSLN転移率はT1では0%,T2では25.0%,T3とT4では55.6%であった.原発巣のTTとSLN転移とは関連性があることを示唆した.
  • 尾山 徳孝, 斎藤 早苗), 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 10 号 p. 2003-2010
    発行日: 2009/09/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    ステロイド剤の局所・全身投与を補助療法として用いた3例のマムシ咬傷について,本症におけるステロイド剤使用の有益性と問題点を考察した.症例1:60歳女性.左大腿部外側に受咬し,受傷後4時間目には炎症の波及抑制と症状緩和のために施行したステロイド局注の部位を避けながら紫斑と腫脹が急激に拡大した.マムシ抗毒素とステロイドセミパルス療法(500 mg/回)で上記の症状は軽減し,以後ステロイド剤の内服を漸減しながら略治した.症例2:57歳男性.右手首の受咬後48時間目には,患側上肢から胸部まで緊満性水疱を伴って硬性浮腫が拡大した.努力性呼吸と複視の併発に対してステロイドパルス療法(1,000 mg/回)を行い,症状と血液検査異常は速やかに改善した.症例3:11歳男児.右手示指への受咬後,プレドニゾロン(0.6 mg/kg/日)の内服により手背まで及ぶ腫脹と発赤,疼痛は劇的に軽減したが,その後ステロイド剤の内服中止により同症状が再燃した.3例とも受咬部の切開・排毒に加えてセファランチン,広域抗生物質,破傷風トキソイドによる標準的な加療を併用していた.本症におけるステロイド投与の有益性はいまだ未知数であるが,その強力な抗炎症作用と組織保護作用を踏まえて,今後適切な用法・投与時期を評価するに値する補助療法になると考えた.
学会抄録
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