日本皮膚科学会雑誌
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115 巻, 9 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
皮膚科セミナリウム 第5回 色素異常症
  • 富田 靖, 鈴木 民夫, 河野 通浩
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第5回 色素異常症
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1297-1304
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    先天性色素異常症のほとんどがメラノサイトおよびメラニン形成に関与する遺伝子の変異によるものであり,この15年間に以下に列挙する疾患の病因遺伝子と病態が解明されてきた.1.胎生期メラノサイトの移動・成熟の異常による疾患:まだら症,ワーデンブルグ症候群,遺伝性対側性色素異常症.2.メラノソームの形成異常による疾患:ヘルマンスキー―パドラック症候群,チェディアック―東症候群.3.メラノソーム内のメラニンの生成異常による疾患:チロシナーゼ遺伝子関連型眼皮膚白皮症.4.メラノソームの細胞内移動の異常による疾患:グリセリ症候群.これら疾患の臨床症状と分子レベルの病態について,最新の報告に基づいて解説した.
  • 占部 和敬
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第5回 色素異常症
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1305-1309
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
  • 堀川 達弥
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第5回 色素異常症
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1310-1313
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
原著
  • 佐野 隆夫, 谷口 裕子, 横関 博雄, 加藤 卓朗, 西岡 清
    原稿種別: 原著
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1315-1319
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    筆者らは既に足白癬患者より環境中に菌が散布され,その菌が高率に非罹患者の足底に,また趾間にもまれではあるが付着することを実験および実地で証明した.今回,住環境内の各種材質において趾間,足底への菌の付着および除菌効果を検討したところ,板,畳,コンクリートの床,スリッパ,座布団などのバスマット以外の材質において環境中の菌が非罹患者に付着することを実証した.環境中に散布された菌は濡れタオルで拭くことにより減少した.趾間への菌の付着は頻度は低いが,バスマットのみならずコンクリートの床でも実験的に証明された.この趾間への付着が感染,発症に関与している可能性があると思われる.
  • 川村 由美, 大塚 勤, 山崎 雙次
    原稿種別: 原著
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1321-1325
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    症例1 72歳,男性.1999年10月より肝細胞癌に対し計10回,経カテーテル的肝動脈化学塞栓術(以下TAI・TAE)施行.2000年7月,右背部に軽度の搔痒を伴う皮疹出現.周囲に毛細血管拡張を伴う黒褐色の色素沈着と一部脱色素斑が混在する硬化性局面を認めた.自覚症状,潰瘍等がみられないため外来でステロイド軟膏・ヘパリン類似物質軟膏外用にて経過観察中.症例2 56歳,男性.1994年7月,急性心筋梗塞に対して冠動脈造影(以下CAG)および経皮的冠動脈形成術(以下PTCA)施行.1995年8月より,右上背部に痂皮を伴う紅斑出現.2000年9月,一部潰瘍化し強い疼痛を伴ったため近医受診.抗生剤内服・外用にても軽快せず当科紹介.右上背部に径10×7.0 cm大,黒褐色の光沢を伴う硬化性局面あり,中央部に径5.0×4.5 cmの白色壊死を伴う潰瘍を認めた.治療は皮膚硬化部より1 cm離し,筋膜を含めて切除し分層植皮術施行.その後再発なし.2例とも組織所見にて真皮全層と一部皮下組織まで膠原線維の均質化と増生がみられ,付属器はほとんど認められない.いずれも臨床像はmorpheaと類似しており,慢性放射線皮膚炎との鑑別の必要性を考え報告する.
  • 北川 朋子, 若森 健, 濱 雄光, 信原 健二, 竹中 秀也, 岸本 三郎
    原稿種別: 原著
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1327-1331
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    顔面の皮膚小手術後に発生した,非定型的な臨床経過を示した術後血腫の1例を報告する.症例は35歳男性.主訴は右下顎部の腫瘤.前医にて右頬部および右下顎部の色素性母斑の切除術を受けた数日後より,縫合線上に拡大傾向が強く易出血性の暗赤色腫瘤を認めた.前医にて2個の腫瘤摘出術を施行されたが右下顎部に再び同様の腫瘤が生じた.再発した腫瘤は手術直後より日増しに拡大し,軽い刺激にて血液のしみ出しを認めた.血液学的検査結果では血小板数,出血凝固機能とも正常であった.CT検査では皮下に右耳介下端付近から下顎部にかけて6 cmの長さに15~20 mm大の結節を認めた.前医での切除標本の病理組織学的所見は厚い線維性被膜に囲まれた血腫であった.右下顎部血腫の再発と考え再度摘出術を施行した.手術後5カ月間の経過観察では血腫の再発は認めていない.本症例は血腫被膜ごと摘出されたにもかかわらず再発をくりかえした点で興味深い症例と思われる.1カ月以上の経過で増大する血腫はchronic expanding hematoma(以下CEH)と呼ばれるが,自験例をCEHと比較し文献的考察を加えた.
症例報告
  • 松田 聡子, 鬼木 俊太郎, 国定 充, 村田 洋三, 熊野 公子, 井口 佳代
    原稿種別: 症例報告
    2005 年 115 巻 9 号 p. 1333-1338
    発行日: 2005/08/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    表在性血管粘液腫(Superficial Angiomyxoma以下SA)は,1988年にAllenらにより独立疾患として提唱された線維芽細胞由来の良性腫瘍である.我々は,4例のSAの症例を経験し,組織学的検討を加えた.HE染色では,真皮内に粘液腫様構造が多結節性に見られ,粘液基質内には血管の増生と紡錘形細胞の増殖を認めた.間質はアルシアンブルー染色陽性でヒアルロニダーゼで消化され,ヒアルロン酸が主成分であると考えられた.免疫染色ではS-100蛋白陰性,Vimentin陽性,一例にDesmin陽性であった.
学会抄録
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