日本皮膚科学会雑誌
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100 巻 , 1 号
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  • 太田 邦夫
    1990 年 100 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
  • 鳥山 史
    1990 年 100 巻 1 号 p. 37-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    表皮性腫瘍における核輪郭を電顕的に観察し,核面積,核周囲長の計測から「核不則性指数(NII)」を算出し,これをもとに核輪郭の不整の程度の定量分析を試みた.健常者皮膚(NS)20例,脂漏性疣贅(SV)9例,光線性角化症(AK)10例,ケラトアカントーマ(KA)13例,有棘細胞癌(SCC)29例より,総計3297個の核のNIIを群別および症例別に計測した.また2核以上および核内に細胞質を有する核は特殊核と仮称し,それらの出現頻度も検討し,以下の結果を得た.1)5群別の平均NIIはSV(1.195±0.122),NS(1.236±0.152),AK(1.254±0.204),KA(1.328±0.215),SCC(1.376±0.258)であり,NS対AK間を除く全ての群間で有意差が認められた(p<0.01).2)症例別の平均NIIの比較においても,NSとSCC間では有意差を認め(p<0.001),SCCではBrodersによる組織学的悪性度の高い群ほどNIIが高値を示した.また再発,転移のみられた群は平均NIIが1.475±0.074と著しく高値であり,これらのみられない群(1.347±0.094)と比べて有意に高値であった(p<0.005).3)特殊核出現頻度はNSが0.63%であったのに比し,SCC11.32%,KA5.41%,AK6.51%であり,SCCではNIIと同様に悪性度の高い症例群での出現頻度が高く,再発,転移のみられた群では20.5%と,みられない群の約2倍であった.またSCCとKAでは特殊核の種類の割合においても差が認められた.以上より,NIIの計測はSCCにおおける悪性度や予後判定の客観的な指標として有用であると考えた.一方AKやKAのNIIに示されたように,核の不規則化には悪性度以外の要因も考えられた.
  • 中村 尚, 松野 美智雄, 影下 登志郎, 荒尾 龍喜
    1990 年 100 巻 1 号 p. 49-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    悪性黒色腫におけるHLA-classⅡ抗原の局在を抗HLA-DR,DP,DQモノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討した.原発巣では,HLA-classⅡ抗原が,ALMよりNMに発現されやすく,転移巣では原発巣に比べ,抗原の発現はより著明になるが,NMとALM間に発現の差は認められなかった.各抗原を検討したところ,原発巣ではDR>DR>DQの順によく発現され,転移巣では,DR>DP=DQの順に発現される傾向を認めた.ClassⅡ抗原の発現は,腫瘍巣のlevel,thickness,腫瘍内におけるリンパ球浸潤,メラニン量とも関連が認められた.即ち,classⅡ抗原は,levelⅢよりlevelⅣ,Ⅴに,腫瘍の厚さで1.5mm以上のものに,腫瘍内リンパ球浸潤の多いものに,さらに腫瘍細胞内のメラニン含有量の少ないものに,発現されやすい傾向が認められた.
  • 松村 剛一
    1990 年 100 巻 1 号 p. 57-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎患者(以下AD患者)におけるnatural killer細胞(以下NK細胞)の機能的,量的異常およびそれらとアトピー性皮膚炎の重症度,血清IgE値などとの相関を検討した.平均年齢20.8歳のAD患者25例について検索し,以下の結果を得た.①AD患者群の末梢血リンパ球中のLeu7陽性細胞の割合は,対照群のそれより有意な低値を示した.②末梢血Leu7陽性細胞の割合の低下の程度は,軽症群は中等症群,重症群に比して軽い傾向が認められたが有意差はなかった.③AD患者群では,Leu7陽性細胞の割合と血清Iog IgE値との間に有意な負の相関を認めた.④AD患者群のNK活性と対照群のそれとの間に有意差はなく,またIFN-βおよびIL-2によるNK活性の増強も,対照群と有意差はなかった.以上よりAD患者において末梢血Leu7陽性細胞の割合の減少が認められ,またこの細胞がIgE産生異常に深く関与している可能性が推測された.
  • 伊藤 篤, 向井 秀樹, 西岡 清
    1990 年 100 巻 1 号 p. 63-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    成人型アトピー性皮膚炎患者(以下AD)のうち,ヤケヒョウヒダニに対するIgE RASTスコアー4の強陽性群34例,IgE RASTスコアー2~3の陽性群6例および健常人を含む非AD群10例を対象として,ダニ粗抗原を虫体・糞に分け各々貼布試験を行った.貼布後24時間,48時間,72時間に判定し,陽性例は病理組織学的検討を加えた.その結果,1.IgE RASTスコアー4の強陽性群の貼布試験はダニ虫体よりもダニ糞に対して圧倒的に高い陽性率を示した.2.ダニ糞抗原に対する陽性例の経時的な病理組織所見は,貼布24時間後で蕁麻疹反応,48時間後にリンパ球有意の痒疹型反応,72時間後は表皮に海綿状態を呈する湿疹型反応へと移行する所見がえられた.局所に浸潤するリンパ球はOKT4陽性細胞が時間経過とともに増加する傾向が認められた.また抗ダニ糞血清を用いた免疫螢光法で表皮内に陽性細胞を認めた.3.真皮上層の肥満細胞数は48時間をピークとした増加が認められた.以上の結果より,IgE RASTに強陽性を示す成人型ADにおいて,ダニ虫体よりも糞抗体の関与が強く示唆され,抗原の経皮的侵入によって,ADの湿疹反応が惹起されることが想定された.
  • 黒木 康雅, 多田 茂, 北村 豪, 川名 修徳, 緒方 克己, 出盛 允啓, 井上 勝平
    1990 年 100 巻 1 号 p. 71-
    発行日: 1990年
    公開日: 2014/08/11
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    当科でこの約10年間に加療したB細胞性リンパ腫について検討した.4症例を要約すると,症例1は,頭部に限局性腫瘤を生じ,follicular,medium sized cell typeの組織像を呈し,電子線照射と外科的切除により8年間完全寛解している.症例2.3はdiffuse,large cell typeの組織病型を呈し,標準的治療のみでは予後不良と考えられたため,従来の治療に加えて,中等量のMTX(メソトレキセート)とロイコボリン救援,VP-16(ベプシド),VDS(フィルデシン),PCZ(ナツラン),MXT(ノバントロン),PEP(ペプレオ),ACR(アクラシノン)など非交差耐性が期待出来る各種抗腫瘍剤を組み入れた.いわゆるnoncrossresistant alternating combination chemotherapyを継続し,それぞれ11ヵ月と7ヵ月寛解状態にある.症例4は皮膚病変(Bリンパ腫の特異疹ではなし)を伴った節性リンパ腫で,年齢や組織病型を考慮して,局所の放射線療法を主体に治療したが,4年半後に白血化と腎不全を併発して死亡した.皮膚原発ないし皮膚を病変の主座とするB細胞性リンパ腫は,リンパ節原発のそれに比して予後不良のものも多く,下山らの提唱したrisk groupなどを参照にして,慎重かつ積極的な治療法の選択が必須であることを強調した.
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