日本皮膚科学会雑誌
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90 巻 , 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 高橋 朱美, 山田 富美子, 甚目 憲司, 小林 陽太郎, 植松 茂生, 水野 信行, 伊藤 博隆, 欄 哲郎, 内田 敏夫, 武藤 允人, ...
    1980 年 90 巻 11 号 p. 981-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
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    1,掌蹠膿疱症患者86例に,① 扁桃マッサージによる扁桃病巣誘発試験,② 血清 ASK-SD 値測定,および③ SK-SD 皮内テストからなる扁桃病巣感染巣検査を行った.この検査に陽性を示したものは37例であり,うち24例に扁摘を行った.その結果は有効以上 100%,著効 94%,および完全吸収 90% であった.完全吸収をみるまでに,扁摘後最も長くて18ヵ月かかった.すなわち扁摘の効果を判定するには,少なくとも1年半は観察する必要がある. 1.扁摘後の皮疹の Flare-up は 50% にみられただけであった. 3.再発は,完全吸収例の 42% に見られたが,すべて一過性の軽微なものであった.誘因として感冒が 50% を占めた. 4.扁桃病巣除去の結果から判断すると,① 扁桃の臨床所見は病巣感染巣陽性と判定する根拠にはならない.② 扁桃陰寫からのβ溶血性連鎖球菌の検出率は低かった.③ 白血球数および血沈値を指標とした扁桃病巣誘発試験が陰性でも,扁摘の有効例は 50% もあった.したがって,この試験が陰性でも扁桃病巣感染巣の存在を否定できない. 5.白血球数および血清ASK-SD 値の異常高値は扁桃病巣陽性の指標になりえた.しかし,血沈値および血清 ASLO 値はその指標にはならなかった. 6.白血球数,血清 ASK-SD 値,および血清ASLO値は,いずれも扁摘前後で比較すると後に減少がみられた. 7,結論として,血清ASK-SD値の異常高値または扁桃病巣誘発試験陽性の所見があり,さらに白血球数異常高値がみられれば,扁桃病巣感染巣陽性の確率が高いことになる. 8.扁桃病巣感染巣陽性群では血清 ASK-SD 値は高く,一方血清 ASLO 値は正常範囲内にあったので,掌賠膿庖症の扁桃病巣感染には A 群よりむしろ C 群または G 群β溶血性連鎖球菌が関係しているようだ.
  • 堀 嘉昭, 宮沢 七郎, 溝口 昌子
    1980 年 90 巻 11 号 p. 987-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    ヒトの全身性(汎発性)白皮症 oculocutaneous albinism を Witkop らは6型に分類し,それぞれ遺伝子を異にすることを報告した.これらのうちチロジナーゼ活性陰性型は生体内でも試験管内でもチロジナーゼ活性が全くないもので,メラノサイト内メラノソームにメラニン化は起こらず,白毛,青い眼,ピソク色ないし向い皮膚を有し,水平方向の眼球振盪,羞明,視力障害などが著しい型である.一方,チロジナーゼ活性陽性型は生体内ではメラニン色素の形成は行なわれてはいるが完全ではなく,通常のメラニン化はみられない.しかし,試験管内ではメラノサイトのチロジナーゼ活性は陽性に認められ,一般に成長と共に皮膚,毛,眼の色素が増してくる型である. マウスの白皮症ではメラノサイトのチロジナーゼ活性は陰性でるが,肉眼的にこの白皮症マウスと同様に白毛,赤い眼を有するマウスでメラノサイトのチロジナーゼ活性が試験管内で陽性の種がある.このマウスはチンチラ(chinchilla, Cch/Cch)といわれるもので,このことはヒトにおける全身性向皮症のチロジナーゼ活性陰性型と陽性型との関係に似ている.しかし,チンチラマウスは加齢しても色素が増加してくることはない. 我々はこのチンチラマウスを用いて毛球部メラノサイトの超微構造の観察とチロジナーゼ活性について検索し,生体内ではほとんどのメラノソームが第2期で滞まっており,試験管内でチロジン溶液あるいはドーパ溶液に浸漬するとノラノソームおよび GERL に反応物質が沈着し,チロジナーゼ活性は陽性であると考えられた.白皮症マウスは試験管内でもチロジナーゼ活性は陰性であり,メラノソームのメラニン化は全く認められない. チンチラマウスはヒトのチロジナーゼ活性陽性型全身性白皮症の動物モデルとしてその酵素活性の抑制に関する面からの追究に供されるものと考えられる.
  • 熊切 正信, 大貫 正博, 加藤 直子, 古口 健一, 立花 法子, 三浦 祐晶
    1980 年 90 巻 11 号 p. 995-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    昭和52年3月から54年3月までの2年間に45例の乾癖患者に PUVA 療法を施行した.1回の治療として8-me thoxypsoralen 40mg 内服2時間後に紅斑をおこす最少量の長波長紫外線を照射した.6例では副作用のため治療を中止した.長期間観察例(19例)では,平均12ヵ月,51回の治療が行われた.治療中もステロイド含有外用剤を使用したが,ステロイド外用療法から PUVA とステロイド外用剤の併用療法に変更された9例では,PUVA 療法前後で処方量に推計学上変化はなく,平均値は318gから348gへとむしろ増加した.初診時から PUVA 療法を行った10例にも完全寛解例はなく, PUVA 療法をもってしても重症乾癖患者の治療は困難であることが示唆された.副作用としては滴状型皮疹の拡大する例が7例あり, Kobner 現象の誘発が示唆された.
  • 熊切 正信, 大貫 正博, 古口 健一, 加藤 直子, 立花 法子, 三浦 祐晶
    1980 年 90 巻 11 号 p. 1003-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
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    PUVA療法の治療前後で生検を行い,皮膚組織への影響を組織学的に検討した治療前の乾癖病変部からの生検では,乾癖型皮膚反応あるいはそれに類似した所見を示した. PUVA療法後には次のような所見が観察された.I)表皮はほぼ正常の構造を保つ.2)基底細胞層のメラニンの増加と澄明細胞の増加がみられた.3)PAS陽性の表皮基底膜の肥厚がみられる.4)表皮直下の真皮乳頭層にPAS陽性で帯状の無構造物質がみられ,トルイジソ青で淡く異染性を示し,酸性粘液多糖類の沈着か示唆された.またこの無構造物質内への弾力線維の侵人はみられなかった.5)真皮乳頭層および乳頭下層の小血管の拡張,血管壁の肥厚がみられた,この血管周囲にはraelanophageを含む組織球様の細胞が増加していた. 6) solar elastosis の進行は認められなかった.以上の所見はPUVA療法を60回以上行った症例の生検皮膚組織で著明に観察された.
  • 浅野 翔一, 松浦 喜代, 鈴木 敦, 遠藤 秀彦
    1980 年 90 巻 11 号 p. 1009-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    限局性鞏皮症(以下LSD と略す)硬化部の真皮中居に於ける主としてリンパ管について電顕的に観察し,次の様な所見を得た.即ち,リンパ管壁の構築には特に変化は認められなかったが,その内皮細胞にはライソゾーム様構造を呈する顆粒の著しい増加が特徴的であった. その他に粉面小胞体(以下rERと略す)の拡大も認められたが,これはリンパ管のみならず,それに近接した血管の構成細胞,その周辺部の縁組芽細胞,リンパ球等,殆んど総ての細胞にも認められた.この様に,本症例に関する限り,そのリンパ管はその周囲組織の長期にわたる硬化にもかかわらず,特に注目される様な器質的変化は認められず,むしろその内皮緋帽は active な像を呈した点て,全身性鞏皮症(以下PSSと略す)硬化部に於けるリンパ管の変化とは著しく異っていた.
  • 大塚 秀人
    1980 年 90 巻 11 号 p. 1015-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    ブレオマイシンは皮膚及び肺に高濃度に分布し,皮膚・肺に種々の作用が出現するが.従来より詳細な記載のないブレオマイシン皮膚炎20例にっき臨床像,病理組織,皮内反応,貼布試験,再投与,ブレオマイシン血中濃度,組織内濃度,リンパ球 T-cell, B-cell,免疫グロブリンより検索した.その発症はブレオマイシン60mg~120mgの投与で出現し,多くは 100mg を越える頃より出現する.皮内反応,貼布試験,再投与は陰性であった.皮膚組織内濃度は病変部は健常部に比し高値であった.免疫グロブリン,血清補体価,リンパ球 T-cell, B-cell の変動を発疹時,軽快時,再投与時に検索したが有意な変動は認められなかった.以上より本症はアレルギー機序を介さず非アレルギー性,特に蓄積作用により発症すると考えられる.
  • 片山 洋, 川田 陽弘
    1980 年 90 巻 11 号 p. 1027-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    プロスタグラソディンの合成阻害剤であるインドメサシンを4例の尋常性乾癬患者に内服投与し,全例とも1~2週間以内に皮疹の顕著な拡大と小皮疹の新生が認められた.さらにインドメサシンの外用を2例の本症患者皮疹部とその周囲の無疹部に試み,2例とも皮疹の拡大を認めた.以上より尋常性乾癬ではアラキドン酸からプロスタグラソディンヘの合成経路にその病因に大きく関与する異常が存在することが推定された.
  • 片山 洋, 川田 陽弘, 藤條 善彦, 山田 透, 許虹 笙
    1980 年 90 巻 11 号 p. 1031-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
    3例の乾癬患者皮疹部にそれぞれ3種類のプロスタグランディン(PG)を外用し,その影響を観察した. PGE1外用により2例で皮疹のほぼ完全な消失が,また他の1例でも皮疹の部分的な消失か認められた. PGE .の外用でも2例で皮疹のほぼ完全な消失が認められたが,他の1例では無効であったPGF2α。の外用では1例でのみ皮疹のある程度の軽快が認められた.以上より乾癖においては,先に我々がインドメサシンの乾癖に対する影響から想定したところの“アラキドン酸から PG への合成経路上の異常”にひき続いて,表皮細胞における PG の量的不足が生じている事が想定された.今回 PG の外用が乾癬皮疹を消失せしめたのは,量的に不足していると想定される PG を外から補うことにより表皮細胞での cyclic AMP 合成を促進し,それによって乾癬における過度の表皮細胞増殖を抑制したものと思われる.
  • 1980 年 90 巻 11 号 p. 1035-
    発行日: 1980年
    公開日: 2014/08/21
    ジャーナル 認証あり
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