日本皮膚科学会雑誌
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70 巻 , 12 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 川田 陽弘, 中居 卓
    1960 年 70 巻 12 号 p. 1229-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    凡そ黒色を呈する皮膚腫瘍には,melenocyteの増殖に因つて生ずる母斑細胞母斑及び惡性黒色腫の1群と,表皮Malpighi系細胞の増殖を主とする色素性基底細胞腫(癌),老人性疣贅,Bloch良性非母斑性黒色上皮腫或は太田の所謂黒色上皮腫の1群とがある.前者のうち,惡性黒色腫は從来melanocarcinoma,naevocarcinoma或いはmelanosarcoma等と呼ばれているもので,その発生母地をなすmelanocyteに関しては神経櫛起源説が有力ではあろうが,Allenなど現在も之を執らない学者もある.神経櫛起源説の漸く廣く行われるようになつたのは近年に属する.はじめBlochは表皮melanocyteは基底細胞に由来するものと考え,Blochの高弟Miescherも亦,Jadassohns Handbuchに執筆するに当り,Blochのmelanocyteを表皮性と真皮性とに分類する説に従い惡性黒色腫を表皮原性と真皮原性とに分けている.蓋し,melanocyteの一元説に據るならば,Miescherの所謂表皮原性は表皮melanocyteに由来するものを,又その真皮原性は真皮melanocyteに由来するものと看做してよかろう.そして惡性黒色腫の大多数は表皮原性即ち表皮melanocyteに由来すると考えられている.
  • 曽布川 純平
    1960 年 70 巻 12 号 p. 1244-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    單純性血管腫は日常多く見られる疾患であり,其の組織学的所見に就ても,可成文献があるが其の神経組織学的研究に就ては私の寡聞未だ之れを見ない.私は教室の佐々田が色素性母斑に就て行つた方法に倣つて單純性血管腫の局所の神経染色を行つた結果,該部は健康部に比較して,神経線維が量的に少ないと考えられる像並びに神経其のものにも変化がある事を知つた.依つて本事実を確認する目的を以つてoptical lever esthesio-algesio meterを使用して病巣部の知覚を測定した所,組織学的変化を裏付けするが如き結果を得たので此処に報告する次第である.
  • 佐々田 健四郎, 森 弘文, 太田 裕祥, 小杉 善之助, 名倉 正比古
    1960 年 70 巻 12 号 p. 1257-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    掌蹠に於けるpigment spotは從来極めて稀なものとされていたが,注意して観察すれば時に発見する事が出来る.川村は集団檢診に於いて掌蹠に存在するpigment spotを4,682名中403名(8.6%)に発見し,佐々田はpigmented nevi患者2,238名中手掌に6名(0.27%),足蹠に4名(0.18%)を発見した.更に口唇,口腔粘膜に於けるpigment spotは生理的にも存在する事があり,峯は日本人1,425名を調査し,458名(32%)にpigment spotを証明した.此の内77%は頬粘膜に存在する.斯くの如く掌蹠,口腔粘膜のpigment spotは生理的か,又病的なものかの判断は難しく,故にPeutz-Jeghers' Syndromの診断は,外表的な変化を以て下し難く,從つて現在迄の報告は数少い.内外の文献を照覧しても僅か50例余りで,然も確実なpolypの証明をしているものは10例位である.本症を推測せしめる報告はHutchinson(1896)の口囲に特種な色素沈着を有する双生兒例を以て嚆失とする.其の後Weber(1919)は此の双生兒の1人がintussusceptionで死亡した事を報告した.然し本症例では死後腸管polyposisの檢証はないが,其の記載より推して恐らく本症に罹患していたのではないかと考えられる.Peutz(1921)は口,手,足の色素沈着及びこれに関連する腸管polyposisを示す同一家系の数名を報告した.Van Dijk & Qudendal(1925)は口唇に色素沈着を有する兄弟がintussusceptionを起し,外科的に追求した結果,腸管にadenomasを見出した.Foerster(1926)はnevi spiliとして全身特に顔,手,口腔粘膜にpigment spotを多発した1女性例を供覧し,Siemens(1928)は自驗例3例を追加し,此の様な症状をephelides inversaと稱えた.Foester(1944)も口囲の特異な色素沈着を有する父娘に腸管polypを発見し,父の兄弟も亦腹痛と血便に惱まされ,彼等の子供にも口腔粘膜,口唇の色素沈着と腹痛があつた事を記載している.Touraene et Couder(1945)は同様なsyndromの1例を述べ文献的考察をなしている.Jeghers et al.(1949)は1944年以来10例の自家經驗例を詳細に檢討し其の遺傳的態度を追求した.彼等は此のsyndromの必須條件としてbuccal mucosal pigmentationを強調した.Tanner(1951)の症例報告は略々完全に本症のsyndromを具えている.Wolff(1952)はintussusceptionの反復の爲数囘の手術を受けた50才の男子例を述べ,5人の子供の内3人が顔面又は掌蹠に以上色素沈着を持つていた事を報告している.Perry(1950)は遺傳的関係を全く持たない10才の男子例を擧げ,突発例としている.彼の記載はレントゲン写真と切除polypの病理組織学的所見に迄及んでいる.Millerd & Troxell(1954)のは77才の白人例で,最年長であり,直腸に発生したpolypは惡性であつたと云つている.本邦に於いては森(1948)が掌蹠,口唇色素斑の1例を述べ,pigmentがcrista profunda intermediaに限局し,此の現象はAtavismusと考えるべき事を強調した.長州と阿部の母子2例は本邦に於ける最初の報告例である.其の後山碕等が2
  • 高見 弥太郎
    1960 年 70 巻 12 号 p. 1266-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    腋臭は極めてありふれた疾患であり,今日迄数多くの研究が行われ,特に我國に於ける業績が多い.その年令的,性別的,遺傳的関係,聤聹との関連は云う迄もなく,腋窩の組織学的所見等は殆ど解明し盡されていると云つてよい.然しながら一歩掘り下げて腋窩皮表の発汗乃至pH,或は腕窩分泌物の化学的組成,更には最近発展して来た組織化学的所見,又Shelley(1953)以来,注目されて来た細菌感染との関連等に就ては,二,三の記載はみられるが,未だ不明な点が多分に残されている.殊に文献を通覧して痛感されたことは,これら諸々の問題を実際に腋臭と非腋臭とに就て相互に系統的に比較檢討した文献は極めて寥々たるか或は殆ど見当らなかつたことである.そこで余は数年来,一方では小,中学,高校生に就てその統計的観察を行うと共に,他方では本学外来患者に就て肝,副腎皮質,性腺との関係,腋窩の発汗量並びに皮表pH,又paper chromatographyによる腋窩分泌物の低約脂肪酸を檢索し,更には腋窩apocrine腺の組織学的並びに組織化学的研究から腋窩分泌物乃至はglass micropipetteによる腋窩apocrine汗の細菌学的檢索に及び,併せて殺菌剤による腋臭の治療等を試みて来た.以下はこれらの成績をまとめたもので,何れも略々同年令の非腋臭を対照として腋臭と比較したのであるが,これにより,聊か新しい知見を加え得たので,以下記述しようと思う.因みに腋臭の定義は厳密にはむづかしい.生理的体臭との間にどこと線を引くかゞ困難だからであるが,余は便宜上,着衣の儘,密閉した室(20℃以上)に患者を暫時おき,腋窩を綿で拭つて,その臭を同僚3人で嗅ぎ一致して特有な惡臭の存在を肯定したもの以上を腋臭とし(+),腋窩を露出し普通の距離で対坐した丈で既に惡臭を感知し得たものを(廾),更により隔つた距離でも明かに惡臭を感知し得たものを(卅)とした.
  • 1960 年 70 巻 12 号 p. 239e-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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