母斑性基底細胞癌症候群は
PTCH1遺伝子の異常により,基底細胞癌,顎骨囊胞,骨格異常など,外胚葉,中胚葉に腫瘍ならびに奇形が多発性に生じる常染色体優性遺伝性疾患.
PTCH1は9q22.3に坐乗し,hedgehogシグナルpathwayに関与し,がん抑制遺伝子としての性格を有している.患者の40%は家族内発症はなく,
de novo変異として起こっている.合併する基底細胞癌,髄芽細胞腫の治療が適切に行われていれば,生命予後は健常人と比べて大きな差はないとされる.本症候群における基底細胞癌では,紫外線と放射線がリスク因子と考えられている.放射線治療には特に慎重な対応が望まれる.
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