日本皮膚科学会雑誌
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120 巻 , 9 号
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日本皮膚科学会ガイドライン
皮膚科セミナリウム 第63回 高発癌性皮膚疾患(遺伝と皮膚癌)
  • 森脇 真一
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第63回 高発癌性皮膚疾患(遺伝と皮膚癌)
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1861-1867
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    色素性乾皮症は紫外線性DNA損傷の修復異常で発症する重篤な遺伝性光線過敏症である.臨床的には日光曝露のたびに繰り返す光線過敏症状,雀卵斑様の色素異常などの光老化皮膚の進行,さらには厳重な紫外線防御を怠ると高率に日光露光部皮膚に悪性腫瘍が出現するという特長を有する.本邦では過半数の症例で精神運動発達障害などの中枢・末梢神経系の異常を合併し,その進行度や重症度が患者予後に強く影響する.診断は各種DNA修復試験,遺伝子解析を駆使してなされるが,できるだけ若い年齢での確定診断と専門スタッフによる遮光指導,患者ケア,皮膚悪性腫瘍の早期発見,早期切除が患者,家族のQOL向上に大きく寄与する.
  • 錦織 千佳子
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第63回 高発癌性皮膚疾患(遺伝と皮膚癌)
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1869-1874
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    母斑性基底細胞癌症候群はPTCH1遺伝子の異常により,基底細胞癌,顎骨囊胞,骨格異常など,外胚葉,中胚葉に腫瘍ならびに奇形が多発性に生じる常染色体優性遺伝性疾患.PTCH1は9q22.3に坐乗し,hedgehogシグナルpathwayに関与し,がん抑制遺伝子としての性格を有している.患者の40%は家族内発症はなく,de novo変異として起こっている.合併する基底細胞癌,髄芽細胞腫の治療が適切に行われていれば,生命予後は健常人と比べて大きな差はないとされる.本症候群における基底細胞癌では,紫外線と放射線がリスク因子と考えられている.放射線治療には特に慎重な対応が望まれる.
  • 大塚 藤男
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第63回 高発癌性皮膚疾患(遺伝と皮膚癌)
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1875-1880
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
原著
  • 高橋 綾, 中島 喜美子, 池田 光徳, 佐野 栄紀
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1881-1885
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    症例1:生後4日,男児.在胎39週,正常分娩で生まれた.生下時,頭頂正中部に潰瘍を認めたが,翌日には血痂を付着した.その他の外表奇形の合併は認めなかった.分娩時の鉗子等の外傷を否定し,先天性皮膚欠損症と診断した.母親は甲状腺機能亢進症に対して妊娠の2年前から妊娠24週まではチアマゾールを,それ以降はプロピルチオウラシルを内服中であった.潰瘍は無治療で上皮化し,1カ月後には紅色の瘢痕となった.症例2:生後2日,男児.在胎38週,正常分娩で生まれた.生下時,頭頂正中部に潰瘍と脱毛斑,耳瘻孔,頸部に丘疹を認めた.分娩時に鉗子は使用しておらず,先天性皮膚欠損症と診断した.母親は甲状腺機能亢進症に対して6年前から妊娠中も休薬することなくチアマゾールを内服していた.頭部の潰瘍は無治療で,1カ月後には上皮化し瘢痕となった.耳瘻孔と頸部の丘疹は残存した.自験例と同様,チアマゾールによると思われる先天性皮膚欠損症の報告が散見される.妊娠中の甲状腺機能亢進症の治療には,プロピルチオウラシルが望ましい.
  • 中込 大樹, 安藤 典子, 原田 和俊, 川村 龍吉, 柴垣 直孝, 島田 眞路
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1887-1891
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    81歳男性.両腋窩,陰部に大豆大から鶏卵大の紅斑を主訴に当科受診.皮膚生検の結果,両腋窩,陰部にともに表皮内にPaget細胞による胞巣を確認し,triple Paget病と診断した.また,両手背に正常皮膚色の扁平疣贅様丘疹が多発し,舌,口唇にも米粒大半球状の丘疹が散在していた.Cowden病の可能性を考え,上部消化管内視鏡検査を行ったところ上部消化管にポリポーシスを認め,CTでは甲状腺腫瘍が認められた.Cowden病の原因遺伝子であるPTEN遺伝子の遺伝子検査を行ったところ,遺伝子の変異を認め確定診断した.triple Paget病とCowden病の合併例は極めて稀なので報告する.
  • 稲葉 弥寿子, 白井 秀治, 矢上 晶子, 秋田 浩孝, 阪口 雅弘, 水谷 仁, 松永 佳世子
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1893-1900
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    粉製品に含まれたダニの経口摂取によるアナフィラキシー2症例を経験したので報告する.症例1は50歳女性で,開封後に常温保存したお好み焼き粉を,自宅にて調理摂取した約30分後に全身浮腫性紅斑や動悸,嘔気が出現した.患者が摂取したお好み焼き粉は,賞味期限より2年が経過していた.患者血清ダニ抗原特異IgE値はヤケヒョウヒダニ23.4 IU/ml,コナヒョウヒダニ33.7 IU/mlで,コムギ関連特異IgE値はコムギ<0.35 IU/ml,グルテン<0.35 IU/mlと陰性であった.持参した同一銘柄の未開封お好み焼き粉と冷凍保存された薄力粉でのスクラッチテストは陰性であったが,ダニ抗原(鳥居薬品)のプリックテストはscore 3+の陽性を示した.症例2は28歳女性で,開封後に数カ月間常温保存したお好み焼き粉(以下事故粉)を自宅において調理中に喘息症状が出現し,摂取中に呼吸困難感や嘔吐,腹痛が出現し,アナフィラキシーショックとなった.患者血清ダニ抗原特異IgE値はヤケヒョウヒダニ51.6 IU/ml,コナヒョウヒダニ55.6 IU/mlで,コムギ関連特異IgEはコムギ<0.35 IU/ml,グルテン<0.35 IU/mlと陰性であった.プリックテストは事故粉でscore 3+の陽性,ダニ抗原(鳥居薬品)でscore 4+の陽性であった.また冷凍保存された薄力粉は陰性であった.事故粉にはコナヒョウヒダニが50匹/g検出され,ELISA法で測定したところ,ダニ主要抗原であるDer f 1が64.1 μg/gと多量に検出された.事故粉と患者血清(症例2)を用いたImmunoblot法ではダニ抗原と思われる25 kDa部位にバンドが検出された.さらに血清とダニ粗抽出液を用いたInhibition immunoblot法ではダニ粗抽出物と共通分子量付近に認められた複数のバンドは事故粉より消失した.この結果から事故粉に認められたバンドは粉中のダニ抗原に反応したバンドと考えられた.上記の検討を踏まえ,お好み焼き粉におけるダニ繁殖の実態を調査するため,我々は,お好み焼き用ミックス粉3銘柄と薄力粉におけるダニ数及びダニ抗原の増殖性の違いについて検討した.各粉にコナヒョウヒダニを添加培養し,3週間後と6週間後に評価した.培養6週間後にミックス粉のダニ数とダニ抗原は,薄力粉に比較して3銘柄ともに増加傾向を認め,1銘柄は有意に増加していた.粉類でダニの増殖を防ぐには冷蔵保存が良いとされる.市販のミックス粉の注意書きには冷蔵保存と明記する必要があり,また我々皮膚科医は小麦アレルギーと誤診しないよう注意が必要である.
  • 金子 史男, 齋藤 早苗, 富樫 亜吏, 尾山 徳孝, 中村 晃一郎
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 9 号 p. 1901-1905
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    ベーチェット病(Behçet’s disease:BD)患者の症状は口腔内アフタ性潰瘍から始まることが多い.一般に,このような例では臨床症状から診断は容易であるが,しかし中には他の症状から始まる例もあり,診断に苦慮することも多々ある.BD患者の口腔内には,Streptococcus sanguinisをはじめとするレンサ球菌が多い.BD患者はこれらのレンサ球菌群に対して強い遅延型過敏反応を示す.この現象を利用して厚生労働省の2003年改訂の診断基準には,診断の参考の一つとしてレンサ球菌抗原プリックテストが記載されている.しかしながら,実際の施行にあたってレンサ球菌抗原の入手が困難である.そのことから,BD患者の自家唾液中に含まれるレンサ球菌を利用してプリックテストを行ったところ,いわゆる「針反応」より強い遅延型反応を示し,レンサ球菌抗原プリックテストの簡便法として診断の参考になる可能性がある.
学会抄録
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