従来,乾癬爪病変に対する外用療法の有用性は,臨床現場では高いとの評価は少ない.そこで,簡便な活性型ビタミンD
3ローション外用薬単純塗布により,本当にその有用性が低いのか,低いとすれば薬剤の問題か,それとも外用方法に問題があるかの検討を試みた.尋常性乾癬患者30例を対象として,外用アドヒアランスを厳守させて,nail psoriasis severity index(NAPSI)スコア,爪甲病変,爪床病変を観察,評価した.その結果,マキサカルシトールローションを外用した爪のNAPSIスコア変化率は,外用しない爪に比べて有意に高かった.爪甲病変比の変化率も同様に,外用した爪の変化率が外用しない爪に比べて有意に高かった.以上の結果から,尋常性乾癬爪病変に対して活性型ビタミンD
3ローション外用療法を実施することで症状は改善し,有用性があることが確認できた.とくに,治療開始時に爪床病変のない症例,爪母に外用した症例ではその有用性に優れると考えられた.また,外用が毎日行われない症例もあり,より外用アドヒアランスをあげるにはどのようにすべきか考察した.
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