日本皮膚科学会雑誌
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102 巻 , 14 号
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  • 野村 和夫, 沢村 大輔, 菅原 隆光, 佐藤 俊, 中野 創, 梅木 薫, 三橋 善比古, 橋本 功
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1735-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    表皮,真皮境界部アンカリングフィブリルの主要構成成分であるⅦ型コラーゲンの,表皮角化細胞における遺伝子および蛋白発現を検索した.正常ヒト角化細胞(NHEK)を無刺激,あるいはtransforming growth factor-β1(TGF-β1),interleukin-1α(IL-1α)の存在下で培養後RNAを採取し,Ⅶ型コラーゲンcDNA(K-131)をプローブとしてノーザンブロットを行った.また,培養ヒト有棘細胞癌由来細胞(HSC-1)からもRNAを採取し,同様にノーザンブロットを行った.その結果,無刺激ではNHEKでかすかに発現しているのみであったが,TGF-β1刺激で発現の高度の増強がみられた.IL-1αでは発現はみられなかった.またHSC-1での発現はみられなかった.次に同様の条件で培養したNHEKについて,抗Ⅶ型コラーゲンモノクローナル抗体を用いて間接蛍光抗体法を行った.その結果,TGF-β1刺激下では細胞質に蛍光の明らかな増強が観察された.しかし,IL-1α刺激では蛍光の増強はみられなかった.以上の結果から. Ⅶ型コラーゲンは蛋白,遺伝子とも正常のヒト表皮角化細胞で発現しており,かつ,それらの発現はTGF-β1で増強されることが示された.
  • 岡野 昌樹, 足立 準, 小嶋 益子, 青木 敏之
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1741-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎におけるアレルゲン皮内テストとRASTの結果は個々の症例では必ずしも一致しない.実際乳幼児アトピー性皮膚炎患児に鶏卵誘発テストを施行すると感作の程度に応じ,紅斑,膨疹を生ずるが,この時卵の皮内テストは陽性でもRASTが低値をとることがよくある.このことをよりどころとして10歳以下のアトピー性皮膚炎患児209例につき卵皮内テストとRASTの成績を比較したところ次のような結果が得られた.卵皮内テスト陽性群のうち約1/3はRAST低値(陰性)であった.逆に卵皮内テスト陰性でRAST陽性の場合もときに(約10%)あった.これらのことは卵皮内テスト,RASTの抗原には互いに他方にはない抗原が含まれていることを示唆する.皮内テスト疑陽性はほとんどが陽性に相当すると考えられた.卵RASTスコア0.5あるいはそれ以下でも皮膚は感作されている可能性がある.
  • 玉木 毅, 竹原 和彦, 森 俊二
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1745-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    東京都において昭和62年度に特定疾患として登録されている全身性強皮症患者を対象に疫学調査を行った.まず,東京都衛生局医療福祉部特殊疾病対策課に保管されている全身性強皮症患者の申請書および診断書をもとに,636名の患者及び主治医リストを作成した.次に個々の患者の主治医宛に臨床症状,検査データ,治療等についての調査票を送付し,その回答を集計,解析した.合計357名分の回答が得られたが,本報告では,そのうち248名の定型的全身性強皮症の症例に対し,抗トポイソメラーゼーⅠ抗体,抗セントロメア抗体,抗U-1RNP抗体,の3つの特異抗核抗体に着目した統計学的な解析を試みた.その結果,①抗トポイソメラーゼ-Ⅰ抗体陽性群では,広範に皮膚硬化が見られ,肺・消化器などの内臓病変を高率に伴う.②抗セントロメア抗体陽性群では,各種主要症状の頻度が低く,検査所見の異常も低率である.③抗U-1RNP抗体陽性群では,全身性強皮症主要症状に関しては抗トポイソタラーゼ-Ⅰ抗体陽性群と抗セントロメア抗体陽性群の間に位置し,加えて,発熱,関節・筋症状,血沈・血液生化学検査異常などの炎症症状を伴う等の結果を得,過去に指摘されてきた特異抗核抗体と臨床症状との相関は本疫学調査によっても確認された.
  • 玉木 毅, 竹原 和彦, 森 俊二
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1753-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    東京都において昭和62年度に特定疾患として登録されている全身性強皮症患者を対象に疫学調査を行い,357名分の患者データを得た.本報告では,3種の特異抗核抗体に着目した前回の報告の続報として全身性強皮症のBarnett分類に基づいた解析を行った.その結果,男女比ではType 3において男性の比率が有意に高かった.平均年齢はType1において他の2群に比し有意に高かった.各所見・検査異常の検討ではType1において抗セントロメア抗体陽性率が他の2群に比して有意に高く,虫食状瘢痕・舌小帯短縮・両下肺野線維化・全身の色素沈着・指の屈曲性拘縮・抗トポイソメラーゼ-Ⅰ抗体・呼吸機能検査異常が有意に低率であり,また,Type3において舌小帯短縮・全身の色素沈着・指の屈曲性拘縮が有意に高率であった.以上の結果より,皮膚硬化と内臓病変等のその他の所見との相関が確認された.
  • 玉木 毅, 竹原 和彦, 森 俊二
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1759-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    東京都において昭和62年度に特定疾患として登録されている全身性強皮症患者を対象に疫学調査を行い,357名分の患者データを得た.本報告では,3種の特異抗核抗体に着目した前々回の報告,Barnett分類に基づいた前回の報告に続いて,患者の性別に基づいた解析を行った.その結果,①診断病型において男性群にType3,PSS疑い例,そして最終的にPSSやMCTD以外の疾患と診断された例が有意に高率であった.②症状・検査所見の各項目では男性群において女性群よりも高率であるものが多く,また,特異抗核抗体の陽性率が低い傾向が認められたが,統計学的には心病変・肺高血圧,尿検査の項目以外には有意差を認めなかった.③男女別にType3の症例のみを抽出したところ各種症状には有意差が認められなかったが,特異抗核抗体において,男性のType3では,有意に抗U-1RNP抗体の陽性率が高かった.今回の解析では男性の全身性強皮症に,やや非定型的な重症例が多い傾向を認めたと言えるが,症例数が少ないために,統計学的な有意差の検出がマスクされていると考えられ,さらに多くの男性例の集積と検討が必要と考えられた.
  • 杉山 都子, 中田 土起丈, 丹羽 緑子, 野崎 重之, 飯島 正文, 藤澤 龍一, 岩井 雅彦
    1992 年 102 巻 14 号 p. 1763-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    表皮内浸潤細胞が免疫組織学的にCD8陽性T細胞の性格を持つpagetoid reticulosis の1例を報告した.症例は59歳,女.約5年前,自覚症状のない紅斑が右臀部に出現.皮疹は次第に両臀部から両大腿部へと増数・拡大した.病理組織学的には表皮内に明るい胞体とクロマチンに濃染し切れ込みを有する核をもつ大型の異型単核細胞が密に認められ,それらの多くは胞巣を形成し,いわゆるPaget病様の像を呈していた.また真皮上層には同様の異型単核細胞と,より小型の単核細胞の帯状細胞浸潤が認められた.電顕的にこれら異型単核細胞は核の切れ込みが著明で一部cerebriformの核型を呈するものもあった.以上の所見より本例をpagetoid reticulosis と診断した.また免疫組織学的に表皮内浸潤異型単核細胞はHLA-DR(-),CD3(+),CD4(-),CD8(+)を示し,suppressor/cytotoxic T細胞の表面形質を有していた.
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