日本皮膚科学会雑誌
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122 巻 , 10 号
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皮膚科セミナリウム 第89回 皮膚科と社会
  • 日野 治子
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第89回 皮膚科と社会
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2459-2470
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科医が校医として学校保健の場に入っていくのはなかなか難しい.幼小児期から皮膚科医が接触介入することで,皮膚疾患を早期発見し,早期治療が望ましいことは言うまでもないが,校医としての立場を得にくい現場では容易ではない.学校生活は学校保健安全法で様々に規定されている.学校感染症の管理は学校生活を滞りなく過ごさせるのに必要なことであり,アレルギーを持つ学童・生徒の管理,性感染症の問題など,今後皮膚科医が関わらねばならない問題に関して,いくつか取り上げる.
  • 上田 由紀子
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第89回 皮膚科と社会
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2471-2473
    発行日: 2012/09/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    「21世紀の国民スポーツ振興政策」により,スポーツを楽しむ全ての人に対して,スポーツ医科学のサポートは今まで以上に重要であると強調されている.スポーツは本来,健康を増進し,社会に活力を生むものであるが,老若男女すべての国民がスポーツを健康的に楽しめるように皮膚科医の立場からサポートすることはもちろん,競技スポーツにおいては,競技負荷による皮膚トラブルを解決し,よりよいパフォーマンスを発揮できるように助言することも大切な仕事である.
  • 田邉 昇
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第89回 皮膚科と社会
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2475-2480
    発行日: 2012/09/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    医療行為は,法律上の考えでは,患者への本来は違法な侵襲行為が,①医師により②医学的に適正な内容の行為が行われ③適正な手続きを経て,はじめて違法でなくなるとされる場合が多い.従って,医師としては,侵襲行為たる医療行為が特に許された行為であることを認識し,違法性を阻却するべく,①責任の所在を明確に意識し②医学的に適正な内容を③患者への説明や倫理委員会などの承諾など一定の手続きを経るほか,健康保険法などの必ずしも医学的に合理的と言えないような法令群にも違反しないように診療を行う必要がある.
原著
  • 奥 謙太郎, 大塚 幹夫, 山本 俊幸
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2481-2485
    発行日: 2012/09/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    27歳女性.2008年5月から両側下腿に有痛性皮疹が出現,両側下腿伸側に爪甲大の浸潤を伴う皮下硬結が数カ所認められた.生検組織では皮下小静脈内に血栓形成,血管壁周囲に巨細胞を混じる炎症細胞浸潤を認め,血栓性静脈炎と診断した.経過中に口腔内アフタ性潰瘍・食道潰瘍・小腸潰瘍が出現し,関節炎・HLA-B51陽性・針反応陽性も認めたことから血栓性静脈炎を初発症状とする腸管型Behçet病と診断した.Behçet病の初発症状について,過去20年間の当教室経験症例および多国間症例での比較検討を行った結果,国を問わず血栓性静脈炎のみで初発する頻度は低い傾向にあった.本症例ではカルジオリピン抗体が軽度陽性であったことに加え,立位の多い生活環境が血栓性静脈炎を初発症状とした一因と考えた.
  • 村田 洋三, 熊野 公子, 高井 利浩, 酒井 大輔, 菊澤 亜夕子
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2487-2493
    発行日: 2012/09/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    遺伝的要因,環境要因などの特別な背景を有しない基底細胞癌における多発性について自験例を検討した.兵庫県立がんセンターで25年間に扱った基底細胞癌751例中,明らかな背景を有しないものは732例で,この内2個以上の多発例は52例(7.1%)であった.当初単発であったが,後に新たな基底細胞癌が生じる異時発生例は15例であり,初診時単発症例の2.2%にあたる.その新生は初診19年後まで見られた.一方,初診時から既に多発していた同時発生例は37例で,その内4例(11%)に更に新たな基底細胞癌が異時性に発生した.顔,躯幹,四肢の領域で更に左右に発生部位を区切って検討すると,多発症例では同一領域に生じる場合に,左右の一方に偏る傾向があり,2個の腫瘍の場合には二項分布検定による解析で有意な蓋然性が認められた(p=0.0006594).また,近接した発生も多く見られた.その背景として,胎生期後期でのmutationの可能性が考えられた.
  • 渡邉 裕子, 佐野 沙織, 村田 奈緒子, 長島 真由美, 白田 阿美子, 前田 修子, 山根 裕美子, 池澤 善郎, 相原 道子
    原稿種別: 原著
    2012 年 122 巻 10 号 p. 2495-2504
    発行日: 2012/09/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    2003年4月から2009年3月までの過去6年間に横浜市立大学付属病院を受診した薬疹患者について解析した.総数は341名,原因薬は抗菌薬が最も多く29%,次いで抗腫瘍薬18%であった.抗菌薬では耐性菌増加に伴いグリコペプチド系が13%,カルバペネム系が10%と増加し,抗腫瘍薬では分子標的薬が19%と急増していた.発疹型は紅斑丘疹型がもっとも多かったが,Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症が5%,1998年以前の統計では分類されていなかった薬剤性過敏症症候群(DIHS)が2%にみられた.抗腫瘍薬の発疹型は限局する紅斑丘疹や手足症候群,光線過敏型など多彩であり,特に分子標的薬は痤瘡型,水疱型,爪甲異常といった特徴的な発疹型を呈していた.好酸球増加は17%の患者でみられ,紅皮症型がもっとも高頻度であった.原因薬剤の検索では,パッチテスト,皮内テスト,薬剤添加リンパ球刺激試験がそれぞれ施行例の34%,68%,60%に陽性であった.治療は薬剤中止または継続したままで約80%が軽快し,抗腫瘍薬やインターフェロン製剤は薬疹を生じても継続できる症例が多かった.今後も新薬の開発とともに薬疹の原因薬や臨床像は変化していく.各時代の薬疹の調査と知識の集積は今後も薬疹に対処していくために重要である.
学会抄録
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