日本皮膚科学会雑誌
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121 巻 , 5 号
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皮膚科セミナリウム 第72回 炎症性角化症
原著
  • 大井 三恵子, 種瀬 朋美
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 5 号 p. 857-862
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚症状を契機に急性HIV感染症を診断し得た5例を報告する.HIVの初感染後,半数以上に2~4週で急性感染症状がみられるが,その中でも皮膚粘膜症状の出現頻度は高い.今回経験した症例は29~39歳のいずれも男性で,3日以上続く39°C台の発熱と,全身の麻疹様紅斑を主訴に来院した.全例で咽頭痛が強く,口腔粘膜疹も認めた.臨床検査にて第4世代のスクリーニング検査に低値陽性であり,血中HIV RNA量は著明に増加していた.また,症状出現から早期に検査し得た症例では抗体検査(Western Blot法)の結果が陰性であった.HIV感染症を早期に発見することは,適切な時期の治療とさらなる感染拡大を防ぐことにつながり社会的な意義も大きい.HIVの急性感染症としての皮膚症状を理解し,梅毒などの性感染症からHIV感染症を疑うだけでなく,急性感染症より診断していくことが皮膚科医に求められると考える.
  • 渡部 裕子, 難波 千佳, 藤山 幹子, 町野 博, 橋本 公二
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 5 号 p. 863-867
    発行日: 2011/05/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    2009年8月から12月にかけて,愛媛県松山市周辺の皮膚科で,小児32名,成人7名の患者で爪変形,爪甲脱落の発生が確認され,そのうち4名を除く35名で発症の1~2カ月前に手足口病の既往があった.そのうち10名の患者で中和抗体価を測定したところ,全例でコクサッキーウイルスA6が8~128 倍の陽性所見を示した.これは爪変形,爪甲脱落を来す手足口病の本邦における最初の報告である.
  • 久保山 智世, 中村 暁子, 原田 佳代, 占部 和敬, 中牟田 誠, 才津 秀樹, 桃崎 征也
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 5 号 p. 869-874
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    62歳男性.IgG4関連硬化性胆管炎に対し,2007年5月30日よりステロイドの内服にて加療が開始された.漸減中の2008年6月中旬より四肢に痒みを伴う皮疹が出現し,近医にて外用加療を行うも改善が乏しい為,7月25日に当科を紹介受診した.初診時,四肢・体幹に数mm大の角化性小紅斑が散在し,頭部には鱗屑を伴う紅斑を認めた.左前脛部の皮疹の生検の結果,不全角化,角層内・角層下・表皮内への好中球の浸潤と微小膿瘍の形成,及び表皮肥厚と表皮突起の延長,真皮乳頭層の浮腫,血管周囲性のリンパ球・形質細胞の浸潤を認め,乾癬に合致する所見であった.免疫染色にて真皮にIgG4陽性形質細胞が散在し,また真皮乳頭層の血管周囲にIgG4の沈着を認め,本皮膚病変とIgG4関連硬化性疾患との関連が推測された.
  • 平部 正樹, 長谷川 友紀, 藤城 有美子, 城川 美佳, 福地 修, 中川 秀己
    原稿種別: 原著
    2011 年 121 巻 5 号 p. 875-882
    発行日: 2011/04/20
    公開日: 2014/11/13
    ジャーナル 認証あり
    本研究では,乾癬特異的QOL尺度であるPDI(Psoriasis Disability Index)日本語版を用いて,乾癬による皮疹がQOLに及ぼす影響を検討した.対象は東京慈恵会医科大学4病院の皮膚科外来で乾癬と診断された患者228名であった.乾癬の臨床病型は,尋常性乾癬,関節症性乾癬,乾癬性紅皮症,膿疱性乾癬であった.調査期間は2005年5月から2006年1月であった.初回調査後患者を追跡し,約4カ月後に2度目の調査を行った.調査票は調査期間中に2度の調査を行いえた132名から回収され,115名を有効回答とした.PDIでは,日常生活,総合得点で,男性より女性でQOLが低かった.症状の変化がQOLに及ぼす影響については,男性では医師評価および自己評価の皮疹面積,総括的重症度の与える影響が大きかった.女性では自己評価の皮疹面積の変化がQOLに影響を与えていた.男性では,現症状と症状の変化が同程度QOLに影響を与えているのに対し,女性では現症状の影響が大きかった.本研究の結果から,QOLの維持・向上を目指した乾癬治療が選択されることが期待される.
学会抄録
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