関節症性乾癬は乾癬群の約2~7%を占め,特にその関節炎は種々の治療にしばしば抵抗性を示す.我々は,過去8年間の当院における,関節症性乾癬の関節症状のひとつである関節痛に対する治療を評価するとともに,特にサラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN
®)による治療に著効を示した6例を中心に報告した.過去8年間に,関節症性乾癬患者25例(男性15例,女性10例)の関節痛に対し使用した各種薬剤の有効性は,シクロスポリン(サンディミュン
®,ネオーラル
®)が60.0%(15例中9例),アセメタシン(ランツジール
®)が50.0%(10例中5例),ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン
®,ナボール
®)が40.0%(10例中4例),ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン
®)が31.6%(19例中6例),プレドニゾロン(プレドニン
®)が42.9%(7例中3例)であった.一方上記薬剤にて関節の疼痛軽減が見られなかった8例に対し,サラゾスルファピリジン(500~1,000 mg/日)を投与したところ,悪心・嘔吐が出現した1例と無効1例を除き,残り6例では投与開始8~15週後に関節痛がほぼ消退した.
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