日本皮膚科学会雑誌
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118 巻 , 9 号
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日本皮膚科学会ガイドライン
皮膚科セミナリウム 第40回 皮膚と免疫
  • 松江 弘之
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第40回 皮膚と免疫
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1677-1682
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    抗原提示能を有する皮膚の樹状細胞はランゲルハンス細胞のみではなく,真皮にも樹状細胞が常に存在している.また,乾癬,アトピー性皮膚炎などの病変部に新たに浸潤してくる樹状細胞も知られるようになった.本稿では,これらの樹状細胞について最近の話題を交えて概説した.
  • 森田 明理, 前田 晃
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第40回 皮膚と免疫
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1683-1689
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    最近の免疫学の進歩から,紫外線によって抗原特異的な制御性T細胞が誘導されたことが明らかとなった.紫外線によって,獲得免疫の誘導が抑えられる一方,制御性T細胞の誘導・抗菌ペプチド(自然免疫)の誘導があるため,皮膚が健康に保たれる調和の取れたメカニズムが存在する.紫外線療法によって,比較的長期間の寛解期間が得られるのは,病因となる細胞のアポトーシス誘導のみならず,制御性T細胞の誘導が考えられている.本稿では,紫外線によるアポトーシスと免疫抑制について概説した.
  • 佐藤 伸一
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第40回 皮膚と免疫
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1691-1695
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    B細胞は以前考えられていたより,免疫反応の制御において多彩かつ重要な機能を有していることが明らかとなった.さらにB細胞は自己抗体とは関係なく,抗原提示細胞やサイトカイン産生細胞などとして働き,膠原病の症状発現に必須の役割を果たすことも示された.今後,皮膚自己免疫疾患に対してもB細胞をターゲットとした治療が急速に拡大することが予想される.
原著
  • 安齋 眞一, 木村 鉄宣
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1697-1707
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    2001年4月より2005年12月までの57カ月間に札幌皮膚病理研究所で病理診断した,1,227病変の基底細胞癌(Basal cell carcinoma:以下BCC)を用いて臨床病理学的検討を行った.臨床像と病理組織像から,症例を結節型,表在型,斑状強皮症型,線維上皮腫型,Infundibulo-cystic型(以下IFC型)の5型に分類し,各症例の性別,切除時年齢,病変部位,そして臨床診断を検索した.従来の報告と異なり,男女比は1:1.26と女性に多く,切除時年齢は,平均70.1±13.9歳(男性平均68.4±13.4歳,女性平均71.4±14.2歳)と従来の報告より高かった.発生部位は,顔面が848病変(69.1%),ついで躯幹が139病変(11.3%)であった.臨床病理病型では,結節型949病変(77.3%),表在型122病変(9.8%),斑状強皮症型119病変(9.7%),線維上皮腫型26病変(2.1%),IFC型24病変(2.0%)であった.切除時年齢は斑状強皮症型が平均72.7±12.0歳と結節型や表在型より有意に高かった.発生部位別の臨床病理病型では,顔面では結節型が83.3%と圧倒的に多く,ついで斑状強皮症型が11.9%であった.躯幹や四肢では,結節型は約50%前後であり,ついで表在型が35%前後であった.病理病型別の発生部位は,結節型と斑状強皮症型,そしてIFC型は,顔面に多く,表在型と線維上皮腫型は,躯幹にもっとも多かった.顔面の部位別では,鼻が242病変と最も多く,ついで頬の149病変,眼周囲の140病変が多かった.結節型ではBCCと臨床診断される病変は,49.2%であり,色素細胞母斑や脂漏性角化症と診断される病変が比較的多かった.表在型も,BCCと臨床診断される病変は51.3%で,ついでBowen病と診断される病変が多かった.斑状強皮症型はBCCと診断される病変が多く,その他潰瘍や瘢痕と診断される病変が多かった.各部位別の臨床診断は,それぞれの部位に多い臨床病理病型を反映していた.10人の患者に生じた24病変が多発性病変であった.基礎疾患としては色素性乾皮症が1例含まれていた.発生部位や臨床病理病型の構成は,単発例とほぼ同様であった.
  • 桒野 嘉弘, 浦 博伸, 鈴木 洋美, 冨田 郁代, 長山 裕子, 玉木 毅
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1709-1712
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり HTML
    最近6年間に当科にて造血幹細胞移植後GVHDを疑い生検施行した11症例(男6名,女5名)について検討した.11例中7例において,病理組織学的にGVHDの所見が確認された.皮疹の臨床像・皮膚以外の臨床症状・臨床検査所見と組織学的所見の関連について検討を行ったところ,皮疹の臨床像・部位・範囲は組織学的所見の有無に直接結びつかなかった.皮膚以外の臨床症状では,下痢が認められた3例はいずれも組織学的所見を有していた.臨床検査所見では,肝GVHDの指標とされる総ビリルビンは,組織学的所見との関連に乏しかった一方,γ-GTPは,上昇例に組織学的所見を有する例が多く,GVHDの診断において,生検の必要性を判断する上での1つの指標となる可能性が考えられた.
  • 青柳 哲, Nouri Keyvan, 澤村 大輔, 清水 宏
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1713-1717
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞癌に対する二つの異なる手術法として,本邦での標準手術法(全摘術total excision:TE)と米国での標準手術法(Mohs micrographic surgery:MMS)の治療結果の比較を米国マイアミ大学皮膚科で施行された手術例と北海道大学皮膚科での手術例を他施設間,国際共同研究として検討した.臨床的特徴(年齢,性別,腫瘍径,色素の有無,部位)および病理組織学的特徴をそれぞれ術前に群間で比較した.そして,Quality of life(QOL)の観点から,両群についての治療結果を比較検討した.年齢・性別・腫瘍径では両者に有意差は認めなかったが,本邦では色素性病変(黒褐色調)の割合が有意に高かった(81.63% vs 20.65%,p<0.001).MMSはTEと比較して,全体の切除範囲が少なく(4.6±2.7mm vs 5.3±1.4 mm p<0.001),局所麻酔の比率が有意に多い反面,TEでは初回切除のみで組織学的断端陰性を得られる比率が有意に高かった(95.92% vs 53.51%,p<0.001).また再建方法としては,TEではMMSと比較して植皮術の割合が有意に高かった(26.53% vs 10.33%,p=0.009).生命予後が良好である基底細胞癌は,治療法を選択する場合,QOLの観点からの適応の有無も今後のひとつの重要な要素になってくることが予想される.そして,本邦においても,その選択肢のひとつにMMSを含めるべき可能性があることが,今回の比較研究の結果から考察される.
  • 高井 利浩, 藤原 進, 村田 洋三, 熊野 公子
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 9 号 p. 1719-1723
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    外陰部の乳房外Paget病で,びらんや腫瘤,局面を形成する主病巣と連続せずに,低色素斑を呈する小さな副病巣を有した症例を3例経験した.全ての例で,低色素斑部は手術時の迅速病理組織診断にて乳房外Paget病の病巣と診断され,同部を含めて完全切除できていることが術後の病理組織学的検討にて確認された.また低色素斑を呈した病巣はいずれも主病巣と連続性なく存在していることも確認された.乳房外Paget病の術前検討では,主病巣から離れた小さな低色素斑の存在する可能性に留意する必要があると考えた.
学会抄録
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