日本皮膚科学会雑誌
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98 巻 , 14 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 渡辺 理恵, 溝口 昌子
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1451-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    ベーチェット病(以下B病)患者の末梢血好中球機能亢進が報告されている.今回我々はこれまでの報告と異なった方法すなわち好中球chemokinesisまたはchemotaxisの初期反応を反映するpolarization assayを主として用い,B病患者の好中球機能を検討した.患者の検索に先立ち,健常人好中球を使用し,polarization assay とBoyden's chamber法によるchemotaxisの鋭敏度,薬物による影響などを比較した.N-formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine(以下FMLP)に対してはpolarizationの方がより低濃度で反応を示した.10-5MのサイトカラシンBは両反応を著明に抑制したが,10-6Mのコルヒチンはchemotaxisのみを抑制し,polarizationを抑制しなかった.FMLPに対するpolarizationは活動期のB病患者では健常人に比して有意に亢進していた.また遊走因子を加えていないrandom polarizationも活動期の患者で有意に亢進していた.これに対し非活動期の患者では健常人とほぼ同様の反応を示した.反応の強弱は病勢と相関し投薬の有無とは無関係であった.また最近B病の口内炎に有効との報告がある塩酸アゼラスチンの好中球に対するin vitroの反応を健常人およびB病患者で検討した.アゼラスチンは10-7M~10-5Mで好中球のFMLPに対するchemotaxis,chemiluminescenceを有意に抑制したが,polarizationには影響しなかった.polarization assayはchemotaxisに比し簡便,鋭敏,かつ再現性に優れ,投薬に関わらず病気の活動性を見るのに有用な方法と思われる.
  • 宿輪 哲生
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1459-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬,アトピー性皮膚炎,老人性角化症,尋常性魚鱗等の病変部角層を剥離して走査電顕で観察し,角質細胞表面に微絨毛様突起(villus-like projection:VP)を認めた.尋常性乾癬,アトピー性皮膚炎,老人性角化症の皮疹部では光顕的に著明な角質増殖,錯角化,表皮肥厚を認め,走査電顕的には細く,長いVPが多数みられた.アトピー性皮膚炎無疹部,尋常性魚鱗癬では光顕的に錯角化を伴わない軽度の角質増殖を認め,走査電顕的には太く,短いVPが少数認められた.透過電顕的に,VPは細胞質を伴った細胞膜の突出で,VPの先端にはdesmosome様構造が認められた.VPは角質増殖が著明なほどその高さと数が増加すると考えられた.また,老人性角化症では,尋常性乾癬,アトピー性皮膚炎皮疹部に比べ,VPの数にばらつきがあり,形もやや歪んだものが多かった.VPは表皮living cellの状態を反映していると思われた.
  • 宿輪 哲生
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1467-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    44歳以下の成人健常者および70歳以上の高齢者で,48時間に,1回角層を剥離して人工的に角質増殖刺激を与え,villus-likeprojection(VP)の誘発を試みた.走査電顕上,成人健常者では,剥離5日目(3回剥離時)よりVPが出現,増加し,11~13日目(6,7回剥離時)で著明となるが,それ以降はVPが急速に減少した.透過電顕的にはVP先端にデスモソーム様構造を認め,剥離17日目(9回剥離時)にはVPが減少し,代ってデスモソームの著明な増加がみられた.一方,高齢者では,成人に比べVPの形成が遅く,その数も少なく,長さも短かった.また,デスモソームの増加はみられなかった.VPはデスモソームの増加が生じるまでの角質細胞同志の結合を強める過渡的な産物と推測される.高齢者では表皮の反応性の低下のため,VPの形成が遅延し,VPの個数,長さが減じ,デスモソームが増加しないと考えられた.
  • 竹原 和彦, 五十嵐 健, 森 俊二
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1475-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    東京都衛生局医療福祉部特殊病対策課の御協力を得て,東京都における汎発性強皮症患者の実態を明らかにすることを目的とし,東京都における汎発性強皮症認定患者の「難病治療患者調査票」に基づく疫学調査を行った.昭和61年度に計599人の患者が汎発性強皮症として認定されており,東京都とその他の他域での患者の頻度がほぼ同じとし,東京都と同一の診断基準によると全国では期待値として6,158人の認定患者が存在することが推定された.男女比は1:12で40~59歳が全体の60%を占め,過半数が大学病院を受診していた.約40%が副腎皮質ホルモンを投与されているのに対し,ペニシラミン投与は10%にとどまった.
  • 飯島 茂子, 大久保 千真季, 星野 稔, 佐久間 満里子, 馬場 徹, 上野 賢一
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1483-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    MDSにSweet病様病態を示した3例を報告した.症例1:74歳男.refractory anemia.血液学的異常に1年11ヵ月先行して,四肢・顔面に圧痛(±)の浮腫性紅斑が出没.組織学的に真皮全層の血管周囲性リンパ球浸潤で,好中球・核破片も混在.症例2:57歳男.refractory anemia with excess of blasts(RAEB).血液学的異常出現2ヵ月後より,顔面・前腕・背部に圧痛のない浮腫性浸潤性紅斑出没.膿疱(+).自然消褪(+).組織学的に好中球と核破片を主としリンパ球も混ずる管周囲性細胞浸潤.症例3:49歳男.RAEB in T.血液学的異常とほぼ一致して,下肢から全身に広がる浸潤性紅斑出現.膿疱(+).組織学上,皮下脂肪織に好中球の稠密な浸潤.前白血病状態であるMDSの自験3例にみられた発疹はSweet病に類似する.MDSでは血球の形態異常とともに,さまざまな機能異常を伴うため,若干修飾されたSweet病様病態が出現する可能性があると思われた.
  • 梅村 忠弘, 平井 さと子, 大橋 勝
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1495-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    59歳,女性.44歳頃から,レイノー症状があり,某病院にて全身性エリテマトーデスと診断されている.両下肢の潰瘍が悪化してきたため,59歳の時に名城病院に入院し,入院中に腰椎圧迫骨折がみられた.その後,クリオダロブリン陽性であることに注目し,37℃保存血清について施行した血清蛋白免疫電気泳動にて,IgG-λ型M蛋白陽性であり,骨髄穿刺にて形質細胞19.6%,大腿骨骨幹部に骨X線上透亮像を認めたため,多発性骨髄腫と診断した.本症例の皮膚症状について,骨髄腫に伴うクリオグロブリン血症を主な原因と考えた.全身性エリテマトーデスと骨髄腫の合併につき,文献的考察を加えた.
  • 今井 龍介, 三浦 淳子, 沼田 和代, 高森 建二
    1988 年 98 巻 14 号 p. 1505-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    FACS(fluorescence activated cell sorter)を用いて円形脱毛症alopecia areata(AA)末梢血中のnatural killer(NK)細胞サブセットの検索を行った.NK細胞の末梢血リンパ球中の占有率は,脱毛の拡大を認めず治癒傾向にある単発性円形脱毛症では正常人コントロールとの間に有意差を認めなかったが,治癒傾向を認めない多発性円形脱毛症,全頭脱毛症,汎発性脱毛症においては,NK活性の高いLeull+細胞の増加が認められた.Leull+細胞の増加は,多発性円形脱毛症,全頭脱毛症,汎発性脱毛症の病像形成にNK細胞が関与する可能性を示唆していると思われた.
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