日本皮膚科学会雑誌
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96 巻 , 9 号
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  • 肥後 順子, 長野 博章, 影下 登志郎, 嘉月 博, 小野 友道
    1986 年 96 巻 9 号 p. 891-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    11ヵ月女児の右眼窩上部に発生した皮下皮様嚢腫の1例を報告した.病理組織学的に嚢腫壁は表皮様構造を呈し,これに毛幹,毛包,脂腺,汗腺の附随が認められ,嚢腫壁にはケラトヒアリン顆粒を見る角化と,いわゆるtrichilemmal keratinizationに類似した所見との2種の角化様式が認められ,1部には両者の移行がみられた.PAP法を用いた抗ケラチン抗体染色でも両者は異なった染色態度を示し,嚢腫壁にはOKT6陽性ランゲルハンス細胞が認められた.電顕的観察において,嚢腫壁にメラノサイト,ランゲルハンス細胞を認めた.また内容物の脂質分析で,内容脂質は脂腺及び表皮細胞由来の両者の特徴を示す結果が得られた.
  • 深井 和吉, 石井 正光, 北島 淳一, 寺尾 祐一, 濱田 稔夫
    1986 年 96 巻 9 号 p. 897-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    11ヵ月女児および9歳女児にみられたpiebaldismの2例を報告した.11ヵ月女児の例では白斑部の生検標本にはmelanocyteは存在しなかった.経過中に白斑の縮小と白斑内の色素斑の出現をみた9歳女児の白斑部生検部位では,melanocyteが全く存在しない部分と,stageⅡ~Ⅲのmelanosomeを持つmelanocyteがかなり存在する部分があった.PUVA療法を施行したところ,さらに色素斑の拡大と白斑の縮小をみた.生後の色素斑の出現と拡大は,これら不完全なmelanocyteが色素産生を行うようになった結果であると推察した.
  • 塚本 宏太郎, 神崎 保, 前田 徹
    1986 年 96 巻 9 号 p. 907-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    組織培養において悪性外毛根鞘腫の細胞株を樹立した.82歳,男の左耳前部に発生した悪性外毛根鞘腫を材料とし,その細胞を10%牛胎児血清を加えたEagle's MEM液を用い,37℃,5%CO2の条件下で培養した.population doubling timeは約48時間,plating efficiencyは約1%,saturation densityは約6.5×104個/cm2,cell viabilityは約90%であった.形態学的には光顕で偏平な上皮系の細胞に見え,電顕では細胞質内にトノフィラメント,細胞接合部にデスモゾーム・トノフィラメント複合体が見られた.染色体分析では染色体数は低四倍体を示し,22q-が100%の細胞に認められた.またnude mouseに形成された腫瘍にはヒトのそれと同様,腫瘍細胞間に好酸球の浸潤がみられ,本細胞が好酸球遊走因子を産出していることが示唆された.
  • 麻生 和雄, 片方 陽太郎, 下浦 孝子, 徳 誠吉
    1986 年 96 巻 9 号 p. 913-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    遺伝性掌蹠角化腫(Thost-Unna,Vorner,点状角化腫)の表皮・角層ケラチンとそのterminal modificationを表皮基底層~角層の連続切片標本から検索,健康人足蹠,紅色毛孔性粃糠疹,胼胝腫,乾癬と比較した.遺伝性掌蹠角化腫での異常は1)一部の表皮ケラチンの欠落と,2)terminal modificationの欠陥に要約される.特にThorst-Unna型での表皮ケラチン68KD,66KD,63KDの欠落と70KDの著明な減少,それに基づく表皮ケラチンterminal modificationの欠陥は明らかであった.遺伝性掌蹠角化腫での角層ケラチン・フィラメントはしたがって健康人とは異質な角層ケラチンより構成されており,それら角層は健康人とは異質な角層であると言える.
  • 赤星 吉徳, 神田 源太, 阿南 貞雄, 吉田 彦太郎
    1986 年 96 巻 9 号 p. 921-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Linear IgA dermatosis 3例,Dermatitis herpetiformis(DH)2例について,それぞれの患者血清を新鮮正常ヒト皮膚と37℃,48時間培養したところ,Linear IgA dermatosis 3例の患者血清添加組織ではdermo-epidermal separation(DES)が認められた.また,dermo-epidermal junction zoneに線状のIgA沈着が証明された.しかしDH,正常人ではIgA沈着は認められず,それらの血清ではDESを発生せしめることはできなかった.またLinear IgA dermatosisの患者血清に56℃,30分間加熱処理を行って同様の操作を試みても同じ結果が得られた.しかし,蛋白分解酵素阻害剤のaprotinin,α2-macroglobulinを添加して同様の実験を行うと,それぞれ50%,10mg/dlの濃度でDESの発生は阻止された.したがってLinear IgA dermatosisにおける水疱形成にはIgA抗体の基底膜部への沈着と蛋白分解酵素が関与し,補体は直接関与していないことが示唆された.
  • 石田 明美, 大熊 憲崇, 飯塚 一, 岸山 和敬
    1986 年 96 巻 9 号 p. 935-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    中波長紫外線照射ブタ皮膚において,電顕的に①dyskeratotic cell(Kerrらの言うapoptotic cell),②Civatte body様の細胞(Hashimotoの言うfilamentous cell)及びこの間の中間的変化を示す細胞が段階的に観察されたことから,filamentous cellはtonofilamentに富む角化細胞のapoptosisの特殊なend stageと考えた.また,in vitroのcycloheximide処理によっても表皮角化細胞のapoptosisを認め,さらに中波長紫外線照射とcycloheximide処理はともに表皮の蛋白および核酸の合成を抑制することが示された.以上の結果よりapoptosisの形成には蛋白ないし核酸の合成障害が重要な意味を持つことが推定された.
  • 宇佐神 治子, 大橋 勝, 川島 弘三, 三浦 克敏
    1986 年 96 巻 9 号 p. 937-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    42歳,女性.6歳頃までは普通の元気な女児であったが,6~10歳位の間に,顔面,頚部,口腔内,左前腕,左右両下肢に病変を生じた,晩発性先天梅毒の1例をのべた.それぞれの病変部は,瘢痕による著明な変形を来たした.そのため右眼は失明,左下肢の歩行は不能となった.41歳頃に左足関節前面の瘢痕に有棘細胞癌を生じた.左下肢の変形と癌による出血性潰瘍のため,左下肢切断を行なった.切断された左下肢は著明な廃用萎縮(筋肉と骨の萎縮と脂肪変性)がみられた.その術前検査の梅毒血清反応陽性が手がかりとなり,先天梅毒と診断した.それ以前の三十数年間はいくつかの科で医師の治療を受けていたが,すべて対症療法に終始し,梅毒の治療である抗生物質を注射,または内服したことはなかった.梅毒血清反応は,TPHA,204,800倍,ガラス板法,320倍だった.
  • 滝内 石夫, 鈴木 享, 高橋 明子, 樋口 道生, 小宮 弥生
    1986 年 96 巻 9 号 p. 943-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
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    SSSS患者より分離した黄色ブドウ球菌をTrypticase soy brothにて培養した培養液と,0~25mMのN-ethylmaleimideを混合し,生後2日目のマウスの皮下に注射し,12時間後に生じるニコルスキー現象の有無を観察した.この結果,5mM以上の濃度のN.E.M.では,ニコルスキー現象は完全に阻止され,1mMでも注射部位を中心として小範囲にみられるのみであった.また,N.E.M.と培養液の混合液をあらかじめ充分透析し,N.E.M.を除去しておくと,再びニコルスキー現象を生ぜしめた.以上の結果から,SSSSの発症にはExfoliative toxinの作用により活性化されるCysteine系のProteinaseの関与が強く示唆された.
  • 1986 年 96 巻 9 号 p. 945-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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